会社がM&Aで買収された役員従業員はどうなってしまうのか?!

M&Aは企業の生き残りや市場のシェア拡大などメリットがあり、日本でも活発に行われています。ここでは買収された企業の役員や従業員がどうなってしまうのかを解説していきます。

・M&Aによる給与や退職金の変化

・M&Aによる人事評価や制度の変化

・M&Aによる現場レベルの仕事の変化

従業員にとって会社がM&Aされた!と知った時の衝撃は大きく、今後の人生のターニングポイントになるでしょう。希望退職を含めた話し合いや将来のプランを考えなおす必要があり、買収された会社に残った場合のケースなども交えて徹底的にご説明します。

M&Aで買収された会社の従業員の給与と退職金の変化

まず知っていただきたいのは給与と退職金の変化です。これはM&Aの手法によって違います

・株式譲渡

・事業譲渡

の違いについて解説していきましょう。

株式譲渡によるM&Aの場合

株式譲渡によるM&Aは中小企業を中心に行われており、最も一般的なM&Aの手法です。売り手企業にとって事業の継続が可能になり、買い手企業は会社の株を買収することで経営権を手に入れます。

従業員の給与と退職金

株式譲渡は株式の取得による経営権の移動ですので、従業員と会社の雇用契約はそのまま維持されることになります。買収した企業が手に入れたのは株式であり、労働者の給与や退職金に変化はありません。

役員の報酬と退職慰労金

しかし、従業員と異なり役員はそうはいきません。役員の報酬と退職慰労金は株主が株主総会で決定できる権利を持っています。したがって買収先の企業に役員として残れたとしても、報酬や退職慰労金が維持される保証はありません。報酬が減額されることもあり、退職慰労金はまともに支払われることすら期待できなくなります。

事業譲渡によるM&Aの場合

事業譲渡によるM&Aは事業そのものが売買されます。この手法では一部または全部が買収されるので、労働者の雇用契約も変化することになります。給与や退職金は買収した企業の雇用契約によって決定します。従業員は新しい雇用契約(労働契約)を結ぶことになり、従来の雇用契約は失われます。

従業員の給与と退職金

従業員にとっては、事業譲渡によるM&Aで会社が買収されることは、一度退職し新しい会社に入社することに等しくなります。そのため、事業譲渡によるM&Aには労働者の合意が必要にになります。

従業員の合意が得られない場合でも買収した企業はM&Aを理由に解雇することはできません。従業員の為に新しい配属先を探したり、事業を維持するための状況を説明するなど、労働者を保護する責任が存在します。

法律上買収した企業は従業員の解雇が出来ませんが、実際には合意を拒否しながら企業に残った従業員の処遇は厳しいものとなるでしょう。給与や退職金の変化は無いものの、仕事を与えられなかったり、無理な異動をさせられたりなど、会社に反抗的な態度をとる人間には厳しい現実が待っています。

役員の報酬と退職慰労金

事情譲渡により新しい企業に役員として残ることができても、報酬や退職慰労金は減額、もしくはまともに支払われることも無くなってしまいます。買収先の株主、オーナーに認められるには、自らの重要性や能力を理解してもらう必要があります。

それは容易なことではなく、激しい競争や奴隷のような扱いを受けることもあるでしょう。事業譲渡で役員として残るにはかなりのリスクがあることを覚悟しなければいけません。

退職金の計算方法に注意する:勤続年数リセットなど

事業譲渡スキーム(手法)で行われたM&Aでは労働者の権利はとても弱く、法的にも保護が充分ではありません。例えば会社分割などでは労働者の権利を守る労働契約継承法がありますが、事業譲渡によるM&Aでは採用されないのです。自然とM&Aによって売却された企業の従業員や役員は不利な立場に立たされてしまいます。

具体的な手順では、買収先企業から提示された転籍同意書を作成することになります。その中には労働条件の低下や、退職金の支払い方法に関することも含まれます。退職金は就業規則によって支払われますので、その規則によって勤続年数がM&Aでリセットされることもあります。転籍同意書にサインをする前に、入念な話し合いをすることが大切です。

役員の退職慰労金はほとんど支給されない

株式譲渡でも事業譲渡でも、役員の退職慰労金はほとんど支給されません。従業員の退職金と違い、就労規則などで規定されているものではなく、株主によって決定されるものだからです。

