第三者割り当てによるM&A!

  • 2019年12月30日
  • 2024年10月8日
  • M&A

M&Aにはさまざまな手法があります。「第三者割り当て」という手法も、M&A手法の中のひとつです。今回の記事では、M&A手法の選択に悩む中小企業のオーナーやM&Aを検討している経営者が自社に合った手法を選ぶために、第三者割り当てによるM&Aの基礎知識を紹介します。

  • 第三者割り当てとは?
  • 第三者割り当てと他M&A手法との違い
  • 第三者割り当てはどのようなときに使われるのか
  • 第三者割り当てのメリットとデメリット
  • 第三者割り当ての手続き

以上の基礎的なポイントをこの記事に集約しました。

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目次

「第三者割り当て」とはどのようなM&A手法か

第三者割り当てとは「株式を新たに発行して第三者に割り当てをする」というM&A手法になります。株式の発行は、会社の資金調達法として代表的な方法です。その株式の割り当てを行い、第三者(良いおつき合いをしている個人など)に買ってもらうことにより、会社の資金調達や株主の権利調整を行う方法が第三者割り当てになります。

株式の発行をして、その発行した株式を第三者に買ってもらう場合、株式市場を利用すればいいと思うかもしれません。確かに、それもひとつの方法です。しかし、世の中のすべての株式会社が株式を株式市場で取引できる状態にしているわけではありません。

日本の多くの会社は非公開株式を発行する株式市場に上場していない会社です。上場していない会社の株式は、市場で自由に取引できません。株式を発行して第三者に買ってもらおうと思っても、上場していないがために、できないのです。中小企業の場合は、不特定多数が株式を入手できる環境にリスクや不安感を覚えることでしょう。

では、どうするのか。ここで登場するのが「第三者割り当て」です。市場で株式を取引できる会社は市場で行えばいいのですが、できない会社は第三者割り当てというかたちで投資家などの個人や企業に株式の割り当てを行い、引き取ってもらうのです。

このときに割り当てを行う第三者は、基本的に友好関係を築いている投資家になります。要するに「株式を売って資金調達したいので、お願いします。引き受けてください」「分かりました」と株式を発行・割り当てする側の会社と投資家の間でやってしまうということです。

第三者割り当ては、株式の割り当てと第三者からの出資がセットになっています。そのため、他M&A手法である株式譲渡との違いがよく問題になるのです。また、株主割り当てや公募との違いも問題になります。

第三者割り当てと公募の違い

第三者割り当てと公募は、株式を取引するという点で非常に似ています。そのため、第三者割り当てと公募を混同してしまうケースも少なくありません。

第三者割り当てと公募は、違った手続きです。

公募は株式市場で行うため、一般の投資家も株式が取引可能になっています。対して第三者割り当ては、特定の第三者に株式を割り当てるのです。市場という公で募集するのではなく、特定の第三者という決まった相手と株式の取引をすることになります。

  1. 公募は株式市場という「おおやけでの募集」。そのため、一般の投資家も広く株式を買うことができる。
  2. 第三者割り当ては「特定の第三者という決まった相手に買ってもらう」。そのため、公募のように一般投資家が買うことはできない。買うのは割り当て対象である。

公募と第三者割り当てには、以上のような違いがあります。

第三者割り当てと株式譲渡の違い

第三者割り当てと株式譲渡も、よく似た手続きとして勘違いされることがあります。どちらも株式を譲り渡しているので、混同しやすいのかもしれません。

第三者割り当てと株式譲渡も、まったく違った手続きです。第三者割り当てと株式譲渡の場合は、手続き上の特徴面でも大きな違いがあります。

第三者割り当てと株式譲渡は「特定の人に株式を譲渡(売却)する」という点で似ている手続きです。ただ、資金の動きが異なります。株式の取得という点でも異なっているのです。

