給付金詐欺で逮捕され実刑に?助けてほしい!

未だ衰えを見せないコロナ情勢の中、困窮する事業者を支援するため国が用意した給付金を不正に受給する詐欺が多発して問題になっています。

今も不正受給に関しては警察と中小企業庁が関係機関と連携して調査を進めており、これに関わった者については返金を求めるとともに責任を追及していく旨が表明されています。

現在、警察は、給付金詐欺の捜査で非常に忙しく、他の捜査に十分なマンパワーを注げていないほど、給付金詐欺の捜査にエネルギーを注いでいるようです。

この事件の特徴としては、いわゆる詐欺グループなどの反社会的組織だけでなく、一般の社会人や大学生などもアルバイト感覚で参加してしまう人が多くいたことです。

これら一連の事件は「給付金詐欺」と呼ばれるように、詐欺罪として、逮捕・実兄になる恐れのある行為です。

この回では意図せずに関わってしまったケースも含めて、給付金詐欺をしてしまった場合の法的な責任、リスク、対処法などについて詳しく見ていきます。

■給付金詐欺とは?

ここで言う給付金詐欺はコロナの影響で売り上げが減ってしまった企業や個人事業主、フリーランスの方の経営、生計を守るべく創設された「持続化給付金」の不正受給を指します。

日本経済を回し国内のお金の流通を保てるのはこうした事業者のおかげで、彼らの事業ができなくなることで国全体の経済が破綻してしまう恐れがあります。

事業者がビジネスを続けられる収入を維持し、ひいては国内経済を破綻させないために特別に作られた給付制度が「持続化給付金」です。

ところが緊急事態ということもあり、持続化給付金の申請手続きは迅速性を優先させたために厳格な審査を要しないことに目を付け、不正受給を試みる輩が現れます。

こうした輩が自分だけで不正受給を行うこともありますが、それだけではなく一般の人にも「簡単にお金が手に入るよ。申請手続きはこっちでやるから書類だけ用意して」などといって大学生や主婦などを勧誘し、代理申請による手数料で儲けようとするケースも出てきました。

アルバイト感覚でこれに応じてしまった人々が、持続化給付金の不正受給に関わってしまうことになったわけです。

■不正受給の態様

実際の不正受給の中身としては以下のような態様が見られます。

①受給対象者だと偽って受給した

持続化給付金の対象になるのは事業をされている方であり、主婦や学生、無職、あるいは会社勤めをされている人などは対象ではありません。

こうした人が個人事業主やフリーランスであるように偽り給付金を受給するもので、大学生など一般人を多数巻き込んだ事案はこのパターンが多いです。

個人事業主やフリーランスは最大100万円を受給できるので、金に目がくらんで怪しい自称コンサルタント業者などに言いくるめられ、不正受給に参加した人が多いようです。

不正受給したお金のうち幾らかは不正を主導した自称コンサルタントなどに支払いますが、それでも数十万円という大きな金額を得られることに心を動かされてしまったようですね。

②売上を偽って受給した

持続化給付金はコロナの影響で売り上げが減少し危機に瀕している状況を救う目的があるので、月の売り上げが前年同比50%以上減少したことなど、いくつかの条件を満たさないと受給できません。

本当に事業をしている人もこの条件を満たさないと受給できませんが、売り上げが減ったように偽って受給する人もいます。

③コロナの影響がないのに受給した

コロナ以外の影響で売り上げが減ったのであれば持続化給付金の対象になりません。

これをコロナの影響と偽って受給すると不正受給になります。

④複数回の受給

持続化給付金は一人一回までしか申請できませんが、複数回の需給を狙って申請するパターンもあります。

一般人が大量に巻き込まれたのは上記の①が多いですが、その他の不正受給形態も含めて、これらは犯罪行為ですので罪に問われることになります。

■給付金詐欺はどんな罪になるのか?

