医療法人のM&Aにおける医療保険制度の問題!

医療法人のM&Aと医療保険制度

医療保険制度との関係で、医療法人のM&Aの際に特に注意すべき点の一つとして、診療報酬の過剰請求に関するリスクの問題があります。

医療法人が保険医療サービスを提供するためには、厚生局から保険医療機関としての指定を受ける必要がありますが、万が一故意又は重過失によって診療報酬の過剰請求を行ったことが発覚した場合には、当該超過分の診療報酬金を返還するだけでは納まらず、当該保険医療機関としての指定について取消処分を受けるおそれがあります。そして、万が一保険医療機関としての指定についての取消処分を受けることがあれば、当該医療法人では保険医療サービスの提供ができなくなることから、医療法人としての存続が危ぶまれる事態となります。そしてこれは、医療法人の買収を検討されている方にとっては最も避けたいリスクの一つといえます。

また、診療報酬の算定を誤って診療報酬の過剰(誤)請求をしてしまった場合であっても、少なくとも当該超過分の診療報酬金を後日返還しなければなりません。そして、これは医療法人の簿外債務となりますので、医療法人の買収を検討されている方にとってはやはり大きなリスクといえます。

なお、医療法人が診療報酬の算定を誤って診療報酬を過剰請求してしまう背景には、当該診療報酬算定の仕組みがあります。すなわち、診療報酬の算定においては、基本的に、診療報酬(加算)項目ごとに、非常に細かい専門的事項を内容とする「施設基準」が設けられており、当該施設基準の充足を条件に、当該診療報酬加算項目の点数が加算される仕組みになっているため、医療法人においては、この施設基準を全て満たしているかどうかの確認に漏れが生じてしまうことがあるためです。

以上のとおり、医療法人のM&Aを検討する場合においては、厚生局による保険医療機関の指定を受けていることとの関係上、株式会社等一般企業のM&Aの場合と異なり、注意すべきリスクがあります。したがって、医療法人のM&Aを検討される場合には、できるだけ早く医療法人のM&Aに精通した専門家にご相談ください。

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