M&Aによって株主が変われば、それまで立場は一変します。役員として在籍することすら難しく、報酬は維持されても退職慰労金はほとんど期待できないでしょう。役員が新しい株主に対してできることは、自らの仕事の重要性を認めてもらうためのアピールしかありません。

現実的には、新しい株主に認めてもらうのはかなり難しいです。それまでの水準を維持することは不可能に近く、買収企業の奴隷として働き続けるなど、なりふり構わない行動やリスクを背負わされることがあるので注意が必要です。

M&Aで買収された後の従業員の人事制度の変化

同じ会社で異なる人事制度が存在する場合、労働者の待遇に不満や軋轢が生まれてしまいます。そこで人事制度を統合する作業が必要になりますが、買収した企業が不利な人事制度にしてしまうことは、労働者の不利益変更という法的なリスクが発生します。

事業譲渡の場合でも労働者との個別の合意が必要になり、人事制度のすり合わせは1~2年の期間を設定し、買収した企業の制度に移行していくのが通常です。人事制度を統合せず2社の人事制度を残す場合もありますが、不平等が生まれてしまいますし、異動があった場合どちらの人事制度を採用するか複雑になってしまうので、一般的ではありません。

人事制度を統合することによって、今までの会社の枠を超えた人事交流も可能になります。買収した企業にとって、人材の発掘はM&Aのメリットの1つですから、積極的に人事交流は行われるでしょう。M&Aによってまったく未経験の業種に異動させられることは覚悟しておかなければいけません。

社会保障や福利厚生の変化

株式譲渡の場合、社会保障は買収企業の制度にあわせることが一般的です。厚生年金・年金基金また健康保険は企業ごと、業界ごとに存在しているからです。

福利厚生は買収先の企業によって自由に設定できるので、そのまま維持されるとは限りません。買収した企業の福利厚生に合わられることが多いです。

事業譲渡では社会保障、福利厚生は買収企業の制度に屈服する形になります。

従業員のキャリアとモチベーション

人事制度は従業員のモチベーションやキャリアに大きく影響し、ここをないがしろにしてしまうと従業員の離職につながります。仕事は人がいなければ動きません。従業員が離職してしまってはM&Aは失敗となってしまうでしょう。

しかし、一方で「選択と集中」がM&Aの目的でもあります。不採算な事業を撤廃し、将来性と強みのある事業に集中することで強化する為に、人員の削減が行われる場合があります。

ですので、人事制度のすり合わせはM&Aでも重要な部分です。買収した企業のビジョンを活かし、従業員のモチベーションが発揮できるような制度になるよう協議しなければいけません。

希望退職を選択肢に入れてよく話し合うことが大切

M&Aによる人事制度の変化に納得がいかない場合、希望退職を選択肢に入れることになります。今後の人生のキャリアやライフプランを念頭に、よく話し合うことが大切です。

事業譲渡ならば雇用契約などの転籍にかかわる条件を熟読し、理解できない部分や納得できない箇所は煮詰めるべきです。個人で弁護士と契約することも考えられます。とにかく、不明な事があったり、不利な雇用条件にはサインしないことが重要です。

急がしいからと交渉を労働組合に任せてしまっては、後で後悔することになります。

なぜなら、M&Aでは現場レベルの仕事に変化が生まれますし、役員の場合は経営から離れ現場仕事になる事も考えられます。後述するポイントを参考に、M&A後の企業に残るか考えましょう。

日本でもキャリア形成の考え方が徐々に浸透しており、一生を1つの会社で過ごすことは少なくなりました。M&A後の会社に残ることが自分の人生に役に立つか見極めなければいけません。

事実上のリストラ:自主退職に追い込まれることも

基本的にM&Aでは従業員をリストラすることはありません。売却する企業が従業員の雇用を約束していることがほとんどであり、買収する企業にも人材を確保したい、有資格者やキーパーソンに継続して働いてもらいたいと思っているからです。買収の際の契約でも、従業員が働き続けることが条件に盛り込まれているのが一般的です。

