M&Aによって買収された会社に起きる様々な変化について解説

企業の生き残りや市場のシェア拡大などを求めて、近年の日本でもM&Aが活発に行われています。

このように、M&Aが行われて会社を買収された場合、売却された会社の経営面や、会社の役員や社員の人事面、待遇面等はどのように変わるのでしょうか。

M&Aによって買収された会社に起こる様々な変化について、詳しく解説していきます。

また、M&Aが行われて会社が買収されることによるメリットデメリットや、売却された会社の社員がとるべき対応についても解説していきます。

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目次

M&Aによる会社の買収とは

M&Aによる会社の買収とは、ある会社が他の会社を支配するために、議決権の過半数以上を確保できる株式を取得したり、事業を買収することにより経営権を手に入れることをいいます。

買収側の企業にとっては、既にある分野で事業を進めている会社を買収することで、新規にその分野で事業を立ち上げるよりも効率的です。

M&Aにより会社を買収する効果

M&Aにより会社を買収することにより、買収する側の会社にとって以下の効果が期待できます。

議決権の過半数以上の株式を取得することにより、売却された会社の株主総会での普通決議において、取締役の選任や解任などを成立させることができます。

また、議決権の3分の2を超える株式を取得できれば、売却された会社の株主総会の特別決議において、定款変更や新株発行なども成立させることができるのです。

M&Aによる会社の買収方法

M&Aによる会社の買収が行われた場合、売却された会社の社員はどのような買収方法のM&Aが行われたかを知ることが重要です。

M&Aの買収方法によっては、売却された会社の社員の待遇や雇用関係等が大きく変わる可能性があります。

一方、M&Aの買収方法によっては、売却された会社の社員の待遇や雇用関係等がまったく変わらない場合もあります。

M&Aの買収方法には以下の2種類があり、買収方法によって様々な違いがでてきます。

  • 株式譲渡によるM&A
  • 事業譲渡 によるM&A

株式譲渡によるM&A

株式譲渡によるM&Aとは、最も一般的なM&Aの買収方法であり、中小企業を中心に行われています。

買収側の会社が、売却された会社の株式を買収することにより、経営権を取得する方法です。

株式譲渡によるM&Aの場合は、株式が移動するだけの買収のため、売却された会社にとっては事業の継続が可能になります。

売却された会社の社員にとっても、会社と結んでいた待遇や雇用関係が基本的に変わることはありません。

仮に、買収する側の会社が、待遇や雇用関係を変えたい場合には、売却された会社の社員からの同意を得てから新たに雇用契約を結ぶ必要があります。

事業譲渡によるM&A

事業譲渡によるM&Aとは、事業売却ともいわれる買収方法で、事業の一部または全部が買収されます。

事業譲渡によるM&Aでは、事業そのものが売買されるため、売却された会社の権利や義務が譲渡されることになり、一つ一つの契約は個別に買収する側の会社に承継されます。

そのため、売却された会社と社員とで結ばれていた雇用関係も見直しの対象となり、雇用関係を新たに決める場合が多いため、売却された会社の社員の待遇等が変化してしまう可能性が高いです。

