相続用語辞典|相続手続き時に出てくる言葉の意味を解説

目次

相続とは?

相続とは亡くなった人(被相続人)の財産(遺産)を相続人が受け継ぐことです。

相続時は財産の種類に応じて手続きをすることになります。たとえば土地や建物などの不動産を相続する手続きは相続登記(相続による名義変更登記)です。預金や有価証券などにも別途手続きがあり、手続きを済ませることで亡くなった人の財産を相続人名義の財産にできます。

ただし、相続は人が亡くなった瞬間に開始すると法律で定められています。相続手続きをしたときが相続のときではなく、家族などが亡くなった瞬間にすでに相続は発生しており、後から財産や税金などの手続きをするというかたちです。相続手続きをしたときが相続のときというわけではありません。

第八百八十二条

相続は、死亡によって開始する。

相続のときはいろいろな用語が登場するため、意味を理解できず手続きで困ることも少なくありません。相続時に頻出する相続用語について意味を解説します。

 相続手続きの進め方

相続時は遺言書があれば基本的に遺言書に沿って遺産分割を進めます。遺言書がなければ相続人で遺産分割協議による遺産分割などを行うという進め方です。遺産分割が決まったら、財産や分割分などに沿って相続手続きを進めます。

相続時の手続きでは「相続」という言葉以外にも多数の専門用語が登場します。専門用語の意味で迷ったら、以下の相続用語辞典を参考にしてください。

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 遺言(いごん・ゆいごん)

遺言とは被相続人が遺す遺産分割などの指定です。遺言をまとめたものを遺言書といい、自筆証書遺言や公証役場が作成に関与する公正証書遺言、秘密証書遺言などの種類があります。

亡くなった人は遺産分割などについて相続人に伝えたくても、もはや伝えることはできません。そのため、遺産分割などについて遺言書を介して自分の意思を相続人に伝えるわけです。

遺言書があれば基本的に相続は遺言書の内容に沿って行われます。

 遺言執行者(いごんしっこうしゃ)

遺言執行者とは遺言書の内容を執行する人のことです。

遺言書の内容を実現しようとしても、遺言書をしたためた本人である被相続人はすでにこの世にいません。そのため、遺言書に記載した内容を実現してもらうように弁護士などを遺言執行者に指定することがあります。

遺言執行者は相続内容でトラブルが起きそうなときによく使われます。この他に、遺言書に認知や相続人の廃除・取消などが記載されていた場合は遺言執行者が必要です。遺言書にこのような内容の記載があり遺言執行者の指定がない場合は、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければいけません。

 遺産分割(いさんぶんかつ)

亡くなった人(被相続人)の遺産を相続人で分けることを遺産分割といいます。

遺産分割の具体的な方法には遺言書や遺産分割協議などがあります。

 遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)

遺産分割協議とは相続人の間で遺産をどのように分割するか話し合いをすることです。

最終的に相続人全員が遺産分割に納得すればいいので、会議室のようなかしこまった場所に集まって話し合いをする必要はありません。相続人が家族であれば夕飯のついでに遺産分割について話し合っても差し支えありませんし、遠方に住む相続人の場合はメールや電話、手紙などを用いても問題ありません。

遺産分割協議では、遺産を相続人の都合や事情に合わせて柔軟に分割可能です。兄と弟が相続人の場合は平等に分割するのではなく、兄に遺産を集中させることもできます。兄が実家を相続し弟が預金を相続するなど、財産の種類に合わせて分割することも可能です。

遺言書があれば基本的に遺言書の内容に沿って遺産分割しますが、相続人全員の同意があれば遺産分割協議で遺産を分けることもできます。

 遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)

遺産分割協議の内容をまとめた書類のことを遺産分割協議書といいます。

遺産分割協議書は銀行や法務局、税務署などでの相続手続き・相続税手続きに使います。遺産分割協議をして相続人は分割内容を理解していても、官公庁や窓口は遺産分割協議の内容について把握していません。遺産分割協議の内容を書類にしたため、どのような遺産分割を行ったか第三者や手続き時に分かるようにするわけです。

遺産分割協議書は後で遺産分割協議の内容で揉めないための証拠としての役割も持っています。

 遺贈(いぞう)

遺贈とは遺言書を使って財産を相続人以外の第三者に贈ることをいいます。遺贈には包括遺贈と特定遺贈というふたつの種類があります。

包括遺贈とは贈る財産を指定せず行う遺贈です。たとえば「遺産の2分の1をAに贈る」という場合は割合だけ指定して贈る財産は指定していません。よって、包括遺贈になります。

特定遺贈とは財産を指定して行う遺贈です。「預金1,000万円をAに贈る」という場合は遺産の中から「預金1,000万円」と財産を指定しているわけですから、特定遺贈になります。

