不倫慰謝料110番|浮気・不倫の慰謝料を減額する方法!! !

浮気の慰謝料を請求された時は、自分が悪いと分かっていても、金額に驚きを禁じ得ないでしょう。

ただ、あまり思い悩む必要はありません。きちんと「なぜ支払いが発生するのか」「どんな減額要素があるのか」を理解していれば、その後の交渉で無理のない金額まで減らせます。併せて、交渉する時の心構えやポイントも、慰謝料減額の方法論として押さえておきましょう。

浮気の慰謝料はどうやって減額するのか

被害者(=請求権者)が主張する浮気・不倫の慰謝料は、たいてい高すぎます。相手の主張をそのまま受け入れる必要がないことは当然、加害者の収入と資産の状況を説明しつつ話し合う(=示談)ことで、減額は十分期待できます。

ただ、交渉に臨む時は、支払い義務と減額要素に関する知識が必要です。具体的な減額交渉の手順を確認する前に、以降の解説事項を自身の認識と照らし合わせてみましょう。

浮気・不倫の慰謝料の支払いが発生する条件

浮気トラブルの示談にあたって最初に押さえたいのは、以下4つの「慰謝料の支払いが発生する条件」です。すべて満たせば不法行為による損害賠償義務(=慰謝料の支払い義務)は必ず発生し、払えないからと言って請求に応じないわけにはいきません。

  • 肉体関係あるいは濃厚な性的接触がある

…判例によると「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害した場合、浮気・不倫にかかる慰謝料の支払い義務が発生します(東京地裁平成8年3月26日)。上記の利益を侵害する行為には、肉体関係だけでなく、濃厚な性的接触も解釈上含まれます。

  • 交際中、一方が法律婚・事実婚・婚約のいずれかの状態にあった

…戸籍上の夫婦の一方が不貞行為をした場合の他、「同居しているだけの内縁関係」「自治体や海外の制度を利用した同性婚」「婚約中のカップル」についても慰謝料の支払い義務が生じます。

  • 故意・過失がある

…不法行為は故意・過失があると成立します。故意・過失には、パートナーが既婚者であると知っていた場合はもちろん、既婚者が言及していないにもかかわらず「離婚するつもりだ」と認識していた場合等も当てはまります。

  • 損害賠償請求権にかかる消滅時効がまだ完成していない

…不貞慰謝料の支払い義務は、「不貞行為の発覚から3年」もしくは「最後の不貞行為から20年間」で消滅します(民法第724条)。ただ、消滅時効が完成するまでの間に一度でも請求があれば、時効が中断または停止※され、依然として支払い義務を負います。

※2020年の改正民法以降は、中断を「更新」、停止を「完成猶予」と呼びます。

浮気・不倫の慰謝料の減額要素

浮気・不倫にかかる慰謝料に、これといった統一基準はありません。示談する時は、判例からどんな状況が認容金額に加味されるのか分析し、増減の調整を行います。

それでは、慰謝料減額に繋がる要素には、どんなものがあるのでしょうか。

【参考】慰謝料の算定要素

夫婦の状況 ・婚姻期間

・それぞれの年齢、職業と地位、収入と資産

・子の有無とその年齢

・生活費の負担状況

浮気相手の状況 ・年齢、職業と地位、収入と資産、国籍
浮気・不倫が始まる前の夫婦仲 ・法律上の関係(婚姻or内縁or婚約)

・円満だったかどうか

浮気・不倫が始まった経緯 ・どちらが誘惑したのか

・職業上の立場等を利用したものか

・既婚者側が嘘をついていないか

不貞行為の悪質性 ・場所、期間と回数

・どちらが主導していたか

・同棲、妊娠、子の認知がないか

・配偶者であるとのように振舞っていないか

不貞行為が発覚した後の状況 ・被害者から交際中止の申し入れがあったか

・既婚者から交際中止の申し入れがあったか

・加害者は謝罪しているか

・被害者から許す発言があったか

・被害者から仕返しがあったか

不貞行為の結果 ・離婚したか

・不貞行為以外の離婚原因はあるか

・子の親権はどうなったか

・訴訟に至るまでの事情

※太字=特に争点になりやすいポイント

誠実に謝罪している

謝罪の言葉を述べ、支払う意思を示すことは、不貞慰謝料請求訴訟でも減額要素として注目されています。勇気を出して誠実に対応することは、今後の負担を減らすための第一歩です。

もともと夫婦仲が円満でない

不貞行為を始める前から「婚姻関係の破綻」がある場合は、慰謝料の減額要素となります。破綻に至ってなくても、離婚を口にする、暴言があった、会食の席での不機嫌な態度を取ったりするなどの「円満とは言えない」関係であれば、減額要素として加味される場合があります。