他にも、新たな契約により見直しの対象となると考えられるのは、定年退職の年齢や給料や退職金の額などです。

事業譲渡によるM&Aにより会社を買収されることは、売却された会社の社員にとっては一度会社を退職してから新しい会社に入社することと同様です。

そのため、事業譲渡によるM&Aでは、売却された会社の社員の合意が必要になります。

仮に、売却された会社の社員の合意が得られない場合であっても、買収する会社はM&Aを理由に売却された会社の社員を解雇することはできないのです。

合意が得られない場合には、売却された会社の社員のために新しい配属先を探したり、事業を維持するための状況を説明するなどの社員を保護する責任が発生します。

実際には売却された会社の社員を解雇することはできなくても、合意を拒否しながら会社に残った社員の処遇は厳しいものになるケースが多々あります。

例えば、仕事が与えられなかったり、無理な異動をさせられたりすることが考えられます。

事業譲渡によるM&Aでは、買収する側の会社の就業規則に沿って雇用関係が決まってきますので、売却された会社の社員にとっては様々な条件が変わることが考えられます。

通例では売却しても会社は存続する

M&Aによる会社の買収が行われた場合、通例であれば買収方法にかかわらず、売却された会社は存続することが多いでしょう。

売却された会社の資産や負債、商品、契約なども、基本的にはそのまま引き継がれます。

但し、買収する側の会社の事業に対する考え方や、経営判断によっては、売却された会社をたたむという判断をする可能性もあります。

M&Aにより買収された会社に起こる変化

M&Aにより会社が買収された場合、売却された会社や社員には、M&Aによる買収方法の違い等による程度はあるにせよ、様々な変化が起こります。

基本的に待遇等の各種の条件は、買収する側の会社と売却された会社とで事前に協議をし、合意のもとに決定することが前提になります。

しかし、実態の合意内容は、買収する側の会社と売却された会社との力関係や、対外的企業価値等によって決まることが多いです。

この頁では、M&Aにより買収された会社に起こる変化について、詳しく解説していきます。

 買収されたことによる売却された会社の社員の待遇の変化

会社がM&Aにより買収された場合、売却された会社に起こる変化の一つとして、売却された会社の社員の給与や退職金等の待遇の変化が挙げられます。

一般的には、M&Aにより会社が買収されたとしても、売却された会社の社員の待遇等の労働条件の変更はほとんどありません。

しかし、買収する側の会社と売却された会社との合意内容によっては、評価基準が変わるケースがあります。

これは、評価基準が変わることにより、売却された会社の社員の待遇がよくなる場合もあります。

一方、評価基準が変わることにより、能力が十分でないと判断されれば、待遇が悪くなる場合もあるのです。

一般的には、売却された会社の社員の待遇がよくなることは、ほとんどないといわれています。

この売却された会社の社員の待遇の変化は、株式譲渡によるM&Aと、事業譲渡によるM&A等の買収方法の違いにより変わってくる場合もあります。

売却された会社の社員の給与や退職金等の待遇は、M&Aによる買収時に決定される事項です。

売却された会社の社員の待遇がM&Aによる前よりも悪くなれば、売却された会社の社員が大きな不満をかかえて、買収後に大量辞職する可能性もでてきます。

売却された会社は、M&Aによる買収後に待遇に関してのトラブルにならないように、会社売却前に前の会社の勤務年数を加算するかどうかなどについて、買収する側の会社と確認をしておく必要があるでしょう。

株式譲渡によるM&Aの場合

M&Aの買収方法が株式譲渡による場合 、一般的に売却された会社の社員の雇用契約はそのまま引き継がれます。

株式譲渡による売却は会社売却ともいい、会社をまるごと譲渡することになるため、売却された会社の社員の雇用契約も基本的に守られるのです。

そのため、給与や退職金等の待遇に関する変化はないと考えてよく、今までと同様の労働条件で働くことができるでしょう。

但し、M&Aによる買収後に、売却された会社の給与規定や退職金規定が変更される可能性はあります。

この変更により、売却された会社の社員の待遇が良くなること悪くなることもあるのです。

売却された会社は、M&Aによる買収が成立する前に、きちんと売却された会社の社員の労働条件を交渉することが大切になります。

事業譲渡によるM&Aの場合

M&Aの買収方法が株式譲渡による場合は、株式譲渡によるM&Aと異なり、給与や退職金等の待遇に変化が起きやすい買収方法です。

事業譲渡によるM&Aは、事業売却ともいわれる方法で、M&Aによる買収後は買収側の会社へ権利や義務が譲渡されます。

そして、買収する側の会社と売却された会社との一つ一つの契約については、個別に承継されることになります。

そのため、売却された会社の社員との待遇などの労務契約についても、個別に承継されることになるのです。

売却された会社の社員の給与や退職金等の待遇についても、雇用契約を承継するのかや、承継したらどのような条件で契約するのかは、買収する側の会社がハンドリングをすることになります。

事業譲渡によるM&Aでは、売却された会社の社員は今までとは異なった雇用契約を別途契約することになるため、給与や退職金等の労働条件が変わることもあります。

したがって、今までと同様の労働条件で働きたい場合は、会社が買収される前にどれだけ交渉することができるかが大切になってくるのです。

買収されたことによる売却された会社の社長や役員等の待遇の変化

会社がM&Aにより買収された場合、売却された会社の社長や役員等の待遇も当然変化します。

M&Aによる買収の条件や状況によっても変わってくるため、すべてのケースに当てはまることはありませんが、売却された会社の社長や役員等の待遇や処遇は、一般的には社員より冷遇されることが多いです。