 遺留分 (いりゅうぶん)

遺留分とは相続人の生活を守るための最低限の遺産の取り分のことです。

たとえば生活を支えていた父親が亡くなり、母親と子供が残されたとします。父親名義の家に住み父親の稼ぎで生活していた場合、父親が他相続人や第三者に遺産を丸ごと渡してしまうと母子の生活が困窮するはずです。このような事態を防ぐために、一定の相続人には遺留分が認められています。

第千四十二条

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一

二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

遺留分が認められているのは被相続人の配偶者、子供、父母などの直系尊属です。条文にもあるように、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

 遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)

遺留分減殺請求とは、遺留分を侵害する遺贈などに対して返還を請求できる権利です。

たとえば、母子を残して家庭を支えていた父親が亡くなりました。父親は第三者に遺産をすべて遺贈しました。母子には遺産の必要最低限の取り分である遺留分が認められているため、遺贈を受けた第三者に遺留分の返還を請求できるのです。

遺留分減殺請求は相続開始あるいは遺贈・贈与を知ったときから1年が時効になります。例外的に相続を知らなかった場合は相続開始から10年が時効です。早期に時効消滅する請求権なので注意が必要です。

遺留分減殺請求は民法改正により名前が「遺留分侵害額請求」に変わりました。

 遺留分の放棄(いりゅうぶんのほうき)

遺留分は放棄できます。遺留分を何らかの理由で放棄することを遺留分の放棄といいます。遺留分の放棄をすると遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)が使えなくなるため注意してください。

遺留分の放棄は被相続人の生前・死後どちらでも可能です。ただし、被相続人の生前に遺留分を放棄する場合は家庭裁判所の許可を要します。また、被相続人の生前に相続人が遺留分の放棄をする場合は以下のような条件を満たさなければいけません。

・遺留分の放棄をする本人(相続人)の自由意思である

・遺留分を放棄する理由に合理性と必要性が認められる

・遺留分を放棄するにあたって現金などの代償がある

 印鑑証明書

登録された実印であることの証明書が印鑑証明書です。自治体の窓口などで発行可能です。印鑑証明書は相続手続きの際によく必要になります。

 延納(えんのう)

延納とは相続税の分割払いのことです。

相続税は原則的に相続から10カ月の期限内に現金一括で納めなければいけません。ただし、事情により現金一括払いが難しい場合は5年間の分割払いを認めてもらえる可能性があります。この相続税の分割払いが延納です。

延納は必ず認められるわけではありません。延納が認められる可能性があるのは以下の条件を満たしている場合です。

・相続税の額が10万円を超えている

・延納のときに提供できる担保がある

・現金一括納付が難しい事情がある

 改製原戸籍(かいせいげんこせき)

法律が改正される前の古い戸籍のことです。改製原戸籍は「かいせいげんこせき」と読みますが、他に「かいせいはらこせき」「はらこせき」などと呼ぶこともあります。

 換価分割 (かんかぶんかつ)

換価分割とは相続財産を換金して相続人間で分割することをいいます。

兄と弟が相続人で、遺産は実家と敷地でした。兄と弟は実家と土地を3,000万円で売却し、売却金を1,500万円ずつ分けました。このようなケースが換価分割になります。

 基礎控除(きそこうじょ)

基礎控除とは、特に条件を満たさなくても使える基本的な控除のことです。相続税の基礎控除の範囲内であれば相続税はかかりません。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」です。法定相続人が3人いれば4,800万円が基礎控除の額になります。

 寄与分(きよぶん)

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献があった人に認められる加算分です。

被相続人の財産の維持や増加に貢献した(寄与した)ということは、相続人全員の利益を守ったことに等しいと考えられます。寄与のあった相続人には相続分に遺産の取り分を加算することがあります。この加算分が寄与分です。

寄与分は相続分に寄与(貢献)を評価して加算する制度なので、相続分のない者、つまり相続人以外には認められません。しかし、それでは義父母の介護をしていた息子の妻などは不公平ではないかと指摘されていました。息子には相続権があるのに、妻には相続権がないため介護をしても寄与分が認められないからです。

2022年現在は相続人以外に被相続人への寄与があった姻族や親族に関しては特別寄与料の請求が認められています。

 検認(けんにん)

検認とは裁判所で行われる遺言書の確認手続きのことです。

遺言書には検認を受けなければならない遺言書と、検認を受けなくてもよい遺言書があります。公正証書遺言は検認不要で、秘密証書遺言や自筆証書遺言は検認を受けなければいけません。ただし、自筆証書遺言書保管制度を利用して保管していた自筆証書遺言に関しては検認不要となっています。

