仮差押えをされたらどうすれば良いのか?!

突然の仮差押えにお困りではありませんか??
(銀行預金・役員報酬・売掛債権・不動産)
仮差押えを失効させる方法・資金繰りを回復する方法は???

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仮差押えをされてしまった場合

仮差押えをされた場合には、差押えをされた財産の処分が制限されることになります。

すなわち、銀行預金が仮差押えされた場合は、その銀行預金は引き出せなくなります(なお、仮差押えの被保全債権を超過する額については、銀行に申し入れることにより、引き出せるようになります)。しかし、会社の資金繰りに悪影響は避けられないでしょう。また、仮差押えをされたことは、銀行取引約定書における、銀行借り入れの期限の利益喪失事由に該当しますので、銀行としては、会社に対して、融資の返済を求めることができるようになってしまいます。しかし、銀行としては、そこまでするところはないようです。ただ、銀行としては、会社に対して、仮差押え状態の解消、すなわち期限の利益喪失事由が存在している状態の解消、又は融資の全額の返済を求めて、事実上のプレッシャーをかけてくるようになります。

また、役員報酬が仮差押えされた場合は、仮差押えの後、その役員に対して、役員報酬を支払った場合は、会社は、差押債権者にも二重払いする必要が出てきてしまう可能性もあります。

また、売掛債権が仮差押えされた場合は、会社は、その売掛債権を回収することができなくなってしまいますので、資金繰りに問題が生じてしまいます。破産せざるを得なくなることもあります。売掛先・取引先と協議し、売掛金を払ってもらうとか、売掛金相当額を貸し付けてもらうということはできますが、売掛先・取引先は差押債権者にも二重払いする必要が出てきてしまう可能性もあり、あまり協力してもらえないかもしれません。むしろ、売掛先・取引先としては、そのような仮差押えをされてしまった会社について、信用評価が下がり、それ以降の取引を中断されてしまう可能性もあります。

その他、不動産に対する仮差押えですが、登記簿に仮差押えがなされていることが表示されてしまいますので、それを見た取引先との関係などで、信用評価が下がる事態は生ずると思われますが、その不動産が売却又は処分することができなくなりますが、それ以上の悪影響はあまりないように思われます。

仮差押えに対する対抗策

それでは、仮差押えに対して、どのような対抗策があるのでしょうか。

銀行も売掛先・取引先も、仮差押えがあった場合、直ちに、行動に出るわけではなく、当面様子を見て、会社の方で、本当に信用問題が生じているのか、本当に経営がマズイことになっているのかどうかを確認し、当面様子を見たにもかかわらず、その心配が解消されなかったような場合には(すなわち、仮差押え状態が解消されるなどしない限りは)、行動に出ることとなるかもしれません。

保全異議

まず、仮差押えへの対抗策の一つとして、民事保全法に定められた保全異議という手続きがあります。

これは発令した裁判所の判断が間違っていたという場合の不服手続きで、裁判所は発令に誤りがなかったのかを検討することになります。
異議内容に制限はなく、期間の制限もありません。
異議を申し立てると、口頭弁論又は当事者双方の立ち会うことができる審尋期日が設定され、結果として異議が認められれば、保全命令は取り消されることになります。

仮差押えへの対抗策として、通常は、この保全異議の手続きが行われます。

保全異議の手続きの中で、相手方の被保全債権の有効性なども議論することができますので、会社としては、この保全異議の手続きの中で、相手方の被保全債権の有効性や金額を争い、相手方に対する損害賠償請求権などを根拠に相殺を主張するということとなろうかと思います。

この保全異議の手続きにより、相手方の被保全債権の実体を争うことが最も重要なことかと思われます。

また、保全異議を申し立てたことにより、当然、仮差押命令が停止されるわけではありませんので、執行がなされてしまう可能性がある場合は(仮差押えについては、その可能性は高くないですが)、執行の停止も別途申し立てる必要があります。

保全取消

保全異議とは別に、保全取消という手続きもあります。

こちらは、条文において取消理由が定められており、これに該当する場合のみ申立てをすることができます。
保全取消事由としては、起訴命令後に債権者が提訴しない場合、債権が消滅した等の事情変更があった場合、
仮差押えにより償うことのできない損害が生じる等の特別の事情があった場合です。

保全抗告

上記の保全異議及び保全取消が通らなかった場合に、さらに上の裁判所へ不服申立てをする手段として、保全抗告という手続きがあります。

こちらは期間制限があり、送達から2週間と定められています。
なお、保全抗告より上の裁判所への不服申立制度はありませんので、通常の裁判と違い、審理が行われるのは2回までとなります。

仮差押解放金の供託と仮際押命令の停止や取消

仮処分自体を争わない場合には、仮差押解放金と呼ばれる、仮差押命令に記載された金額を仮差押えの財産と引き換えに供託するという方法です。

「仮差押解放金」とは、被保全権利に見合う金銭を債務者に供託させることによって、債務者に仮差押の執行の停止又は取消を得る制度です。この「仮差押解放金」の額は、仮差押えの決定に「債務者が・・・を供託するときはこの決定の執行の停止またはその執行処分の取消を求めることができる」と記載されています。この金額を供託することによって、仮差押命令の停止や取消を求めることができます。

すなわち、「仮差押解放金」の供託により仮差押命令が失効するわけではないので、仮差押命令の停止や取消を別途申し立てる必要があります。

ただ、「仮差押解放金」の供託により、銀行預金や売掛金に対する仮差押えは失効します(仮差押えの効力は「仮差押解放金」の上に移動しますが)ので、銀行預金に対する仮差押えは解消されたわけですので、銀行はそれ以上仮差押えにはこだわらなくなりますし、売掛金に対する仮差押えは解消されたわけですので、売掛先・取引先もそれ以上仮差押えにはこだわらなくなります。不動産に対する仮差押えであれば、不動産に対する仮差押えは解消されるわけですので、その不動産を売却・処分できるようになります。

起訴命令申立

さらに、民事保全はもともと正式な裁判で決着がつき、その結果に基づいて実際に差押えがされることが想定されているので、債権者が裁判を起こさない場合には、不安定な地位に置かれることとなるため、起訴命令申立という方法も用意されています。

仮差押えは時効などにより失効しませんし、仮差押えの被保全債権は、仮差押えが継続している間は時効にかかりませんので、仮差押えは、永久に残ってしまうこととなります。実際、登記簿を見ていると、何十年もかかったままの仮差押の存在を発見することがあります。これは、債権者が仮差押えをしたまま、そのままにしており、和解もせず、訴訟提起もせず、そのまま放置をしている状態です。仮差押えは、債権者が裁判を起こして確定し決着することを想定しており、債権者が仮差押えをしたまま放置することを想定していないため、起訴命令申立の制度が存在します。

この申立がなされると、裁判所から債権者に対して、訴訟を起こすように命令が出され、その期間内に訴訟が提起されなかった場合には、保全を取り消すことができます。

仮差押えをしてくる債権者のなかには、裁判をした場合には勝訴できる!との確たる自信がないものの、交渉手段として、通りやすい仮差押えを行ってきている者もいますので、そのような者は、起訴命令をされてしまうと、その債権者は困ってしまうので、交渉に応じてくるのです。

その他

その他、仮差押えに対抗する手段は各種ありますが、ウェブ・サイトで公表すべき性質のものでは御座いませんので、ご関心ございましたら、当事務所にお問い合わせください。

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