売却された会社の役員については、常勤か非常勤かによって一般的に待遇や処遇が変わってくることが多いです。

常勤役員の場合は、買収する側の会社の状況や、常勤役員本人の力量で待遇や処遇が変わってくる可能性があります。

例えば役員が、売却された会社の社風や経営等をよく理解している場合は、そのまま買収後も常勤役員として続投を要請されることもあります。

一方、非常勤役員の場合は、社長の親族であったり、実態の伴わない役員であることが多いため、M&Aによる買収後は退任するケースが多いです。

また、買収する側の会社が、売却された会社の経営状況や社員の状況や風土などを充分に把握している場合にも、役員は退任となることが多いです。

他にも、売却された会社の役員の力量が劣る場合等は、退任となる可能性が高くなります。

このように、M&Aによる買収前は売却された会社で活躍していた役員であっても、買収後には発言権も無くなり活躍ができなくなる場合もあります。

そのため、売却された会社の社員と同様に役員に対しても、M&Aによる買収前に待遇や処遇を確認しておく必要があるのです。

役員の報酬や退職慰労金等の待遇は、株主総会で株主が決定することになります。

仮に役員として残れたとしても、報酬や退職慰労金等の待遇が今まで通りに維持される保証はなく、減額されることも多々あるのです。

M&Aによる買収が行われると、売却された会社の社長は、役員と同様に会社に残ることは一般的に難しいとされています。

M&Aによる買収後も会社に残って働きたい社長もいると思いますが、会社売却の内容によって、引き継ぎが終わったに退職となることが多いのが現実です。

しかし、社長には売却された会社の社員や役員と異なり、M&Aによる買収により得られるメリットがあります。

まずは、会社を売却することにより、売却益を現金で得ることができることです。

また、後継者の問題を抱えていた場合は、その問題も解決することができます。

他にも、会社を売却することにより、基本的には社長の個人保証や担保等の負債も買収する側の会社が引き継ぐことになります。

そのため、個人保証や担保等の負債から逃れられるというメリットもあるのです。

株式譲渡によるM&Aの場合

M&Aの買収方法が株式譲渡による場合、売却された会社の役員の報酬と退職慰労金等の待遇は、売却された会社の社員と異なり維持される保証はありません。

なぜなら、M&Aによる買収後に役員として残れたとしても、役員の報酬と退職慰労金等の待遇は、株主が株主総会で決定できる権利を持っているからです。

M&Aによる買収後に報酬や退職慰労金等の待遇を維持するためには、買収する側の会社の株主やオーナーに役員としての力量を認められる必要があるのです。

事業譲渡によるM&Aの場合

M&Aの買収方法が事業譲渡による場合は、M&Aによる買収後に役員として残れたとしても、買収する側の会社の株主やオーナーに自らの重要性や能力を認められることは容易なことではありません。

このような場合に役員は、激しい競争や、奴隷のような扱いを受けることも多々考えられるため、M&Aの買収方法が事業譲渡による場合には、かなりのリスクがあることを覚悟する必要があります。

買収されたことによる売却された会社の社風の変化

M&Aによる会社の買収により、会社方針等の社風は大きく変化します。

会社が異なれば、独自の考え方や、違った雰囲気があることは当然です。

最近では、海外の会社が日本の会社を買収することもあり、文化が変わることにより会社の社風も180度変わる場合も考えられます。

海外の会社とのM&Aによる買収では、社員の待遇等は完全成果主義になり、物事に対する考え方に対するギャップも相当大きいです。

もちろん、これは海外の会社による買収の話だけではなく、日本の会社による買収でも会社が違えば社風のギャップが大きい場合も多々あります。

売却された会社が社風の異なる会社に買収されれば、買収する側の会社の方針に従わなければなりません。

M&Aによる社風の変化を受け入れることは、売却された会社の社員にとって、大きな不満になることもあります。

場合によっては、買収する側の会社の社風に馴染めずに、精神的に追い詰められる可能性もあります。

売却された会社は、M&Aによる買収の際に、社風の変化による社員の心のケアについて考えておく必要もあるのです。

買収されたことによる売却された会社の人事制度の変化

M&Aによる会社の買収が行われた場合、同じ会社でありながら、買収する側の会社と売却された会社の異なる人事制度が存在してしまいます。

同じ会社で異なる人事制度が存在していれば、社員の待遇も異なることになり、不満や軋轢が生まれてしまうことになります。

そのため、買収する側の会社と売却された会社の人事制度を、統合する必要があるのです。

しかし、このM&Aによる会社の買収をきっかけに、売却された会社の社員にとって不利な人事制度に変更してしまった場合、労働者の不利益変更という法的なリスクが発生することになります。