 限定承認(げんていしょうにん)

限定承認とは相続方法のひとつです。相続財産のプラスに応じてマイナスを相続するという相続方法になります。

限定承認は裁判所でしか行えない相続方法です。限定承認をする場合は3カ月の期間内に裁判所へ限定承認をする旨、申し立てる必要があります。

 公証人(こうしょうにん)

公証人とは公証役場にいる書類の証明などの公務に従事する人のことです。

公証人は書類について公証(証明)を行います。公証人が関与した書類は公文書となり、高い証明力と信頼性を備える書類になります。

たとえば、離婚協議書を作成したとします。離婚協議書は自分たちでも作成可能です。ただ、個人が離婚協議書を作成した場合は私文書でしかありません。公証人が関与して公正証書として作成した場合は、同じ内容でも法律の専門家である公証人が証明し作成に関与した書類ですから、公文書になります。

公正証書遺言などは公証人が関与して作成します。

広大地の評価(こうだいちのひょうか)

広大地とは、その地域の一般的な宅地と土地面積を比較して著しく広大な土地を指します。

開発のために道路や公益施設の負担を要するような広大な土地の場合、土地すべてを宅地として評価すると不公平であり、過大な相続税を納めなければならず負担が大きいと考えられます。広大な土地の場合は土地全体に家を建てることなど、まずありません。

広大地の負担や事情などを踏まえて、広大地を評価するときは広大地用の計算式を用い、補正して評価を算出することになります。

 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)

公証人・公証役場が介在して作成する遺言書です。公正証書遺言は公証人が関与して作成し、公証役場に保存されます。公正証書遺言については裁判所の検認を必要としません。

身体の不自由な人や高齢の人が公正証書遺言を作成するときは、公証人に自宅へと足を運んでもらうことも可能です。

 戸籍(こせき)

戸籍とは個々人の出生から死亡までの親族関係を記録したものです。手続きの際に戸籍謄本などのかたちで自治体窓口から取得できます。

 戸籍謄本(こせきとうほん)

戸籍謄本とは戸籍に記載された内容全部を証明する書類です。つまり、ひとつの戸籍の内容すべてを写したものです。

戸籍謄本は相続手続きの際に必要になります。戸籍謄本は自治体の窓口などで取得可能です。戸籍謄本は「戸籍全部事項証明」と記載されることや、呼ばれることがあります。

 戸籍抄本(こせきしょうほん)

戸籍謄本と同じく戸籍に記載された内容を証明する書類です。ただ、戸籍抄本の場合は戸籍すべてを写したものではなく、一部のみ写したものになります。

戸籍抄本は「戸籍個人事項証明」と記載されることや、呼ばれることがあります。

戸籍の附票(こせきのふひょう)

戸籍に在籍者の住所の変遷を記載した書類です。

附票は戸籍の原本と一緒に保管されており、写しとして取得が可能です。

 固定資産評価証明書(こていしさんぜいひょうかしょうめいしょ)

固定資産評価証明書とは土地や建物などの固定資産税評価額が記載されている書類です。不動産の相続手続きである相続登記などで必要になります。

 祭祀財産(さいしざいさん)

神や先祖を祀るための財産が祭祀財産です。お墓や神棚などが代表的な祭祀財産になります。

祭祀財産は一般的な相続財産と異なり、相続人で分割する必要のない財産です。祭祀財産については親族や相続人、家族などで話し合い、誰が管理するか決めることになります。故人から指定があった場合は指定に従っても差し支えなく、地域の慣習などがあれば慣習に従って管理者を決めても問題ありません。

祭祀財産は相続税の課税対象になりません。また、祭祀財産は相続財産と切り離されているため、相続放棄をしても祭祀財産の承継は可能です。

 財産評価基本通達(ざいさんひょうかきほんつうたつ)

財産評価基本通達とは相続財産の評価方法についてまとめた通達です。

相続税の計算をするときは財産ごとに計算のベースになる評価を算出しなければいけません。預金なら100万円は100万円とシンプルに評価できますが、遺産は評価が簡単なものだけではありません。不動産や株式などをどのように評価するかが問題になります。

不動産や株式などの評価方法は財産評価基本通達にまとめられています。

 死因贈与(しいんぞうよ)

死因贈与とは財産を贈る人の死を条件に贈与することです。AB間で「Aが死亡したら家をBに贈与する」という条件で贈与の契約をするケースなどが該当します。

死因贈与と遺贈の違いは、一方的な意思表示かどうかです。遺贈は贈る側の一方的な意思表示でできます。死因贈与は贈る側と受け取る側の契約であるという点が違っています。

 準確定申告(じゅんかくていしんこく)

