顧問契約とは?弁護士と顧問契約を締結するメリット・デメリットなど徹底解説

弁護士と顧問契約を結んでいる企業は多くあります。

また、これから顧問契約をすることを検討している方も多いと思います。

しかし、顧問弁護士を付けると何をしてくれるのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかといった顧問契約の中身については、意外と知られていない面があります。

そこで、この記事では顧問契約について詳しく解説していきますので、顧問契約を考える際の参考にしていただければと思います。

なお、顧問契約は、弁護士、税理士、社会保険労務士などの様々な士業が提供していますが、この記事では弁護士の顧問契約を中心に解説します。

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顧問契約とは

標準的な顧問契約は、半年や1年といった一定期間で継続的に契約し、法律相談や契約書のチェックなどのサービスを、契約に定めた範囲内の量であれば定額の顧問料のみで利用できるというものです。

顧問契約と対象的なのは、単体業務の契約になります。

単体業務を依頼する場合は、一例をあげると法律相談であれば時間を単位として報酬が必要になります。

しかし、顧問契約を結んであれば、例えば2時間まで法律相談が無料になるなど、単体で契約するよりも有利な条件でサービスが受けられます。

さらに、事務所によっては、訴訟などの顧問契約外の業務が必要になったときに、顧問契約を結んであることで割引が受けられる場合もあります。

このように、顧問契約は、一定期間ごとの顧問料と引き換えに充実したサービスが受けられるものになっています。

また、一般的な業務を対象にした通常の顧問契約の他に、M&A、労務制度の整備、事業承継、敵対的買収の防止、資金調達のコンサルティングや債権回収への対応といった個別の課題に取り組むための顧問契約が用意されている場合もあります。

特に力を入れたい分野がある場合には、これらの特殊な顧問契約を活用することで効果的な対策を取ることが可能になります。

顧問契約とスポット契約の違い

顧問契約と対象的な契約にスポット契約があります。

顧問契約とスポット契約にはどのような違いが存在するのか、ここで簡単に見ていきましょう。

スポット契約とは

スポット契約とは、単体の業務を依頼する契約です。

対象には、例えば、法律相談、契約書作成、債権回収、債務整理、訴訟、などの多様な業務があります。

通常、個人が弁護士に依頼する場合は、スポット契約を利用することになります。

企業もスポット契約を利用することができますが、顧問契約を締結したうえでその範囲に含まれない業務をスポットで契約する形態が一般的です。

相違点

両者の違いの一つは、報酬の支払い方に現れます。

顧問契約では、毎月一定額の顧問料が必要になります。

スポット契約では、業務に応じた報酬を支払う必要があります。

さらに、顧問契約とスポット契約には大きな違いがあります。

それは、専門家と継続的な関係を築くことにあります。

スポット契約では、依頼した業務が終了することで関係性が切断されます。

これに対して、顧問契約を結ぶ場合は、弁護士とより深い関係を持つことが可能になり、紛争の解決だけでなく予防や再発防止を含めた取り組みができるようになります。

企業は利害関係者が多く、継続してトラブルのない状態が望ましいことから、顧問契約の方がより適していると考えられるでしょう。

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顧問契約のメリット

顧問契約には以下のような様々なメリットがあります。

・弁護士と緊密な関係が築ける

・相談がしやすいためトラブル予防に役立つ

・会社の実情にあったアドバイスを受けられる

・社会的な信用が高くなる

・トラブル発生時に弁護士を探す必要がなくなる

・トラブル解決後の改善に繋げられる

ここでは、顧問契約のメリットについて解説します。

弁護士と緊密な関係が築ける

顧問契約では日常的に弁護士と接点を持つことができます。

情報を共有することで緊密な関係を築くことができ、弁護士が会社の置かれた状況を把握していることで迅速な対応が可能になります。

相談がしやすいためトラブル予防に役立つ

顧問契約がない場合、弁護士に相談するのはトラブルが顕在化してからになるのが通常です。

また、誰に相談すればよいのか迷ってしまい、弁護士を探すのに時間がかかることもあります。

顧問契約があれば、よく知っている弁護士に気軽に相談できるため、トラブルが生じる前、あるいは大きくなる前に対応するのに役立ちます。

会社の実情にあったアドバイスを受けられる

顧問契約では、継続的に同じ弁護士と関係を持ち、会社に関する情報を予め共有しておくことができます。

これに対して、スポット契約の場合は相談時間内で会社について一から説明しなければなりません。

そのため、スポット契約の限られた短い時間で相談する場合よりも、顧問契約をしておけば会社の実情に適したアドバイスを受けられるようになります。

社会的な信用が高くなる

顧問弁護士がいるということは、費用をかけて法的にしっかりとした体制を整えていることの現れです。

顧問弁護士がいる会社とは安心して取引できますので、社会的な信用が高くなるといえます。

トラブル発生時に弁護士を探す必要がなくなる

顧問弁護士がいなければ、トラブルが生じた後に受任してくれる弁護士を探すことになります。

知り合いの弁護士がいなければ、人に紹介してもらうか、インターネット上の評判などを頼りに探さなくてはいけません。

そうなると、対応が遅れないように短い時間で弁護士を決めることになり、満足のいく選択ができるとは限らなくなります。

顧問弁護士がいるのであれば、紛争が生じてしまった場合でも信頼できる弁護士に依頼することが可能なので安心です。

トラブル解決後の改善に繋げられる

紛争が生じてしまった場合、それを解決することだけでなく、以後同様の事例が生じないように改善することが重要です。

しかし、スポット契約では事案の解決とともに弁護士と関係が終了してしまうのが通常です。

顧問契約があれば、弁護士との継続的な関係の中で社内の様々な問題の改善に取り組むことができ、トラブルの解決後にその教訓を生かして会社をより良くすることに繋げられます。