これを避けるために、M&Aによる会社の買収における人事制度を統合する作業は、社員との個別合意が必要になりますので、通常人事制度のすり合わせに1~2年ほどの期間を設定して行ないます。

そして、徐々に買収する側の会社の制度に移行していくのが、一般的な人事制度を統合する作業なのです。

一般的ではありませんが、人事制度を統合しないで買収する側の会社と売却された会社の両社の人事制度を残す場合も考えられます。

しかし、社員の待遇等に不平等が生まれることになりますし、人事異動が行われた場合にどちらの人事制度を採用するかで複雑になりますので、一般的な方法ではありません。

人事制度を統合することによって、会社の枠を超えた人事交流も可能になりますので、積極的な人事交流が行われることになります。

それにより、人事異動の枠も広がることで、買収する側の会社にとっては、人材が発掘できるメリットが生まれます。

一方、売却された会社の社員にとっては、M&Aによる買収により、未経験の業種への異動があるかもしれないことを覚悟しておく必要があるのです。

 買収されたことによる売却された会社の福利厚生の変化

M&Aによる会社の買収が行われた場合、売却された会社に存在していた福利厚生は無くなってしまう可能性があります。

なぜなら、福利厚生については、買収する側の会社によって自由に決めることができるからです。

一般的には、買収する側の会社の現在存在している福利厚生に合わせることになります。

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M&Aにより買収された会社や売却された会社の社員のメリット・デメリット

M&Aにより会社が買収されることにより、売却された会社や社員には、様々なメリットがあります。

一方、M&Aにより会社が買収されることによるデメリットも、多々あるのです。

M&Aによるメリットが多いのか、デメリットが多いのかは、ケースによってちがいますが、この頁では多くのM&Aに共通する会社が買収されることによるメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。

M&Aにより買収された会社や売却された会社の社員のメリット

M&Aにより会社が買収された場合、売却された会社や社員にとって、様々なメリットがあります。

会社が買収されることは、売却された会社や社員にとってもネガティブなイメージがありますが、売却された会社にもメリットがあるからM&Aによる買収に応じることになるのです。

