M&Aトラブル事例:M&A買収した会社が粉飾決算をしていたことが発覚した場合!

M&A買収した対象会社が粉飾決算をしていたことが発覚した場合

M&A買収した対象会社が粉飾決算をしていたことが発覚した場合、買主企業には何かとりうる策があるのでしょうか。

例えば、大阪地判平成20年7月11日判時2017号154頁では、買主企業が、粉飾決算により作成された決算書に基づいた高い株価で株式を取得してしまったという事案において、「企業買収においては、買収企業としては、被買収企業の有する問題点が買収により自らに転嫁されるリスクが存在するから、事前に、被買収企業の法的問題点、資産価値や収益力、将来性等を評価した上で、当該会社を買収することが自らにとって利益となるか否かや、買収のために拠出する資金の額等を判断することが必要であり、その交渉においては、買収企業による被買収企業についての調査が当然予定されているものと考えられる。」、「本件各契約においては、買収企業の責任で被買収企業の調査を行うべきであり、売主企業らが、被買収企業についての情報を積極的に開示すべき義務まで負っていたと解することはできない。」として買主企業側に厳しいデューデリジェンス(DD)の義務が課す判断をしております。

もっとも、他方で、同判例は、売主企業の説明義務の内容について、「買収企業による被買収企業の調査は、被買収企業の協力がない限り不可能であることは明らかである。したがって、被買収企業は、買収企業の調査に誠実に対応し、求められた事項について正確な情報を開示するなど可能な限り原告の調査に協力すべき義務を負っていたと解するのが相当である。」との判断も下しています。

これはすなわち、買主企業側が十分なデューデリジェンス(DD)を尽くしたのにも関わらず、相手が巧みな嘘をついて買主企業を騙したといえるような場合にはじめて、買主企業は売主企業に対して、対象企業の粉飾決算に起因して被った損失について補償又は損賠賠償を請求することができる、ということを意味し、買主企業としては、自らが「十分なデューデリジェンス(DD)を尽くした」ということをどれだけ立証できるかが重要といえるでしょう。

この点からも、やはり、M&Aにおけるデューデリジェンス(DD)の重要性は高まっているものと言えます。

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