顧問契約のデメリット

顧問契約には次のようなデメリットもあります。

・顧問料が必要になる

・短期間で解除できない場合がある

それぞれ確認していきましょう。

顧問料が必要になる

顧問契約には一定期間ごとの顧問料が必要になります。

顧問料は月額で定められていることが多くなっています。

仮に何のサービスを利用しないことがあっても、顧問料が発生することは留意すべき点です。

その反面、単体で依頼する場合よりも顧問契約の方が有利な料金設定になっていることが多くあります。

短期間で解除できない場合がある

顧問契約は一定期間ごとで更新する契約になっています。

契約の期間は、1ヶ月の場合もあれば、半年や1年の場合もあります。

契約期間の満了を待たずに解除したい場合、契約条件によっては解除できなかったり、解約金などがかかったりする場合もあります。

このように、顧問契約は短期間で終了できない場合もあることには注意が必要です。

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顧問契約の業務例

顧問契約の内容には、どのような業務が含まれているのでしょうか。

一般の顧問契約と分野ごとの特殊な顧問契約に分けて、ここで解説します。

一般の顧問契約

一般的な顧問契約には、法律相談、契約書等の法的文書の作成やチェック、交渉等のアドバイスが含まれます。

これらの業務を、所定の時間内ならば顧問料のみで利用できるのが通常ですが、何の業務をどれだけ利用できるかは具体的な契約内容によって変わってきます。

例えば、1ヶ月に2時間相当で法律相談や契約書チェックが利用できる、といったように内容が定められます。

その他に、別料金になるのが通常ですが、顧問契約を結んでいる企業は、社内セミナーや研修会、講演会を特別に依頼できる場合もあります。

分野ごとの特殊な顧問契約

ある特定の専門的な分野の顧問契約を提供している事務所もあります。

例えば、M&Aをするためには、複雑な準備が必要で様々な法律問題が発生するおそれもありますので、それらに対処するためにM&A専門の顧問契約が提供されていることがあります。

また、事業承継を考えている場合は、株式の集約や種類株式化、持株会社、資産管理会社、社団法人の設立、といった多様な対策を状況に応じて行っていく必要がありますので、事業承継専用の顧問契約が用意されています。

さらに、労務の諸制度や規程類が不備な場合は多くありますが、そのような労務の問題に取り組むための顧問契約もあります。

その他、敵対的な株主が存在する場合に様々な防衛策を提供する、会社を守るための特別な顧問契約が用意されている場合があります。

このように、一般的な顧問契約だけでなく、分野ごとに様々な種類の顧問契約があります。

顧問契約先の弁護士の選び方

顧問契約をすべき弁護士を選ぶにはどこに着目すべきでしょうか。

ここでは、顧問契約先の弁護士の選び方について、ポイントを解説します。

企業法務についての専門性

顧問弁護士を選ぶ際に最も重要なことは、企業法務についての専門性です。

弁護士の業務は非常に多岐にわたり、個人間の問題を主な活動領域とする場合もあれば、企業の分野を専門としている場合もあります。

顧問契約は多くの弁護士事務所が提供しているサービスですが、例えば主として自己破産や離婚、交通事故といった個人の法的問題を扱っている事務所と、企業の問題をメインにしている事務所とでは、専門性に差があるといえるでしょう。

顧問には、企業法務に高度の知識と豊富な経験を有する弁護士を選ぶ方が望ましいと考えられます。

業務範囲

顧問契約として提供されている業務の範囲も重要になります。

一般的な内容の顧問契約だけでなく、M&Aや事業承継、資金調達のコンサルティングや債権回収対応等の高度な分野も検討している場合は、特別な内容の顧問契約を利用できることがあり、利便性が高くなっています。

現時点では検討していない場合でも、将来に備えてそれらを扱っている事務所と関係を築いておけば、弁護士と日常的に情報交換することで必要になったときにより良い対応ができます。

連絡の付きやすさ

弁護士との連絡の付きやすさは重要です。

いつ、どのような問題が生じるか予測するのは困難ですので、困ったときにすぐに相談できる顧問が望ましいといえます。

相談方法は電話、メール、ビデオ会議など多様ですが、何を利用できるのか確認しておきましょう。

また、相談時間も重要です。

緊急の場合には夜間や土日祝日にも相談可能か、確かめておくとよいでしょう。

弁護士の人柄

顧問契約では弁護士と継続的に関係していくことになりますので、弁護士の人柄は重要になります。

せっかく顧問契約をしても、相談しにくい弁護士では問題の解決が遅れてしまうおそれがあります。

心配なことを気軽に相談できて、親身になって話を聞いてくれる弁護士を選びましょう。

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まとめ

この記事では、顧問契約について、その内容やメリット・デメリット等を解説してきました。

弁護士を顧問にすることで、会社を経営するうえで法律面の強いサポートを得られます。

円滑に会社を経営していくためには、顧問弁護士の活用がポイントです。

良い顧問を選ぶためには情報収集が重要ですので、気軽に一度弁護士に話をしてみることをおすすめします。

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