適格機関投資家特例業務について
ファンドを運用する場合、金融商品取引法に基づく投資運用業の免許を持っていなければ、財務局に対して、適格機関投資家特例業務の届出をして行うほかありません。
また、適格機関投資家特例業務に基づく投資運用業においては、適格機関投資家が1名以上非業務執行組合員として出資をしていることが必要です。そうすれば、一般投資家を大量に募集して投資運用を行うことができます。
適格機関投資家とは、銀行や証券会社や信用金庫やベンチャーキャピタルなども含みますが、そのような適格機関投資家が居ない場合は、だれか10億円以上金融商品で投資運用している者に、財務局に対して、適格機関投資家の届出を行ってもらって、非業務執行組合員として出資して頂く必要があります。
適格機関投資家として届出た個人は金融庁のHPに掲載されますが、投資ファンドの業界で非常に有名な方しか掲載されていないような狭き門です。現在、39名しか届け出ていないようです。
ただ、適格機関投資家の届出も、適格機関投資家特例業務の届出も、届出書といくつかの添付書類を添えれば直ぐに届出ができ、投資運用業を開始できるようです。
ただ、適格機関投資家が本当に10億円以上投資金融資産を保有しているか、本当にその投資ファンドに投資をしているかについて、以前はほとんど10分か20分のヒアリングで終わっていましたが、近時は、いろいろ資料を出させられるようです。
このように比較的規制も緩く、適格機関投資家特例業務が隠れ蓑になって詐欺ファンドなどが乱立し、被害者が続出したため、現在、規制強化が進められており、昨年6月金融商法の改正法が成立し、おそらく今年の6月に施行されます。現行の適格機関投資家特例業務で投資ファンドを開始することができるのは、この6月までです。
ですので、財務局の窓口の運用は、滑り込み届出を恐れて運用が厳しくなりつつあります。
金融商法の改正法が施行されると、一般投資家は、適格機関投資家特例業務に基づく投資ファンドに対して投資できなくなります。素人はそのような投資を行ってはならないという規制になるのです。