年度の途中で亡くなった人の所得について行う確定申告のことです。

確定申告は1月1日から12月31日までの所得を計算して申告します。しかし年度の途中で亡くなった人は自分で確定申告できません。亡くなった人に代わって、1月1日から亡くなった日までの所得を相続人が純確定申告しなければならないのです。

準確定申告は相続開始を知った翌日から4カ月以内に行わなければいけません。

 失踪宣告(しっそうせんこく)

生死が定かでない人を法律上亡くなったとみなす制度です。失踪宣告にはふたつのパターンがあります。

・普通失踪

・危難失踪

普通失踪は生死が7年不明な場合に法的に亡くなったものとします。危難失踪は震災や戦争、船舶の沈没などで生死不明の場合に使われる失踪宣告です。危難失踪の場合は危難から1年間生死不明の場合は、危難が去ったときに法律上亡くなったものとみなします。

失踪宣告により失踪者の相続が開始します。

 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)

自筆証書遺言とは、遺言をする人がすべて自筆する遺言書のことです。遺言書の本文はすべて手書きしなければならない他、署名や日付も自筆でなければいけません。

自筆証書遺言は裁判所の検認を要します。ただし、自筆証書遺言書保管制度で保管していた自筆証書遺言については検認不要になっています。

 自筆証書遺言書保管制度(じひつしょうしょゆいごんしょほかんせいど)

法務局が行っている自筆証書遺言を預かり保管する制度のことです。

この制度を利用した場合は自筆証書遺言の検認は不要になります。

 死亡退職金(しぼうたいしょくきん)

被相続人が働いていた会社から死亡後に受け取る退職金が死亡退職金です。亡くなった人が働いていた会社に退職金制度があり、社員の死亡時に遺族へ死亡退職金を支払う旨のルールがある場合は死亡退職金が支給されます。

死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金は相続みなし財産として扱われ、非課税枠を超えた額は相続税の課税対象になります。以下の計算式で算出した額が死亡退職金の非課税枠です。

500万円×法定相続人の人数=死亡退職金の非課税枠

 受遺者(じゅいしゃ)

受遺者とは遺言による遺贈で財産を受け取る側のことです。Aが遺言書にBへ不動産を遺贈する旨を記載して亡くなりました。この場合はBが受遺者になります。

 受贈者(じゅぞうしゃ)

受贈者とは遺言により遺贈する側のことです。Aが遺言書にBへ不動産を遺贈する旨を記載して亡くなりました。この場合はAが受贈者になります。

 取得費加算の特例(しゅとくひかさんのとくれい)

相続税を取得費として計上できる特例です。相続した財産を申告から3年以内に譲渡した場合は、相続税の一定額も取得費として加算できます。

 小規模宅地等の特例(しょうきぼたくちとうのとくれい)

小規模宅地の特例とは、相続した宅地の相続税評価を最大で80%軽減できる特例です。宅地の相続税評価額が小さくなればその分だけ相続税額も小さくなります。小規模宅地の特例を使えるケースで土地の評価額が5,000万円であれば、最大で4,000万円も評価額を圧縮可能です。

小規模宅地の特例が使えるのは被相続人の事業に使われていた宅地や、被相続人の住居に使われていた宅地などです。特例を利用するためにはそれぞれ細かな条件が定められているため注意してください。

評価額の減額割合は宅地により異なり、50%あるいは80%です。

 障害者控除(しょうがいしゃこうじょ)

85歳未満の障害者が相続人の場合は相続税から一定額を控除できます。

障害者控除の額は、その障害者が85歳になるまでの残りの年数1年あたり10万円で計算した額です。相続人が特別障害者の場合は20万円で計算します。

 事業承継(じぎょうしょうけい)

事業承継とは事業・会社を後継者に引き継ぐことをいいます。

会社の経営者が亡くなっても、会社そのものや事業が当然に相続人に受け継がれるわけではありません。事業承継の準備や手続きをしてはじめて後継者に承継されます。会社や事業を受け継いでもらうことなので、一般的な相続とは異なります。

事業承継の後継者は相続人である必要はありません。第三者を事業承継の後継者にすることも可能です。

 除籍(じょせき)

除籍にはふたつの意味があります。

ひとつは結婚や死により戸籍の構成員を抜くことです。もうひとつは戸籍の構成員が死などにより誰もいなくなった戸籍になります。全員が抜けていなくなった戸籍は、戸籍謄本として取得可能です。

 推定相続人(すいていそうぞくにん)

将来的に相続人になるだろうと推定される人のことを推定相続人といいます。

Aには妻と子供がふたりいました。Aが存命のうちは妻と子供は相続人ではありません。現段階でAが亡くなったら相続人になるだろうと推定されるに留まります。妻を中心に見た場合はAと子供たちが推定相続人になります。

