譲渡所得の所得税!

1. 譲渡所得とは

最もメジャーな資産運用に「株式投資」が挙げられ、購入した株式を保有して配当金を得る「インカムゲイン」、売却することによって譲渡金を得る「キャピタルゲイン」があります。配当所得と譲渡所得はどちらも「所得」に当たり、所得税や住民税の課税対象となりますが課税方法が異なります。

今回はキャピタルゲインである譲渡所得について説明していきましょう。要は「いくらで買って、いくらで売ったか」ですので、10万で購入し20万で売却すれば10万円の差益(所得)を得たことになります。根拠となる所得税法 第33条についてはページ末部に記載しておきます。

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2. 譲渡所得にかかる税率

確定申告の方法によって所得税と住民税が異なります。なお、所得税の「15.315%」とは復興特別所得税(2037年まで)を含んでいます。

①総合課税

所得税率は累進課税によって5.105~45.945%と所得が多くなるにつれて税率も高く、住民税率は所得に関係なく一律10%です。

②申告分離課税

所得税は15.315%、住民税は5%、配当所得に関係なく一律の税率が適用されます。

申告不要制度を利用した場合も、申告分離課税と同一の税率が適用されます。

3. 確定申告が必要な場合

次に該当する場合は、年間取引報告書をもとに確定申告が必要です。

①給与を1ヶ所からもらっている方

給与所得及び退職所得以外に「20万円を超える所得」がある場合

②給与を2ヶ所以上からもらっている方

主たる給与所得及び退職所得以外に「主たる給与以外の給与+20万円を超える所得」がある場合

ただし、次の3.にて説明する「特定口座の利用」の場合は確定申告が不要となります。これを利用するには「上場株式」に限定されます。

3. 特定口座の利用で確定申告が不要

株取引で得た利益は所得に当たりますので、一定の金額以上の所得であれば確定申告が必要となりますが、上場株式の利用に限り「源泉徴収あり」の「特定口座」でのみ取引を行うことで「申告分離課税」が適用され、所得税と住民税が利益から引かれて入金されるため確定申告が不要になります。

面倒な確定申告をしなくて済む、その上に譲渡益と譲渡損を損益通算してくれるというメリットがあります。一方、確定申告の必要がない「譲渡益が20万円以下の場合」にも自動で所得税と住民税が引かれるデメリットがあります

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4. 確定申告の必要がなくても、した方が得をする場合

確定申告の必要がなくても、確定申告を「してはいけない」ということではありません。取引で損失がある場合は損益通算によって損失を繰り越し、翌年以後3年に渡り利益と損失を控除する特例を受けることができます。これを「損失の繰越控除」といいます。

繰越控除は確定申告をしなければ特例を受けることができません。

確定申告の方法

まずは次のものを準備しましょう。

① 給与所得、公的年金などの源泉徴収票

② 特定口座年間取引報告書(証券会社発行)

※一般口座の場合は1年間の取引金額を自分で集計

③還付先の金融機関・口座番号(本人名義のもの)

④認め印

準備ができたら作成へと進みます。e-Taxを利用しなくても国税庁の「確定申告作成コーナー」を利用して簡単に作成できます。作成できましたらプリントアウト、必要書類を添付して郵送します。

まとめ

はじめは源泉徴収ありの特定口座を利用する方が良いでしょう。

取引の頻度が多く、取引額が大きい場合、「総合課税」と「申告分離課税」で比較し、確定申告にて繰越控除を受けるべきかどうか判断していく必要があります。少しでも不安がある場合は専門家に相談して解消することをオススメします。

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所得税法 第33条

今回関連する法律的な根拠は所得税法 第33条に記されています。

所得税法 第33条【譲渡所得】

一項 譲渡所得とは、資産の譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。

二項 次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。

一 たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得

二 前号に該当するもののほか、山林の伐採又は譲渡による所得

三項 譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれその年中の当該所得に係る総収入金額から当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。

一 資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でその資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)

二 資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの

四項 前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。

五項 第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。

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