株式譲渡では、株式の譲渡金は株主に入ります。中小企業のオーナーや役員などが自分の持っている株式を株式譲渡したとします。この場合、株式を譲渡した中小企業オーナーや役員の懐に株式譲渡金が入り、会社には入りません。対して第三者割り当ては、会社が株式を第三者に割り当てますから、株式の資金は会社に入ります。このように、株式の資金が株主と会社のどちらに入るかという違いがあるのです。

また、「株式を100%取得できる可能性があるか」という点でも株式譲渡と第三者割り当ては異なっています。第三者割り当ての場合、既発行済みの株式があるのです。第三者割り当てで入手できるのは、割り当て対象の株式です。株式譲渡の場合は、中小企業オーナーが100%株主だったなどの場合は、その株式をすべて株式譲渡によって取得可能になります。

株式を100%取得できるか否かという点で、株式譲渡と第三者割り当てには違いがあるのです。

  1. 第三者割り当ては資金が会社に入り、株式譲渡は株主に入る。
  2. 第三者割り当ては株式すべてを取得できないが、株式譲渡の場合は100%取得もできる。

以上が第三者割り当てと株式譲渡の違いになります。

なお、M&Aでは、第三者割り当ては、単独ではあまり行われていません。なぜなら、株式の100%取得が難しいからです。会社の経営権を狙ってM&Aをするとして、第三者割り当てだけでは株式を100%取得できず「思うように経営権を握れませんでした」という結果になる可能性が高いからになります。

株式を使うM&Aは経営権などを目的に行われることが多いのです。同じ株式を使うM&A手法の中でも第三者割り当ては経営権などのM&Aでよく目的とされるものを得られないことが多いため、M&Aをする側(経営権などを狙う側)にとっては、単独で使い難いという理由があります。

第三者割り当てと株主割り当ての違い

第三者割り当てと株主割り当ても、「株式を割り当てる」という点で似ている手続きになります。第三者割り当てと株主割り当ての大きな違いは、割り当ての対象です。

株主割り当ては、名前通り「株主」に対して株式の割り当てを行います。割り当てる株式はそれぞれの株主の持つ株数に応じて行われるところが特徴です。

第三者割り当てでも株式の割り当てを行いますが、株主割り当てと違って、「会社が割り当てた第三者」が対象になります。株主以外も対象にできるのです。今まで自社の株を持ったことのない人(既存株主以外の人、新たに株主になる人)を割り当ての対象にすることもできます。株主に限定されない第三者です。

また、割り当ての際も、持ち株数に応じた割り当てをする必要はありません。この点も株主割り当てと異なっています。

  1. 第三者割り当ては既存株主に限らない「第三者」が対象。株主割り当ては「株主」が割り当て対象。
  2. 株主割り当ては株主の持ち株数に応じて割り当てが行われる。第三者割り当ては持ち株数に応じる必要はない。

以上が第三者割り当てと株主割り当ての違いです。

なお、株主割り当ての場合に持ち株数に応じた割り当てを行わない場合は株主割り当てにはならず、第三者割り当てになります。

第三者割り当てはどのようなときに使われるのか

第三者割り当ては、次のようなケースでよく使われます。

  1. 資金調達をしたい
  2. 資本提携や会社の基盤強化
  3. 友好的なM&Aを実施したい
  4. 特定の第三者にだけ株式を渡したい
  5. 議決権の調整を行いたい

第三者割り当てを使うケース①資金調達をしたい

第三者割り当ては、株式を使った資金調達方法としてよく使われます。

第三者割り当ては公募と異なり、不特定多数に株式を渡して資金調達する方法ではありません。会社と第三者で行われます。特定の人から資金調達したい場合や、会社の株式が市場で取引できないときの資金調達方法として、第三者割り当てが使われているのです。

第三者割り当てでは、決まった第三者から資金調達するため、資金調達自体を迅速に行うことが可能になっています。そのため、急いで資金調達したいときもよく使われる方法です。

第三者割り当てを使うケース②資本提携や会社の基盤強化

第三者割り当ては会社の資本提携や基盤強化にもよく使われます。

第三者割り当てで資金力のある企業や投資家に株式を譲る。それによって、会社の基盤を強化することが可能です。友好的な企業へ第三者割り当てすることによって、資本提携することもできます。