 生前贈与(せいぜんぞうよ)

存命のうちに財産を贈ることを生前贈与といいます。

父親が亡くなり相続が発生し、長男が父親の財産を受け継ぎました。父親は亡くなっているため、このケースは生前贈与ではなく相続です。父親が存命のうち(相続が発生しないうち)に息子に現金や不動産などの財産を贈与することが生前贈与です。相続とは財産の所有者・財産を贈る側が存命かどうかという点で違っています。

贈与は毎年110万円まで非課税です。非課税枠内での贈与や他控除・特例など制度を利用した生前贈与は相続税対策に使われることがあります。

 税務調査(ぜいむちょうさ)

税金の申告に不正やミスがないか確認するために税務署(国税庁)が行う調査のことです。相続税を納めた人にも税務調査が行われることがあります。税務調査の内容は税務署類のチェックや聞き取りなどです。

 生命保険の非課税(せいめいほけんのひかぜい)

被相続人の生命保険金を相続人が受け取った場合は、非課税枠の範囲内であれば相続税の課税対象にはなりません。非課税になる額については次の計算式で算出します。

500万円×法定相続人の数=生命保険金の非課税額

 相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)

短期(10年以内)に相次いで相続が発生したときに受けられる相続税の控除です。

短期間に相次いで相続が発生すると、相続税の負担が重くなります。短期間で相続税を連続で納めなければならなくなった相続人の負担を緩和するための控除です。

控除される額は前回の相続税額と、前回の相続から何年経っているかによって変わってきます。

 相続関係説明図(そうぞくかんけいせつめいず)

相続関係説明図とは被相続人と相続人の関係を図にした書類のことです。家系図のような図になります。相続登記や金融機関の相続手続きなどで必要になります。

 相続欠格(そうぞくけっかく)

相続欠格とは、条件に当てはまった場合に相続人としての権利を失うことをいいます。相続欠格の条件は民法891条に記載があります。

第八百九十一条

次に掲げる者は、相続人となることができない。

一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

長男が財産欲しさに故意に父親を殺害したとします。この場合は長男が相続欠格の条件に該当しますので、特に手続きの必要なく、当然に相続人としての権利を失います。

なお、長男に子供がいれば代襲相続は可能です。

 相続財産(そうぞくざいさん)

相続財産とは被相続人から相続人に受け継がれる財産のことです。不動産や預金、有価証券、動産、一部の権利義務や契約上の地位などが相続財産になる他、負債などのマイナスも相続財産に含まれます。

 相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)

相続時精算課税制度とは2,500万円の贈与まで贈与税を納めず相続時に相続税として納める(清算する)制度のことです。相続時精算課税制度を利用した場合は相続時に贈与分もプラスして相続税の計算を行います。

 相続分の譲渡(そうぞくぶんのじょうと)

相続分の譲渡とは、他の相続人や相続人ではない第三者に自分の相続分を譲ることをいいます。相続分を譲渡すると相続関係から離脱するため、遺産分割協議などに参加する必要がなくなります。

 相続放棄(そうぞくほうき)

相続放棄とは相続権の一切を放棄する手続きのことです。相続放棄をすることにより相続人ではなかったことになるため、不動産や預金などのプラスと債務などのマイナスを一切何も相続しなくなります。

相続放棄は裁判所で行います。期限は3カ月です。

 相続税還付(そうぞくぜいかんぷ)

相続税還付とは払い過ぎた相続税を税務署から返してもらうことです。

相続税申告書と添付書類を見直した結果、土地の評価が高額ではないかと考えました。税理士などの専門家に土地評価をやり直した結果、土地評価が1億円だったものが8,000万円に変更されました。相続財産の評価が変わると相続税の額も変わってきます。相続税額を払い過ぎていた場合は還付請求が可能です。

 相続人(そうぞくにん)

相続人とは被相続人の遺産を受け継ぐ人(人たち)のことです。

配偶者や子供、父母、兄弟姉妹などが相続人になる可能性があります。

 底地(そこち)

底地は所有権以外の権利が付着した土地のことです。

借地権が付着した土地の場合、土地を貸しているわけですから所有者やその土地を相続した人は自由に土地を使えません。土地の使用に制限を受けることから、土地を相続税評価する場合は自由に使えない(権利が付着している)という事情を考慮する必要があります。

底地は自由に使える土地(更地)としての評価から、権利分を引いて評価します。

 代襲相続(だいしゅうそうぞく)

代襲相続とは相続人になるはずだった人に代わって相続人の子(あるいは孫)が相続することをいいます。

相続が発生したときに相続人が健在とは限りません。被相続人より先に相続人が亡くなっているケースもあります。このようなケースでは、相続人に代わってその人の子供などが相続人になることがあるのです。