前項で見た持続化給付金の不正受給は刑法の詐欺罪に当たる行為で、これに対する刑罰は「10年以下の懲役」です。

この罪には罰金刑という措置がないので、お金を払って懲役刑を免れるということができません。

裁判で有罪となれば原則として刑務所に収監され、懲役に服することになります。

この罪の重さがテレビ等で説明されることにより、不正受給に参加した人々が認識するに至り、「これはヤバいぞ!」「俺どうなるの!?」となったわけですね。

■「詐欺とは知らなかった」は通用するか?

前々項の①にあたる人の中で、怪しいコンサルタントに儲け話を持ち掛けられてそれに応じた人や、大学の先輩や友人に誘われて儲け話に乗った人などは、積極的に詐欺を働く意思はなかったかもしれません。

まさか懲役10年を食らうほどの重い犯罪行為をしているとは思わずに、気軽に応じたという人も多いでしょう。

「書類を渡すだけでアルバイト代が入るってよ」とか「犯罪にはならないから大丈夫」などと言われて、それを信じて相手の要求に従っただけという場合、当人の責任はどうなるのでしょうか。

残念ながら法律上は同じように詐欺罪に問われる可能性が高いです。

中心となる詐欺グループがいて、その中心人物がコンサルタントなどを名乗り、「免許証のコピーや源泉徴収票を提出するだけで大きなアルバイト代が入りますよ」と言ってきたとします。

正常な判断力のある大人であれば「ちょっと怪しくないか?」と感じるはずです。

それでも話に応じたなら、「もしかしたら詐欺とか怪しい行為なのかもしれないけど、金が入るならまあいいか」という認識の下で応じたはずです。

このような認識は「未必の故意」と呼ばれ、積極的に誰かを騙そうとする意志がなくても、未必の故意があれば詐欺罪は成立します。

今問題になっている持続化給付金の不正受給問題においては、アルバイト感覚で参加した人も未必の故意を認められて責任を問われるケースが多いと思われます。

■「自分は申請手続きをしていない」は通用するか?

「そうはいっても、自分は給付金の申請手続きなどしていないし、詐欺となる行為自体を実行していないのだから、責任はないのでは?」という声が聞こえてきそうです。

確かに申請手続きは詐欺の中心となる人物が実行したのでしょうから、直接の詐欺行為は本人は行っていないかもしれません。

しかし持続化給付金詐欺の場合、「共謀共同正犯」という考え方を適用して責任の追及が可能です。

これは、犯罪の中心となる人物(「正犯」といいます)と連携して犯罪を行った場合、正犯以外のこれに加担した人物も、正犯と同じ責任を負うという考え方です。

持続化給付金詐欺では、申請に必要な免許証のコピーなどの書類を正犯となる人物に提供した責任があり、これをもって連携して詐欺行為を実行したとみなされるわけです。

「自分は何の手続きもしていない」という反論は、共謀共同正犯の理論の前には通用しないことになります。

■逮捕されたらどうなる?

持続化給付金詐欺に参加してしまったのであれば、いつ警察の手が伸びてきてもおかしくありません。

持続化給付金詐欺は多数の人物が関与して行われることが多いので、これらの捜査に時間がかかるため逮捕されれば長期間身体の拘束を受けることが多いです。

警察は48時間以内に釈放するか、被疑者の身柄を検察に送るか判断しなければいけません。

特段の事情が無ければ検察官送致となるでしょう。

■検察送致後はどうなる?

検察は被疑者を原則として10日間勾留することができ、必要があれば最長20日間に伸長することもできます。

勾留期間が満了するまでに起訴するか釈放するかを決めますが、持続化給付金詐欺では被害の金額が大きく、また証拠となる書類がしっかり残っているので、裁判となれば有罪を勝ち取れる可能性が高いことから、検察は特段の事情が無ければ起訴することになるでしょう。

■起訴されたらどうなる?

