定義条項|株式譲渡契約書を逐条解説!

株式譲渡契約書の逐条解説:定義条項について

M&A総合法律事務所のM&A契約書類のフォーマットはメガバンクや大手M&A会社においても、頻繁に使用されています。
ここにM&A総合法律事務所の株式譲渡契約書のフォーマットを掲載しています。
M&Aを検討中の経営者の皆様でしたらご自由にご利用いただいて問題ございません。
ただし、M&A案件は個別具体的であり、このまま使用すると事故が起きるものと思われ、実際のM&A案件の際には、M&A総合法律事務所にご相談頂くことを強くお勧めします。
また、このフォーマットはM&A総合法律事務所のフォーマットのうちもっとも簡潔化させたフォーマットですので、実際のM&A取引において、これより内容の薄いDRAFTが出てきた場合は、なにか重要な欠落があると考えてよいと思われますので、やはり、実際のM&A案件の際には、M&A総合法律事務所にご相談頂くことを強くお勧めします。

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なお、詳細な解説につきましては、以下の弊所書籍「事業承継M&Aの実務」をご覧ください。

株式譲渡契約書の逐条解説:定義条項について

第1条    (定義)

本契約において用いられる各用語の意味は、次のとおりとする。

(1)   「本件株式」とは、本契約に基づき売主から買主に対して譲渡される売主が保有する対象会社の普通株式全部(___株)をいう。

(2)   「本件株式譲渡」とは、売主から買主に対して、本契約に基づき、本件株式を譲渡する取引をいう。

(3)   「本件株券」とは、本件株式を表章する株式をいう。

(4)   「譲渡代金」とは、本件株式の譲渡代金をいう。

(5)   「クロージング」とは、次条の規定により、本件株式の譲渡を実行することをいう。

(6)   「クロージング日」とは、本件株式の譲渡日をいう。

(7) 「買収監査」とは、対象会社の協力のもとに、平成  年 月 日乃至同年 月 日において実施された、買主による対象会社の企業調査をいう。

第1条は、定義規定である。

(1) 定義規定について

このような定義規定は、特に、株式譲渡契約書に必須というわけではないものの、株式譲渡契約書の本文に頻繁に出現する用語については、出現する都度、用語を定義した場合、徒に契約書の本文が長くなったり、読み手としては、用語が定義されていることに気づかずに一般的に使用される意味だと考えて契約書を読むことにより誤解が生じうる。また、用語の定義を含む条項は長くなり、読みにくくなる半面、用語の定義をした後の規定は短くなり、条文構成が美しくなくなることから、このように冒頭にまとめて用語を定義することにより、そのようなことを避けることができる。そのため、株式譲渡契約書に頻繁に出現する用語については、このように冒頭において定義することが好ましい。

(2) 一般的意味と異なる定義に注意する

また、注意すべきなのは、定義に関する規定において、その用語の一般的意味とは大きく異なった意味に定義されている誤導的な定義がされることがあることである。これは、契約書作成者が、意図的に、相手方当事者を錯誤又は誤解させようとして行っているのか否かは不明であるが、もしそのように、その用語の一般的意味から大きく異なった意味に定義されている誤導的な定義が存在する場合は、相手方はこの事業承継M&Aにおいてそのような姿勢に臨んでいる可能性があるということが理解できることから、そのような事業承継M&Aは、後日、トラブルが生じる可能性が一般的な場合と比較して高いと思われ、交渉の過程で特に注意が必要である。

筆者らが実際に経験した誤導的な定義としては、「・・・の知る限り」を、実際に知っている場合のみならず、通常程度の注意力を有していれば知ることができた状態を意味する「・・・の知り得る限り」の意味に定義しているものや、「対象会社の従業員」を現在の従業員のみならず、過去の従業員も含むものとして、定義していたケースが存在する(なお、契約書において、時点の指定がされない場合は、契約締結日の時点の指定がなされていると解釈されるのが通常である)。

このように用語の一般的意味とは大きく異なった意味に定義されている誤導的な定義が行われる場合、特に、表明保証条項の中に記載されている用語の意味が一般的な意味と異なり、表明保証により、売主が責任を負う範囲が想定外に広くなることもあるし、そうであるならば売主としては、事前に、社内調査をしておくべき事項が想定外に広くなってしまう。

事業承継M&Aの相手方当事者としては、そのような状況に気づかずに、この株式譲渡契約書に押印していしまった場合、自己責任なのであるが、想定外のリスクを負うのであり、また、契約書作成者がそのような意図に基づいて契約書を作成している以上、後日、M&Aトラブルが生ずる可能性もあり、そもそもそのような相手方との間では信頼関係を構築できず、M&Aの取引自体、成約に至らないことが多いため、特に注意が必要である。

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