よくあるのが相続人だった父親や母親に代わって子供が代襲相続をするケースです。

被相続人である祖父が亡くなる前に相続人である父親が亡くなったとします。相続人である父親の方が被相続人である祖父より先に亡くなっているわけですから、相続人は被相続人の遺産を相続できません。相続人の子供が健在であれば、相続人である父親に代わって祖父の遺産を相続します。

 代償分割(だいしょうぶんかつ)

代償分割とは、物を相続した相続人が他相続人に金銭などを支払うことをいいます。

兄と弟が相続人で、遺産が実家の家屋敷だけだったとします。兄が実家を相続して、弟へ代償として金銭を支払うケースなどが考えられます。

 単純承認(たんじゅんしょうにん)

単純承認とは、相続財産をそのまますべて受け継ぐことです。

相続財産には不動産や預金といったプラスのものもありますが、被相続人によっては債務や未払いの税金などのマイナスを抱えていることもあります。プラスもマイナスも含め、すべて丸ごと承認する(相続する)ことを単純承認といいます。

 嫡出子(ちゃくしゅつし)

嫡出子とは婚姻関係にある男女の間に生まれた子供のことをいいます。嫡出子に対して婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を非嫡出子といいます。

 直系尊属(ちょっけいそんぞく)

直系尊属とは自分と血縁のある前の世代のことをいいます。家系図で自分より縦の上部に書かれている親や祖父母、曾祖父母などが直系尊属です。

 直系卑属(ちょっけいひぞく)

自分と血縁のある後の世代のことを直系卑属といいます。家系図で自分より縦の下部に書かれている子や孫、曾孫などが直系卑属です。

 特別受益(とくべつじゅえき)

相続人のうち特定の相続人が受けた特別な利益のことをいいます。

たとえば、父親が亡くなり兄・弟・妹が相続人だったとします。相続人のうち兄は父親から海外留学のために資金援助を受けていました。これは相続人のうち兄だけが受けた特別な利益、つまり特別受益です。

特別な利益を受けた相続人と他相続人がそのまま遺産を分けると、特別な利益を受けた相続人が総合的に得をする結果になります。

特別受益には以下のようなケースがあります。

・婚姻や養子縁組の際に資金援助などを受けたケース(結婚時の支度金や新居の購入費用の援助など)

・生計や勉強のために資金援助などを受けたケース(学費や留学の資金援助や事業、事業承継の際の援助金や株式など)

被相続人から特別な利益を受けた相続人がいる場合は特別受益も含めて遺産分割の計算をするのが基本です。相続人間の平等のために特別受益も含めて遺産分割の計算をすることを特別受益の持ち戻しといいます。

ただ、被相続人の中には特別受益の持ち戻しを望まない人もいるはずです。特別受益の持ち戻しを望まない場合は、被相続人の意思表示により持ち戻しを免除できます。

 2割加算(にわりかさん)

2割加算とは特定の人に対して行われる相続税の加算のことです。

相続税の2割加算の対象になるのは被相続人の祖父母や兄弟姉妹などになります。被相続人の子供や父母などの一親等の関係にある相続人や配偶者、代襲相続人になった孫などは2割加算の対象外です。

 認知(にんち)

認知とは親子関係を認めることをいいます。

婚姻関係にない女性との子供には当然に父子関係が生じるわけではありません。男性が自分の子供であると認める(認知する)ことにより子供との間に親子関係が生じます。

認知の方法には届出をする方法や、遺言によって認知する方法などがあります。生まれる前の胎児についても認知は可能ですが、胎児の場合は母親の同意を得なければいけません。

 農地の納税猶予の特例(のうちののうぜいゆうよのとくれい)

被相続人が農業を営んでいた場合に相続人が農地を相続したときは、条件を満たすことによって納税猶予を受けられます。相続人は相続した農地で引き続き農業を営む必要があり、農地についても生産緑地であるなどの条件を満たさなければいけません。

農地の納税猶予を受けた後に農業を廃業したり、転用したりする場合には猶予されていた相続税を利子つきで納める必要があります。

 配偶者(はいぐうしゃ)

配偶者とは妻や夫のことです。

夫から見れば自分の妻が配偶者になります。妻から見れば夫が配偶者です。

 配偶者控除(はいぐうしゃこうじょ)

配偶者控除とは被相続人の配偶者にのみ認められた控除のことです。被相続人の配偶者が遺産相続する場合は、配偶者の法定相続分あるいは1億6,000万円のどちらか多い方まで相続税はかかりません。