以下は、M&Aにより会社が買収された場合に起こるメリットです。

経営が良好になり会社がより大きく成長できる

M&Aにより買収されるということは、売却された会社にとってどうしてもマイナスイメージが付きまとうことになります。

しかし、M&Aで買収する側の会社は、一般的に経営状態が良好のため、M&Aによる買収を行うと考えられます。

そのため、M&Aの相手側に選ばれたということは、実際は価値があると認められたということになるのです。

売却された会社にとっては、M&Aをする側の会社に入ることにより、安定した経営の元で働けるようになります。

また、売却された会社にとって、自社よりも大きい会社からのM&Aによる買収は、自社を大きく成長させる可能性があります。

M&Aをする側の会社が全国に支店を持つような大きな会社であれば、全国での販売力により事業拡大できるチャンスにもなるのです。

後継者がいない会社であっても存続できる

中小企業にとって、後継者問題は重要な問題です。

後継者問題に悩んでいる中小企業が、M&Aにより買収されるということで、後継者問題が解決して会社を存続させることができます。

また、後継者問題が解決することにより、取引先にも迷惑をかけずに済みますし、従業員の雇用も守ることができるのです。

社員の雇用を守ることができるため、社員は転職活動をしなくてもよくなる

経営が苦しい会社がM&Aにより買収されることにより、基本的には買収する側の会社に残ることができます。

倒産等で会社が無くなってしまう場合には、社員は転職活動をしなければいけません。

しかし、M&Aにより買収であれば、転職によるスキルアップを望まなければ、買収する側の会社に残ることで転職活動も不要になります。

但し、買収する側の会社に残ることは、転職できなかった人間として足元を見られる可能性があるため、職場の環境は苦しくなるかもしれません。

会社にとって無能な管理職がいなくなる

M&Aにより会社が買収されることにより、ほとんどの場合に売却された会社の経営が代わることになります。

経営が代わることにより役員や管理職も変化することになり、売却された会社の社員に不評だった無能な管理職がいなくなるなどのメリットがあります。

一方、業績を第一に求める管理職が優遇されることも考えられますので、職場の空気が重くなる可能性もあるのです。

変化した後の経営は数字や効率重視になることも多く、求められる結果を出せない場合は、仕事は苦しくなります。

M&Aにより買収された会社や売却された会社の社員のデメリット

M&Aにより会社が買収された場合、売却された会社や社員にとってメリットがあると同時に、様々なデメリットもあります。

以下は、M&Aにより会社が買収された場合に起こるデメリットです。

買収した側の会社の社風や考え方が染み付いている

買収する側の会社には会社独自の社風や考え方があり、売却された会社には異なった社風や考え方があります。

売却された会社の社員には、売却された会社の給料等の待遇が悪かったとしても、その他の社風や考え方にメリットを感じていたために退職をしなかったというケースもあります。

しかし、M&Aにより会社が買収された場合には、会社の社風や考え方が大きく変わることになり、その方針に従わなければなりません。

そのため、売却された会社の社員は、買収する側の会社に染み付いた社風や考え方に大いに不満を抱くことになり、その方針に馴染めずに精神的に追い詰められる状況も多々あるのです。

売却された会社の社長や役員が経営から降ろされることにより会社の文化が変わる

売却された会社の役員は、M&Aによる会社の買収により、経営から退くのが一般的です。

仮に、会社に役員として残れたとしても、買収する側の会社先からは奴隷の様な扱いを受けるなどの覚悟をする必要があります。

また、経営から外れて会社に残った場合には、慣れない現場の仕事に降ろされる覚悟が必要です。

このように、M&Aによる会社の買収により、社長は交代し、役員も経営から外れることになりますので、それまで会社の文化を支えてきた中心が変わることになります。

そのため、職場環境は変化し、売却された会社の文化は一新することになります。

売却された会社の社員の勤務地や働き方が変わる

M&Aで会社を買収された後は、売却された会社の不採算事業や部署等は統廃合が行われます。

そのため、そこで働いていた売却された会社の社員は、人事異動となり勤務地が変わるかもしれません。

家を購入したり、事情により今の住居から離れることができない場合であっても、会社が買収されてしまえば個人の希望はあっさり却下されてしまう可能性があります。

また、M&Aで会社を買収されれば、今までとは働き方は一変することになります。

そして、買収する側の会社から、働き方を変えることを促されるはずです。

不平等により売却された会社の社員のモチベーションが下がる

人事制度の統合等により、買収する側の会社の社員との待遇に格差が生じて、売却された会社の社員は不平等を感じることがあります。

同じ仕事をしていても待遇に格差が発生したり、それまでの仕事が評価されなかったり、異なる部署に異動させられたりすることで、モチベーションを維持することが難しくなります。

もちろん買収する側の会社も優秀な社員には勤め続けて欲しいと考えるため、不平等になることはできるだけ避けようとします。

しかし、買収する側の会社から何を求められているかわからないままだと、売却された会社の社員も何を努力したらいいのかもわからなくなり、モチベーション低下につながるのです。

売却された会社の社員がリストラされることが前提になっている

M&Aでの会社の買収では、売却された会社のブランドや設備等を取得することが目的の場合があります。

M&Aを締結する時に合意していなくても、会社を経営するのに一番大きいコストが人件費のため、実際には売却された会社の社員を初めからリストラすることを前提としている買収も存在するのです。