本人が罪を認めている場合は概ね2日~3日程度、否認している場合でも4日~5日程度で決着がつくように進行の手配が取られることが多いです。

実際に有罪となるかどうか、刑罰の重さがどの程度になるか、また執行猶予が付くかどうかなどは裁判官が総合的に判断することなので何とも言えません。

ここで言えることは、裁判官は主に以下のような要素を考慮して判断をするということです。

①返金の有無

だまし取ったお金を返金しかたどうかが考慮されます。

返金していれば裁判官の心証は良くなり、刑が軽くなる可能性があります。

②事件金額の多寡

事件全体の被害金額が大きいほど責任の度合いが重くなるので、刑も重くなる方向に傾きます。

③グループ内での役割

犯行グループの中で中心的人物である場合や、中心人物への協力の度合いが大きいと責任の度合いも重くなります。

先輩に半ば無理やり書類を提出させられたなど受動的立場であれば情状の余地があり責任は軽くなる可能性があります。

以上のような要素を加味して裁判官が最終的に判断を下し、執行猶予が付かず有罪となれば刑務所に収監されることになります。

本人が他に犯罪を犯している事実がなく、だまし取った金額が100万円のみですでに返金が済んでおり、グループの中心的人物でもなければ執行猶予を得られる可能性は十分あります。

■詐欺をしてしまったらどうすればいい?

先輩やコンサルタントなどにそそのかされて、受動的にではあっても持続化給付金詐欺に加担してしまった場合、警察へ自首することも考えなければなりません。

また給付金を所管する中小企業庁の事務局でだまし取った金の返金の手続きも必要です。

警察への自首と返金の申し出のどちらを先にするかですが、普通の人はまず返金をして、それから警察に行けば「返金の事実」があるので逮捕のリスクを下げられるのではないか?と考えると思います。

ただ、まずは、弁護士に相談し、サポートの下で解決方法を模索する必要があるでしょう。

返金手続きの準備を整えたうえで、先に警察に自首することを勧められることが多いと思われます。

先に給付金の返金申し出を行った場合、その手続き上で自分の氏名や住所等の個人情報を中小企業庁の事務局に伝えることになります。

持続化給付金規定では、詐欺の事実があればこれを刑事告発することが決められているため、規定にのっとり捜査機関に告発することになり、これにより警察が事件を認知することになります。

捜査機関が事件を認知する前に自首した場合は、正直に申し出たことを考慮されて逮捕されたり裁判にかけられたりするリスクを幾分軽減できることがあります。

しかし、捜査機関が事件を認知した後に申し出ても、こうした恩恵を受けることができません。

従って、弁護士に相談する必要があります。そして、先に警察に自首して逮捕や起訴のリスクを下げることを優先した方が良いと思われます。

その後、可能であれば自分で、警察に逮捕されることになり自分でできない場合は家族や弁護士などを通して持続化給付金の窓口に返金手続きを行います。

給付金の不正受給をした場合、行政罰として一定の加算金や延滞金が発生しますが、中小企業庁が調査を開始する前に自主的に返金の申し出を行い、返還を完了した場合は、これらのペナルティを避けることができるかもしれません。

警察に自首することで警察から中小企業庁に事情確認が入ることも予想され、その場合中小企業庁が調査を開始すると行政罰のペナルティを避けることができなくなる可能性もあります。

そのため警察に自首した後できるだけ迅速に返金の手続きをする必要があり、タイムラグが生じないように細かい配慮が必要になるでしょう。

いずれにしろ、弁護士に依頼をしその協力を得て進めるのが安全です。

■まとめ

本章では持続化給付金詐欺に関わってしまった人に向けて、どのような罪になるのか、法的な責任やリスク、対処法などをまとめて見てきました。

給付金詐欺はたとえ積極的に詐欺を働く意思が無かったとしても罪に問われる可能性が高く、罰金のない懲役刑が適用されます。

関わる人物が多いため、どこからか情報が捜査機関に伝わることで、その他の関与した人物も捜査対象になることが予想されます。

いずれにしろ弁護士に相談することをお勧めします。

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