さらに、リストラしたい従業員に対しても実力を発揮できるように人材交流も実行されます。それは買収する企業の義務でもあり、法的にもM&Aによる解雇はできません。

しかし、M&Aの目的の1つは選択と集中です。不採算事業にいる従業員は自主退職に追い込まれることもあり、閉職に異動、単身赴任、水準以下の労働条件の提示などで、自主退職を促す企業も存在します。

企業にとってもPMIは重要

M&Aによる統合スキームをPMI(Post Merger Integretion)といい、M&Aの成功はここにかかっています。

PMIにおける人事制度の統合は従業員にとって生活に直結する重要な問題です。それは買収企業にとっても同じで、従業員が納得できない制度のまま働いても、M&Aによるシナジー効果やモチベーションは得られません。

株式譲渡によるM&Aでは人事制度が引き継がれるケースがほとんどですが、シナジー効果を生み出すには新しい制度を導入するようになるでしょう。新しい人事制度や評価基準を設置することで、従来の制度では能力を発揮できなかった社員を発掘することができるからです。

つまり、PMIにより人事制度や給与・退職金は必ず変化していきます。この環境の変化を受け止め、納得いかないのであれば退職の選択肢も頭に入れることになります。

M&Aで会社が買収されると従業員は仕事がしにくくなる

給与や退職金など、雇用契約として書面に残る事項だけでなく、仕事のやりやすさも変化します。M&A後の会社に残ると仕事はどのように変わっていくのでしょうか。その傾向と具体例を紹介します。

買収した・買収された会社という関係性

どうしても排除できないのが買収した・買収されたという関係性です。M&Aはそもそも対等な関係で行われますが、買収した従業員からは「買収してあげた」という意識が生まれ、買収された会社の従業員からは「買収されてしまった」という意識が生まれます。

その様な関係性においては、買収されてしまった会社の仕事は軽視されてしまう傾向にあります。これはそれまで仕事に携わってきた人間からすると屈辱です。その仕事の重要性、将来的価値をないがしろにされ、買収されてしまった会社の仕事だからと軽く扱われてしまうかもしれません。

買収した会社に取り入ろうとする

買収された会社の仕事にプライドを持つことは重要ですが、そのプライドを捨ててしまう従業員もいるでしょう。買収した会社の従業員に取り入ろうと媚びへつらい、出世の為に全力を出すタイプの人間です。

それは非難できることではありません。その従業員にも野心や家族があるでしょう。ですが、どうしても買収された会社の従業員としては納得がいかないのも事実です。

どちらにせよ、仕事はやりにくくなるでしょう。出世の為に取り入ろうと媚びへつらうのも、それまでの会社の仕事にプライドを持つのも、M&Aの後に残る従業員が直面する問題となります。

事業譲渡M&Aにより買収された会社に従業員が残るリスク

事業譲渡でのM&Aでは特に会社に残るリスクを考えなければいけないでしょう。事業譲渡ではその事業そのもの、人間や資産はすべて買収した会社の物になります。その事業の重要性や評価は新しい会社によって判断され、シナジー効果を期待して人材の交流や事業価値の再評価をされるからです。

仕事にプライドを持ち、それまでの仕事を継続して続けたいと思っていても、その願いは聞き入れられない可能性があるのです。その仕事を軽視され、冷遇される。新しい会社の従業員がやってきて、仕事のやり方を変えられるなど、必ず環境は変わってしまいます。

事業そのものを売却されたり、まったく別の事業や部署に異動させられたりすることも買収した会社の自由です。事業譲渡によるM&Aでは、再雇用契約書にサインする前に、このようなリスクをよく考えておく必要があるでしょう。

M&Aでは従業員を解雇することはできませんが、自主退職に追い込まれるなどの事例は存在します。裁判を起こして解雇を違法と争う判例で勝訴しても、1度解雇した会社に残ることは現実的ではありません。

M&Aで買収された会社に従業員が残る場合のメリット・デメリット

ここではM&Aで買収された企業に残るメリットとデメリットについて解説します。あくまで一般的な場合ですが、多くのM&Aの事例に共通するポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。

メリット:能力やスキルを評価してもらいやすい

M&A後の企業では能力やスキルを評価されるようになるのが一般的です。特に売却先の企業が外資系であるならその傾向は顕著になり、日本的な年功序列は薄れ、能力の低い人材やスキルの無い人材は排除されていくでしょう。