たとえば被相続人の妻が法定相続分内の遺産を相続したとします。この場合は配偶者控除により税金はかかりません。仮にこの妻が相続した遺産が法定相続分を超えており1億5,000万円だったとしても、法定相続分を超えても1億6,000万円までは配偶者控除の範囲内ですから、税金はかからないというわけです。

 廃除(はいじょ)

廃除とは特定の相続人の相続権を失わせることです。

遺産を相続する権利があっても、自分に暴力をふるった子供やモラハラや浮気をした配偶者などに遺産を相続させることを望まない人もいるはずです。財産の使い込みや犯罪、虐待などの非行や悪行があった相続人に関しては、被相続人の裁判所への申立てにより相続権を失わせることが可能になっています。

ただし、廃除は裁判所が認めなければできず、すべてのケースにおいて認められるわけではありません。相続権を失わせることは重大なことなので、非行や悪行があった場合で、かつ、裁判所が認めた場合にのみ廃除が可能になっています。

 非課税財産(ひかぜいざいさん)

非課税財産とは相続税の計算から除外される税金のかからない財産のことです。

代表的な非課税財産に墓地や神棚、公益に供する財産などがあります。このような財産については相続税が非課税になっているため、計算に含める必要はありません。

死亡保険金や死亡退職金なども一部の額については非課税財産になっています。

 被相続人(ひそうぞくにん)

被相続人とは亡くなった人のことです。

たとえば父親Aが亡くなり配偶者とふたりの子供が遺産を受け継ぐ場合は、父親Aは被相続人であり、配偶者と子供たちは相続人になります。

 卑属(ひぞく)

卑属とは子供や孫などの家系図を書いたときに特定の人より後にくる人たちのことをいいます。

特定の人Aを中心に家系図を書いた場合、Aの子供や孫などはAより図の下側にくるはずです。Aより家系図で下に位置する関係であるAの子供や孫などが卑属にあたります。

 非嫡出子(ひちゃくしゅつし)

非嫡出子とは法的な親子関係にない子供のことです。

非嫡出子は認知されないと父親の相続権がありません。父親と子供の間に法的な親子関係がないからです。

 秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)

秘密証書遺言とは内容を秘密にして作成する遺言書のことです。

遺言をする人が内容を作成し、立会人と公証人の前で自分の遺言書であることを申述します。公証役場が関与する遺言には他に公正証書遺言があります。公正証書遺言は内容を公証人などに知られてしまいますが、秘密証書遺言は内容を秘密にして封をするため誰にも内容を知られることはありません。

 付言事項(ふげんじこう)

付言事項とは遺言書に記す補足事項のような記述のことです。遺言書には遺産分割や認知などについて記します。これらの記述には法的な効力があります。付言事項は家族や相続人に伝えたい補足事項なので、法的な効力を持ちません。また、法的な効力を目的としない記述です。

家族への感謝の言葉や葬儀の希望などが付言事項にあたります。この他に、遺言書に記載した遺産分割についての説明などを付言事項として記述することもあります。

たとえば、遺言書で長男への遺産分割を多く指定した場合、他の相続人が不満を持って相続トラブルに発展する可能性があるはずです。

付言事項として「なぜ長男に遺産を多く渡したいのか(介護や事業への貢献といった理由、被相続人の心情など)」をつづっておくことにより相続人たちから遺言書の内容について理解を得られる可能性があります。

 負担付遺贈(ふたんつきぞうよ)

贈与を受ける人が負担を負うことを贈与の条件とすること、または負担を負うことを条件にして行う贈与のことを負担つき贈与といいます。

父親が息子に家を贈与することを条件に、自分の債務を払ってもらうケースなどが負担付き贈与です。

 物納(ぶつのう)

物納とは現金の代わりに物で相続税を納めることをいいます。

相続税は基本的に現金一括で納めなければいけません。しかし相続税は被相続人の死によって突然課税される税金ですから、状況によっては現金一括納付が難しいかもしれません。そのため、例外的に物納が認められています。

ただし、すべてのケースで物納が認められるわけではなく、以下の条件を満たした場合のみ物納が可能になっています。

・現金一括納付が困難であり、延納も困難である

・税務署の所長が物納を認めた

・物納できる財産を持っている

物納はすべての財産が対象ではなく、物納の対象になっている財産でなければいけません。物納に使える財産としては国債や地方債、不動産、船舶、社債や株式などがあります。

 法定相続分(ほうていそうぞくぶん)

法定相続分とは法律で定められた相続人ごとの遺産相続分のことです。民法900条には次のように定められています。

第九百条

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

たとえば、子供と配偶者が相続人の場合は、相続分は子供2分の1、配偶者が2分の1になります。預金1,000万円が遺産だとすれば、子供が500万円で配偶者も500万円です。仮に子供がふたりいれば、子供は各250万円ずつ相続し、配偶者は500万円を相続します。

