代表者変更の虚偽登記を勝手に行われてしまった場合(登記代表者が代表者の地位にないことを仮に定める仮処分とは)

代表者虚偽登記を阻止する方法としては、登記代表者が代表者の地位にないことを仮に定める仮処分があります。

代表者虚偽登記とは、会社の登記が乗っ取られるということです。

すなわち、法務局は、会社の登記が乗っ取られそうな場合は、会社や役員に真意の確認が行われることとなっており、その過程で、会社は、会社の登記が乗っ取られないような対応をすることができます。すなわち、登記代表者が代表者の地位にないことを仮に定める仮処分です。

この仮処分は、会社の登記が乗っ取られてしまった後でも可能です。

なお、法務局では、以下の運用がされているようです。

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1 会社又は法人の役員全員の解任を内容とする変更登記の申請があった場合には、速やかに、当該会社又は法人に適宜の方法で連絡するものとする(書面により連絡する場合には、別紙様式を参考にすること。)。

2 解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書類の閲覧を求めた場合には、届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により、登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上、閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には、適宜、申請書等の写しを交付することも差し支えない。

3 登記完了前に、解任されたとされる代表者から、当該申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等が提出された場合には、当該決定書等を本件登記申請の審査の資料とすることができる。

4 登記完了後に、解任されたとされる代表者から、申請書にその者が代表者の地位にあること及び登記に係る代表者は代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等を添付して(商業登記法(昭和38年法律第125号)第109条第2項、第107条第2項本文参照)、同法第109条第1項第2号の規定による当該登記の抹消の申請がされた場合には、他に却下事由がない限り、当該登記の抹消の登記をすることができる。

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※役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)」)

登記先例・通達・回答

平成15年 登記先例・通達・回答

役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて (平成15年5月6日付け民商第1405号民事局商事課長通知)

近時、会社等の役員全員の解任及び新役員の就任を内容とする登記申請がされ、その登記をしたところ、当該会社等と無関係の者が当該会社を乗っ取るために議事録等をねっ造してした虚偽の申請であるとして、紛争が生じる事案が発生しております。
商業・法人登記にあっては、会社・法人の代表者が交替する場合においても、その登記については 新代表者のみが申請人となる制度を採っており、また、退任の登記について退任する役員の同意書等の添付を求めるものとすることも困難であるので、上記のような事案に対応するためには、法令上定められた登記官の審査権限を的確に行使することのほか、民事保全法(平成元年法律第九一号)第二三条第二項の仮処分による救済手続の活用が必要となります。
ついては、会社・法人について、役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合には、下記のとおり取り扱うこととしましたので、この旨貴管下登記官に周知方取り計らい願います。

1 会社又は法人の役員全員の解任を内容とする変更登記の申請があった場合には、速やかに、当該会社又は法人に適宜の方法で連絡するものとする(書面により連絡する場合には、別紙様式を参考にすること。)。
2 解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書類の閲覧を求めた場合には、届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により、登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上、閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には、適宜、申請書等の写しを交付することも差し支えない。
3 登記完了前に、解任されたとされる代表者から、当該申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等が提出された場合には、当該決定書等を本件登記申請の審査の資料とすることができる。
4 登記完了後に、解任されたとされる代表者から申請書にその者が代表者の地位にあること及び登記に係る代表者は代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等を添付して(商業登記法(昭和三八年法律第一二五号)第一〇九条第二項、第一〇七条第二項本文参照)、同法第一〇九条第一項第二号の規定による当該登記の抹消の申請がされた場合には、他に却下事由がない限り、当該登記の抹消の登記をすることができる。
なお、取締役等の職務執行停止及び代行者選任の仮処分命令があった場合には、その旨の登記は、裁判所の嘱託によってすることとなる(民事保全法第五六条)。

別紙
平成○○年○○月○○日
本店
商号
資格
氏名(解任された代表者) 様
○○(地方)法務局法人登記部門
役員全員の解任を内容とする登記の申請について(お知らせ)

今般、貴社(法人)について、下記のとおり役員全員の解任を内容とする登記の申請がありましたので、お知らせします。
なお、本お知らせに関するお問い合わせは、次の照会先までお願いします。
照会先 ○○市○○町○丁目○番○号
○○(地方)法務局法人登記部門
担当者 ○  ○
電話 ○○○-○○○-○○○


1 商号
2 本店
3 受付の年月日
4 新役員の資格、氏名及び住所(代表者一人のみ記載)

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