M&Aにより買収された場合に売却された会社の社員が生き残るために必要なこと

M&Aにより会社が買収された場合に売却された会社の社員が会社に残る選択をしたならば、今までと同じような覚悟で仕事をするわけにはいかなくなります。

M&A後の会社で生き残るためには、以下のような覚悟が必要です。

売却された会社のやり方を忘れ、買収する側の会社のやり方を早く身につける

今までの仕事のやり方を捨てられない人がいますが、買収する側の会社は人を含めて買収したのです。

買収する側の会社の社風や方針をできるだけ早く身につけて、今までの仕事のやり方は忘れなければなりません。

買収する側の会社の社風や方針が今までと180度違ったとしても、M&Aによる買収が行われたわけですので、対処していくことが大切です。

買収する側の会社のやり方が身に付くことができれば、自然と仕事の効率も上がり、待遇にも反映されます。

激しい競争になることを覚悟し、向上心を持って働く

M&Aによる会社の買収により、今までよりも能力主義にシフトする場合がほとんどです。

売却された会社の社員には、より業務に効率や成果が求められるようになりますので、激しい競争になることを覚悟しなければなりません。

激しい競争になることなっても待遇がよくなることはないかもしれませんし、競争についていかなければ人事異動などが行われるかもしれません。

しかし、競争することを恐れないで向上心を持って働くことにより、状況がよくなり評価につながる可能性もあります。

スキルを磨きオリジナリティを身に着け、レベルアップを心がける

売却された会社の社員は、スキルを磨きオリジナリティを身に着けレベルアップをすることで、会社にとってなくてはならないキーパーソンになります。

キーパーソンになることにより、買収する側の会社や社員から能力を認められ、評価や待遇にもつながります。

また、絶対に退職して欲しくない人材にもなることができるのです。

異動や単身赴任も覚悟する

M&Aによる会社の買収後には不採算事業や部署を統廃合が行われ、個人の事情も考慮してくれることもなく、人事異動やそれに伴う単身赴任が行われることもあります。

人事異動や単身赴任ができなければ、退職も選択肢に入れなければならなくなります。

そのため、退職したくなければ、人事異動や単身赴任も覚悟しておく必要があります。

M&Aで会社を買収された場合、売却された会社の社員が退職した方が良いケース

M&Aにより会社が買収された場合に、売却された会社の社員のとる行動として、会社に残るのも一つの選択肢ですが、退職した方がよい場合もあります。

しかし、退職は人生における大きな決断ですので、後悔しないように選択しなければなりません。

退職後に後悔しない為にも、以下は退職したほうがよい場合のポイントです。

買収側の会社の経営ビジョンが見えない場合

M&Aによるシナジー効果やシェアの拡大だけが目的で、買収する側の会社に経営ビジョンが見えない場合があります。

その会社の方針が間違っているという訳ではありませんが、長期的な経営戦略を持っているとは言えません。

売却された会社の社員にとって、その様な会社に在籍し続けることは、ストレスやリスクにつながります。

買収側の会社からの差別や不平等がある場合

事業の継続を目的としたM&Aの場合には、買収する側の会社からの差別や不平等を被る場合がありますし、売却された会社の企業文化や価値がないがしろにされることもあります。

そのような環境が我慢できない場合は、退職をすることも一つの選択肢として考えられます。

買収側の会社の企業文化になじめない場合

M&Aによる会社が買収が行われた場合に、企業文化をすり合わせることは、M&Aでも難しいポイントの1つです。

新しい企業文化や社風になじめずに苦しんでいる売却された会社の社員は多くいますので、なじめないならば退職を考えるのも一つの選択肢なのかもしれません。

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M&Aにより会社を買収した場合の事例

日本におけるM&Aの成約件数は、2018年~2020年までに3,500件を超えています。

しかし、M&Aの成功率は、2割~3割ともいわれています。

本頁では、M&Aで会社を買収された場合の成功事例や失敗事例について解説します。

M&Aにより会社を買収した場合の成功事例

IT企業の楽天は、積極的にM&Aを行うことにより、会社を発展させています。

2003年には、宿泊予約サイトのマイトリップ・ネットを約323億円で買収し、「楽天トラベル」を業界大手に成長させています。

同じ2003年には、インターネット証券のDLJディレクトSFG証券を約300億円で買収し、「楽天証券」として子会社化しています。

2004年には、カードローン会社のあおぞらカードを74億円で買収し、「楽天カード」としています。

2008年には、イーバンク銀行と業務提携した後に子会社化して、後に「楽天銀行」としました。

2013年には、スタイライフをTOBで買収したのです。

M&Aにより会社を買収した場合の失敗事例

大手商社の丸紅が、事業拡大を図るために、2012年にアメリカの穀物大手ガビロンを約2,880億円で買収しました。

当時、中国向け輸出でトップのガビロンに対し、トップシェアを占めていた丸紅が買収することで、中国市場における寡占化を警戒されたのです。

その結果、中国政府より中国市場でのビジネスを制限され、ガビロンののれん代約500億円の損失になりました。

まとめ

このように、M&Aにより会社を売却しようと考えた場合、買収側の会社の選定や、社員の待遇等がどうなるかなどの難しい判断が必要です。

売却された会社や社員にとって、一番よい方向に進むためには、専門家でないと難しいことも多々あります。

そのため、M&Aにより会社を売却しようと考えた場合は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

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