ただ、法律で定められた法定相続分に必ず従わなければならないわけではありません。被相続人は遺言書で法定相続分と異なった遺産分割の指定が可能です。相続人は遺産分割協議をすることで、法定相続分と異なった遺産分割をしても差し支えありません。

 傍系(ぼうけい)

傍系とは家系図を見たときの横の関係のことをいいます。

本人Aにとって親や子供は縦の関係です。これを直系といいます。対して兄弟姉妹などは家系図において縦の関係ではなく横の関係です。兄弟姉妹や叔父、叔母、姪、甥、従兄弟などが傍系になります。

 未成年者控除(みせいねんしゃこうじょ)

相続人が未成年者だった場合に一定額を相続税の計算から控除できる制度のことです。

控除できる額は相続人である未成年者の年齢によって変わり、「10万円×(20歳-相続時の年齢)」によって求めます。年齢に月単位の端数があれば繰り上げて1年として計算するルールです。

たとえば16歳4カ月の子供が相続人になった場合は4カ月のところを1年として計算します。

 みなし相続財産(みなしそうぞくざいさん)

本来は相続財産ではないのですが、相続財産にみなされ税金の計算に含める財産のことです。

被相続人の死によって相続人や家族の手元に入ってくる財産がみなし相続財産になります。具体的には、死亡保険金や死亡退職金、弔慰金、借金の免除などがみなし相続財産です。

 名義預金(めいぎよきん)

名義預金とは被相続人の名義ではない預金で、被相続人の財産として相続税の計算に含まれるもののことをいいます。

たとえば、被相続人が子供の名義で預金をしていたとします。名義はあくまで子供のものですが、預金したには被相続人です。このような預金は被相続人の名義でなくても、名義預金として相続税が課税されます。

 養子(ようし)

養子とは養子縁組の手続きにより子供になった者のことです。

養子には普通養子と特別養子があります。普通養子とは養子縁組をしても実親との関係が変わらない養子縁組のことです。普通養子の場合は養子縁組後も実親の相続権を持ちます。離縁することも可能です。

特別養子縁組は原則的に離縁できません。実親との関係も基本的に切れますので、実親の相続についての相続権もありません。

普通養子の場合は相続税の計算時に実子がいる場合は1人、いない場合は2人まで計算に含めます。特別養子については実子として取り扱います。

 養子縁組(ようしえんぐみ)

養子縁組とは養子にすること、あるいは養子縁組の手続きのことです。

普通養子縁組と特別養子縁組では養子にするときの手続きが違っています。成人を普通養子縁組で養子にするときは届出が必要です。未成年と普通養子縁組をするときは裁判所の許可が必要になります。

特別養子縁組は夫婦で行わなければならず、裁判所への申し立てと許可が必要です。

 利益相反行為(りえきそうはんこうい)

AとBの利益が相反する行為のことを利益相反行為といいます。

代表的な例として、子供と親が共に相続人になっているケースがあります。子供が相続放棄をすると同じ相続人である親の相続分が増えます。このようなケースが利益相反です。子供の相続放棄を親が代わってすることは利益相反行為になります。子供と親の利益が衝突してしまうわけです。

子供と親が相続人で利益相反の関係にある場合は、相続放棄や遺産分割協議をする際に家庭裁判所に子供の特別代理人の選任を申し立てるなど、対処をしなければいけません。利益相反の関係にある親がそのまま子供の代理人になると、自分の利益のために子供の利益を侵害する可能性があるからです。

 暦年贈与(れきねんぞうよ)

暦年贈与とは非課税の範囲内で贈与を行うことを意味します。

贈与をすればただちに贈与税がかかるわけではなく、年間110万円という枠を超えなければ贈与税は課税されないルールです。この贈与税の非課税枠である110万円の範囲内で贈与を行うことが暦年贈与になります。

 連年贈与(れんねんぞうよ)

連年贈与とは、毎年連続して贈与を行うことをいいます。

贈与税は毎年110万円までは非課税です。非課税枠の範囲内で毎年贈与することで相続税の節税につながります。たとえば100万円ずつ5年間現金を贈与した場合は、相続財産からマイナス500万円となります。少しずつ相続財産を非課税枠の範囲内で贈与することで、相続税対策をすることが可能です。

 路線価(ろせんか)

路線価とは路線(道路)に面する土地の1平方メートルあたりの価格のことです。路線価は相続税を計算するときの基準になります。

路線価は国税庁が発表する土地価格の目安のひとつなので、国税庁のホームページで確認可能です。

路線価は土地売却のもとになる公示価格がもとになっており、公示価格の8割ほどが路線価に目安になっています。路線価は7月1日に発表されます。

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