夫婦仲の悪化が婚外恋愛の背景事情になることは多く、示談・訴訟でも重要な争点として扱われるでしょう。決定的な減額要素とみなされる「婚姻関係の破綻」には、具体的に下記のような状況が挙げられます。

【一例】婚姻関係の破綻とは

  • ある程度の期間は別居していて、円満な連絡のやりとりもない
  • 同居していても、互いの親族との付き合いがない
  • 同居していても、外出や旅行を共にすることがない
  • 離婚協議を開始している
  • 性交渉がない

気を付けたいのは、婚姻関係の破綻要件を満たしているかどうかは、個別具体的な状況を総合的に検討して判断される点です。

例として、別居開始から3か月余しか経過していないことや(東京地裁平成29年2月24日)、別居期間が1年程度に及ぶものの婚姻費用※を支払っていたこと(東京地裁平成30年2月26日)を理由に、婚姻関係の破綻が認められなかったケースが挙げられます。

※婚姻費用とは

…配偶者の生活費や、配偶者の元で暮らす子供の教育費を指します。

セックスレスに関しても、同様に「性交渉がなかったとしても、そのことからただちに婚姻関係が破綻しているともいえない」と判断された例があります(東京地裁平成28年9月30日)。

浮気が発覚しても別居や離婚に至っていない

不貞行為が発覚しても重大な結果が生じなかった場合、つまり同居を継続し離婚していないような場合は、慰謝料の減額要素として考慮されます。

また、別居や離婚に至っている場合でも、その結果に不貞行為がどの程度影響していたか(=寄与度)が小さければ、支払い額も相応の範囲に収まります。以前から夫婦間でDV・モラハラ・精神疾患が共同生活の障害になっている等の問題があり、これが別居または離婚原因に関与しているなら、そのぶん不貞行為の慰謝料は減らすべきだと考えられるのです(東京地裁平成28年2月24日判決等)。

夫婦の婚姻期間が短い

夫婦仲は婚姻期間に応じて深まり、不貞行為の発覚による精神的ショックもそれだけ大きくなります。裏を返せば、結婚してからあまり年月が経っていない場合、慰謝料は少なく見積もられます。

最近の判例によれば、慰謝料の減額要素として考慮される婚姻期間は4年程度までです(東京地裁平成28年11月8日判決等)。

夫婦の間に幼い子がいない

夫婦の一方の不貞行為は、子どもの成長や養育者に及ぼすと考えられます。同じく裏を返せば、夫婦に子がいなかったり、子がいても既に成熟年齢に達していたりする場合は、慰謝料の減額事由として主張できます。

不貞行為の期間・回数がそれほど多くない

厳格な目安はありませんが、慰謝料の金額には「不貞行為の期間と回数」が影響します。

最近の判例は、不貞行為があった期間は1年未満、性的関係はせいぜい数回程度であれば、慰謝料が低く見積もられる傾向にあります。

浮気・不倫の主導権が相手にあった

当然ながら、不貞行為に誘う側の責任は大きくなります。反対に、加害者カップルのうち積極性や主導性が認められない側は、自分の役割がそれほど大きくなかった点を慰謝料の減額要素として主張できます。

夫婦間で責任追及がないor許している

不貞行為を巡るトラブルでは、浮気相手ばかり責任追及される場合が多く見られます。しかし、これは公平性に欠けるでしょう。

そこで、既婚者がその配偶者(=請求権者)からまったく責任を問われていなかったり、夫婦間でパートナーを「謝ったら許す」等の発言があったりする場合には、浮気相手の負うべき慰謝料につき減額要素を主張できます※。

※東京地裁平成29年8月10日判決等

慰謝料請求が高額化する理由

浮気被害者からの請求が高額化している理由は、以降で説明するものが典型的です。

しかし、根拠や因果関係を証明できない限り、妥当性はありません。請求権者の主張を鵜呑みにせず、根拠のない請求は毅然とした態度で指摘しましょう。

請求される側に不利な事情がある

下記のような要素が指摘され、仮にそれが事実なら、慰謝料の交渉では不利です。最近の判例でも、300万円以上の高額請求が認められる傾向にあります。

  • 交際中止の要請があったのに応じていない
  • 要請で交際をいったん中断するも、再開している
  • 加害者カップルの間に子ができた
  • 加害者カップルが同棲し夫婦同然の生活をしている
  • 被害者の落ち度がまったくない
  • 被害者がストレスの影響で通院している
  • 請求に応じず、裁判手続を予告された(or実際に訴訟が始まった)