逆に言えば、能力を認められなかったら重要な仕事からは外され、出世の道を絶たれたり、自主退職に追い込まれるかもしれません。

メリット:無能な管理職がいなくなる

経営が代わることで、役員や管理職の変化が期待できます。一般従業員に不評だった無能な管理職がいなくなるなど、従業員にとってM&Aのメリットとなります。

その代り、ストイックに業績を求める管理職が優遇されますので、職場の空気は変化するのが必然です。数字や効率重視になり、求められる結果を出せなくなると仕事は苦しくなります。

メリット:経営が良好になる

M&Aで買収する企業は、経営が上向きなので他企業を買収すると考えられます。買収される側もマイナスイメージが付きまといますが、M&Aで買収されたというのは価値があると認められたことを意味します。M&Aをする買収企業に入ることで、安定した経営の元働けるようになるでしょう。

同時に、買収した従業員や役員からは差別的な目で見られることもあります。買収された企業にいた人間なのだからと、冷たい職場の環境に変わってしまうこともあるでしょう。

メリット:転職活動をしなくてもよい

年齢や持っているスキルによりますが、キャリアアップを望めないのならば買収された企業に残ることで転職活動も不要になります。しかし、職場の環境は苦しくなるでしょう。買収企業からは転職できなかった人間として足元を見られるからです。

デメリット:働き方が変わる

経営陣が変わることで働き方は一変します。買収先企業からの人事交流、それまでの取引先の変化などM&Aは働き方に改革を強要します。

働き方が変わることで、それまでの仕事のやり方がすべて否定されると感じるでしょう。買収先の企業から働き方を変えることを促されるはずです。

デメリット:役員は経営から降ろされる

株式譲渡や事業譲渡によって、役員は経営から退くのが一般的です。現場の仕事に降ろされることを覚悟しなければいけません。役員として在籍したまま会社に残るのならば、買収先の企業から奴隷の様な扱いを受けるなどの覚悟をしなければいけません。

デメリット:社長が変わり企業文化は変わる

M&Aにより社長(経営者)は交代し、退職、もしくは顧問として在籍することになります。それまで企業文化を維持してきた中心が変わることで、職場環境は変化するでしょう。

また、社長がそのまま子会社の経営者として就任することもあります。それがM&Aの条件になっている場合もあり、買収した企業に在籍する条件(ロックアップ)する条項がある契約もあります。

デメリット:不平等を感じてモチベーションが維持できなくなる

人事制度の統合などにより、買収された企業だった従業員は不平等を感じることがあります。それまでの仕事の評価がされなかったり、そのことでまったく異なる部署に異動になるなど、モチベーションを維持することが難しくなるでしょう。

M&A買収された会社に残る従業員に必要なこと

買収された企業に残る選択をしたのならば、以下のような覚悟をしてください。M&Aで買収された組織で生き残るための方針になるはずです。

激しい競争になることを覚悟する

M&Aで買収された企業では能力主義にシフトする場合がほとんどです。従業員はより業務に効率や成果が求められるようになるでしょう。そしてM&Aは市場のシェア拡大が目的ですので、競合他社との競争も激しくなります。

激しい競争についていけなくなったら、人事異動などが行われます。それまでの経歴などは以前に比べて評価されず、ストイックに仕事の実績で判断されてしまいます。

異動や単身赴任を覚悟する

M&A後は不採算事業や部署を統廃合が行われます。その為、人事異動やそれに伴う単身赴任をしなければいけなくなるでしょう。家を購入した、地元から離れることができないなど、それまでは汲んでくれた個人の事情もドライに却下されてしまいます。

それまでの経歴を活かしつつ、これからのキャリアや人生を構築しなければいけません。異動や単身赴任が出来なければ、退職を選択肢にいれて買収先企業との話し合いをする必要があります。

スキルを磨きオリジナリティを身に着ける

企業がM&Aで手に入れたいのは、その会社のシェアであり仕事です。そこには人材が必要であり、買収先企業としてもキーパーソンには絶対に退職してほしくはありません。

もし、キーパーソンが退職してしまうと、連鎖的に退職が続くようになります。その仕事を任せられるスキルを磨き、他の人にはできないオリジナリティを身に着ける必要があるでしょう。