2019年12月には、ヤマダ電機と大塚家具の資本提携に第三者割り当てが使われることが発表されました。資本提携的な第三者割り当ての一例ではないでしょうか。

第三者割り当てを使うケース③友好的なM&Aを実施したい

第三者割り当ては会社側と第三者割り当てを受ける側が友好的に行えるという点が特徴です。

会社側の立場を想像してみてください。公募で不特定多数に株式を渡す場合、会社が自由に割り当て対象を選ぶことはできません。しかし第三者割り当ては、会社が「この人(特定の第三者)になら渡しても良い」と選んで、株式を割り当てするのです。手続き自体が自然と友好なものになります。

第三者割り当ては、M&Aの手続きの中でも友好的な手法であると言えるでしょう。そのため、友好的にM&Aを実施したいときに、第三者割り当てがよく使われます。

第三者割り当てを使うケース④特定の第三者にだけ株式を渡したい

株式を発行したくても、経営権の掌握が心配などの理由から、特定の人にだけ発行した株式を譲り渡したいケースがあります。

第三者割り当ては既存株主から今まで株主ではなかった投資家まで、第三者に対して好きに株式の割り当てが可能です。特定の人から資金調達したい場合や特定の人にだけ株式を割り当てしたいときによく使われます。

第三者割り当てを使うケース⑤議決権の調整を行いたい

株式には経営権に関わる権利が付属しています。大株主になると、それだけで会社の経営に大きな影響を与えることができるのです。株式で資金調達をするときは、株式の権利と切り離して考えることはできないのではないでしょうか。株式と株式の権利は、切っても切れない関係なのです。

株式の発行で議決権などの調整をはかる方法があります。第三者割り当てで会社にとって友好的な第三者に株式の割り当てを行い、株式に付属する権利の調整を行うのです。第三者割り当てを受けた者が既存株主だった場合は、当然ですがその既存株主の権利が強化されることになります。このように、特定の誰かの権利調整を行いたい場合に第三者割り当てを活用することが可能です。

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第三者割り当てのメリットとデメリット

第三者割り当てのメリット

第三者割り当てにはメリットが6つあります。

  1. 資金調達と会社の基盤強化ができる
  2. 友好的かつスムーズにM&Aを実施できる
  3. 会社の信用力を強化できる
  4. 既存株主との関係を強化できる
  5. 新しい投資家と友好関係を築ける
  6. 取引先との関係を強化できる

第三者割り当てのデメリット

第三者割り当てのデメリットは4つあります。

  1. 手続きのために費用や手間が必要である
  2. 新しい株主によって会社のバランスが変化する
  3. 既存株主から反発される可能性がある
  4. 会社の意思決定に影響が出る可能性がある

メリット①資金調達と会社の基盤強化ができる

第三者割り当ては基本的に「株式を割り当てすること」であり、「その株式を引き取ってもらい資金を得ること」です。他の株式発行や割り当ての方法と同じく、株式による資金調達が可能になります。

株式による資金調達は、会社の資金調達方法としては基本中の基本ではないでしょうか。第三者割り当ても株式の発行と割り当てを通して、当然ながら資金調達ができるというメリットがあるのです。

第三者割り当てによる資金調達は、「特定の人から」という性質が極めて強くなります。株式の発行による資金調達は不特定多数から行う方法もありますが、それだと、会社の意に染まぬ人に株式が渡りかねません。

第三者割り当ては会社と第三者で株式の発行と割り当てを行うので、敵対的な人に株式が渡り難いという特徴があるのです。よって、特定の人(会社にとって都合の良い人)に限って株式を渡すことができ、資金調達できるというメリットがあります。