請求にかかる費用や治療費が織り込まれている

他には、請求のため被害者が負担した費用が織り込まれている可能性があります。織り込まれる費用の代表格は、興信所・探偵への浮気調査依頼でかかった費用です。

ただ、必要性や相当性がない限り、浮気加害者が支払い義務を負うことはありません。

【調査費用の請求が認められなかった例】

  • 東京地裁平成29年4月27日判決

→「調査が必要であったとはいえず、どのような調査が行われたのかの内容も不明」

  • 東京地裁平成30年1月10日判決(一部認容)

→「調査報告書が本件の立証のために必要であったとはいいがたい」

同様に、別居のための引越し費用や治療費が請求されている可能性もあります。

ただやはり、浮気トラブルとの因果関係が認められなければ、やはり支払い義務は負いません。そして、因果関係があり支払いに応じなければならないとしても、通常はそれほど高額化しません。

【治療費等の請求が認められなかった例】

  • 三叉神経痛・腸間膜脂肪織炎の治療費(東京地裁平成29年3月16日)

→外科手術をうけていることや、抗生剤が使用されていることに加え、年齢を考慮すると、相当因果関係があるとは認められない

  • 転居費用(東京地裁平成28年8月30日)

→不貞行為があったからと言って必然的に転居しなければならなくなるものとは言えない

慰謝料減額の手順

本題は「請求されても払えない」「請求額に納得できない」と感じた時の具体的な対応方法です。一部は繰り返しになりますが、浮気加害者の側で心がけたい対応のポイントは3つです。

  • 基本的に文書で対応する(電話連絡や面談は最小限にする)
  • 減額に繋がる事由はきちんと主張して、交渉を粘り強く行う
  • 一括払いが出来ない場合、公正証書で分割払いの約束を取り付ける

不用意に対応しない

慰謝料請求された時の初動では、不用意に回答したり、対面での話し合いに臨んだりしないよう注意を要します。ありもしない事実まで認めて、後々の交渉で不利になる恐れがあるからです。また、裁判手続(調停や訴訟)を避けたい気持ちを読み取られ、プレッシャーをかけられる場合もあります。

請求書が届いたら、「主張すべき事実」や「妥当性のある支払額」を整理し、準備を万全にしてから回答するようにしましょう。

謝罪の文書や回答書を送付する

最初の対応では、まずは不貞行為があったと認め、誠意をもって謝罪することが大切です。その上で主張したい事実があれば、回答書に記載しましょう。

また、希望する支払条件を記載した「示談書」は、浮気・不倫の加害者となった人が作成しても構いません。交渉では、積極的に動いて主導権をとることが大切です。

示談交渉で減額要素を主張する

こちらの提示する額に相手が納得しない時は、示談交渉を粘り強く続けて減額要素を主張しましょう。また、裁判手続を見越して、メッセージ履歴や職場での関係等の立証手段を確認しておくことも大切です。

ただ、あまり無理をすると、主導権を奪い返される等して不利になりがちです。自分で交渉できないと感じた時は、弁護士にバトンタッチしましょう。

弁護士に相談するメリット

浮気・不倫の慰謝料を請求された場合、少なくとも初動対応は弁護士に相談するのがベストです。示談は相手の被害感情に阻まれて上手く進まないのが一般的ですが、第三者かつ専門家である弁護士を挟めば、冷静かつ前向きに話し合い出来るでしょう。

  • メリット1:相場を越えた請求であることが効果的に伝わる

…処罰したい気持ちが強い相手でも、判例情報を集積している弁護士の説明を聞けば「請求額が高すぎる」と自覚してくれます。

  • メリット2:最新の事例から、減額の妥当性を丁寧に伝えられる

…慰謝料の減額要素は日々更新されており、立証手段もケースごとに検討しなければなりません。最新情報に基づいて臨機応変に対応できる弁護士だからこそ、減額の妥当性を丁寧に伝えられます。

  • メリット3:交渉長期化や訴訟になった場合でも対応できる

…代理人がいれば、相手と直接話す機会が最小限に収まります。交渉長期化を恐れる必要はなくなり、「こちらの主張にも正当性がある」(訴訟になっても有利になる自信がある)とのメッセージを暗に伝えられます。

まとめ

浮気・不倫にかかる慰謝料は、既婚者側の家庭事情や不貞前後の状況に応じて減額できます。まずは謝罪し、示談を呼びかけ、話し合いが始まれば減額要素をしっかりと主張しましょう。

ただ、弱みを握られている立場上、交渉は難航しがちです。加えて、慰謝料算定には一律の基準がなく、最新の判例を個別のケースに当てはめて判断しなくてはなりません。この点を踏まえ、浮気が発覚したら速やかに弁護士に任せるのが確実です。

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