特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)について

特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権とは?

平成26年の会社法改正(平成27年5月1日施行)で、特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)が規定されています。

すなわち、特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)とは、特別支配株主(議決権10分の9以上を直接・間接に保有する株主)が、少数株主に対して、強制的に、少数株式を買い取る権利を認める制度です。

会社の少数株主の中には様々な権利を主張する株主が存在したり、トラブルや紛争の元になったり、円滑な会社の経営に支障が生ずることがあるため、特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)が規定されたのです。

特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)は、少数株主を解消することを目的とした制度です。

少数株主が存在すると、特別支配株主や会社としては、会計帳簿等閲覧謄写請求権や、取締役解任訴訟を提起されたり、株主代表訴訟を提起される可能性があるなど、経営陣や特別支配株主などにとっては、自由な経営を阻害する不安要素・不安定要素だったのです。会社の経営を安定させ、経済を強化すべきという目的も含まれているものと思われます。

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株式売渡請求権(キャッシュアウト)による少数株式の排除(スクイーズアウト)について

これまでは、少数株主を排除(スクイーズアウト)するためには、全部取得条項付き種類株式を導入し、普通株主に対してこれを割り当て、割当比率を調整して、現金対価を支払うという非常い複雑な方法を使用していましたが、今後は、比較的簡単に、少数株主を排除(スクイーズアウト)をすることができるものと思われます。

他方、少数株主には、株式の買取対価に不満の場合、裁判所への価格決定の申立権や、株式の買取対価が著しく不当な場合の差止請求権が存在します。

少数株主は、特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権の際、これらの方法で対抗することとなると思われます。

なお、少数株主は、これまで、少数株式を保有するものの、議決権も有効に行使できず、十分な配当も得られておらず、相続の際には、多額の相続税評価額を計上し、多額の相続税の負担がかかっていたところ、少数株主権を適切に行使することで、経営者及び特別支配株主に、特別支配株主の少数株主に対する株式売渡請求権(キャッシュアウト)をさせ、適切な価格で、少数株式を現金化することができるということにもなるかと思います。