指示待ちをしてはいけない

買収した企業はその業務を活性化させることを考えています。その為には能力主義を取り入れ、人事交流を行い人材の発掘や活用を行います。買収された企業に在籍していた労働者は自らの仕事をアピールしなければいけません。その仕事での存在感が薄ければ、それまでの経歴は関係なく新しい仕事に異動させられるでしょう。

元会社のやり方を忘れる

それまでの仕事のやり方を捨てられない人がいます。買収先の企業としても、人を含めた仕事を買収したのですから、それは悪い面ばかりではありません。しかし、M&A後にいつまでも頑固でいることは不可能です。元会社のやり方を一度忘れて、新しい仕事のやり方にチャレンジしましょう。

M&Aで買収された会社から従業員が退職した方が良い場合のポイント

退職は人生における大きな決断ですが、M&Aでは連鎖的に退職がおこる場合があります。退職後に後悔しない為にも、退職したほうが良いポイントを把握しておきます。

買収した会社の経営ビジョンが見えない

M&Aを行うことが目的となっている会社があります。M&Aによるシナジー効果やシェアの拡大などが期待できるので、その会社の方針が間違っているという訳ではありません。

しかし、経営ビジョンの無いままM&Aを繰り返すことは、長期的な経営戦略を持っているのではないかもしれません。その様な会社に在籍し続けることはストレスやリスクにつながります。

買収した会社からの差別や不平等がある

事業の継続を目的としたM&Aの場合、買収した会社からの差別や不平等を被る場合があります。元会社の企業文化や価値をないがしろにされることもあります。そのような環境が我慢できないのであれば、退職をすることも選択肢として考えられます。

新しい会社の企業文化になじめない

企業文化のすり合わせは、M&Aでも難しいポイントの1つです。新しい企業文化になじめずに苦しんでいる従業員は多く、元会社の良かった思い出を抱えて仕事するのはストレスになるでしょう。新しい会社の企業文化や社風になじめないならば、退職を考えるのも仕方ないかもしれません。

M&Aで会社が買収された従業員の事例

実際に買収された会社での事例をご紹介します。すべての会社で当てはまることではありませんが、多くのケースでありがちな事ですので参考になるはずです。

成果主義のガツガツとした環境になった

それまでのんびりとした社風や企業文化だったのですが、M&A後にやってきた新しい管理職の元、成果主義に変貌しました。従業員はガツガツと仕事に取り組むようになります。

経営としては間違っていないのですが、どうしてもなじむことができずに退職してしまいます。

単身赴任を命じられた

M&A後にそれまで勤務していて工場から、遠方の工場に異動を命じられます。片道2時間以上の通勤ですので単身赴任もやむを得ませんでした。始発で出勤し、最終で帰る毎日になり、家族とも顔を会わすことが無くなってしまいます。

取引先との関係が悪化

日本的な企業文化が無くなり、それまで親密だった取引先との関係がリセットされてしまいました。どちらかが不利益な取引をしても、次の取引で解消するような良好な関係だったのですが、社長が変わり悪化してしまいました。

元○○と元会社の名前で呼ばれる

買収先の会社からやってきた社員や、買収先の部署に異動になった時「元○○さん」と元会社の名前で呼ばれました。自分の名前やそれまでの経歴、人間関係が無視されたような悲しい気分になります。

買収側の企業からされた側の企業に来た社員には、左遷された意識をもっていることがあります。仕事にやりがいを見つけられず、親会社から来たプライドを捨てられないことがあるようです。

まとめ

M&Aで会社が買収されてしまったら、現場は不安による混乱になるかもしれません。従業員のキャリアやライフプランに大きく影響が出てくると思われます。

まずはそのM&Aが株式譲渡か事業譲渡かを知り、その後の雇用契約や退職した場合の退職金、買収先の企業が評価しているポイントなどを調べます。

その上で買収先の企業に残るのか、それとも退職を選択するかを決定しなければいけないでしょう。難しい判断になりますが、人生でとても重要な選択ですので、なるべく多くの情報を得て、慎重に決断するべきです。

お問い合わせ

この記事に関連するお問い合わせは、弁護士法人M&A総合法律事務所にいつにてもお問い合わせください。ご不明な点等ございましたら、いつにてもお問い合わせいただけましたら幸いです。