第三者が有力な投資家や企業であった場合は、資金や経営の基盤強化にも繋がるため、ひとつのメリットとして数えることが可能です。

なお、第三者割り当てで調達した資金は、金融機関の融資とは異なります。返済する必要はありません。

メリット②友好的かつスムーズにM&Aを実施できる

第三者割り当ては、会社側が株式を譲る第三者を選ぶことが可能です。会社は自分にとって敵対的な人や危険な人、関係を持ちたくない人に株式を渡したいとは思わないことでしょう。経営権が危うくなったり、会社の経営層が脅かされたりする可能性があるからです。会社自体が乗っ取りされてしまうかもしれません。

第三者割り当てでは、第三者は「会社に友好的な投資家や会社」が基本です。会社にとって敵対的な人や危険な人を第三者として選ぶことは、まずありません。基本的に友好的な人や会社を第三者割り当ての対象にするため、友好的かつスムーズな手続きが可能なのです。

メリット③会社の信用力を強化できる

有力な会社や投資家が第三者割り当ての相手になることで、会社の信用力がアップするというメリットがあります。

たとえば、第三者割り当ての相手が業界内でも力を持つA企業だったとします。投資家として有名なBでもいいでしょう。この場合、第三者割り当てを知った人たちはどのような印象を受けるのでしょうか。

有名投資家Bが第三者割り当てによって資金を渡すなら、会社の将来性についてはBの折り紙つきではないか。A企業との関係が構築できたということは、強いのではないか。このように見るのではないでしょうか。第三者割り当てでは、割り当ての相手次第でこのようなメリットも得られるのです。

なお、第三者割り当てでは、割り当てを通して資金を増やすことが可能です。会社資金が増えるという点でも信用力が増します。

メリット④既存株主との関係を強化できる

第三者割り当てで株式を割り当てするのは、既存株主でも可能です。既存株主に第三者割り当てによって株式を割り当てることにより、会社と株主の関係を強化できます。株式の権利強化にも繋がるため、会社のパワーバランス調整ができるというメリットもあるのです。

メリット⑤新しい投資家と友好関係を築ける

第三者割り当ては、会社の株を持っていなかった(会社とは関係を持っていなかった)人に割り当てすることも可能です。新しい投資家や企業に第三者割り当てをすれば、そこから新しい関係を築くことができます。

第三者割り当ては基本的に友好的な人や企業に対して割り当てを行うため、友好的な新しい繋がりを作ることができるというメリットがあるのです。

メリット⑥取引先との関係を強化できる

第三者割り当ては、取引先の企業などを割り当て対象にすることも可能なのです。

たとえば品物の取引をしている友好的な企業へ第三者割り当てをすれば、商品の取引関係の他に、その会社に対して配当金などのプラスをもたらすことになります。商品や材料の仕入れ先企業に第三者割り当てをすれば、同じく配当金などをもたらすため、喜ばれることでしょう。相互成長のきっかけにもなります。会社同士の結びつきも、より強くなります。

会社役員に対して第三者割り当てをすることも可能です。自社役員に第三者割り当てを行えば、会社が経営努力により利益を上げれば、配当金などのかたちで役員がリターンを受ける関係ができあがります。役員がより一層、経営に力を入れる可能性が高いというメリットがあるのです。

デメリット①手続きのために費用や手間が必要である

第三者割り当てをするためには、手続きが必要になります。手続きをこなすためには、手間や費用がかかるのです。M&Aの他の手法や株式の発行にはすべて言えることですが、第三者割り当てにも手続き的な労力や費用の負担というデメリットがあります。

デメリット②新しい株主によって会社のバランスが変化する

第三者割り当てで新しい株主に株式を割り当てした場合、社内のパワーバランスが変化します。既存株主に株式を割り当てしても、もちろんパワーバランスは変わりますが、新しい株主の場合は「新しい関係者ができる」「新しい株主が既存の関係の中に入ってくる」ことになるのです。

今までの株主のパワーバランスで会社の運営が上手く回っていた場合は、新しい株主が入ってくることによって、不安定な状況になる可能性があります。

デメリット③既存株主から反発される可能性がある

第三者割り当てにより株式の希薄化(1株あたりの価値を下げること)に繋がるため、既存株主に反発される可能性があります。反発する株主が大株主だった場合、社内にいらぬ混乱を引き起こす可能性もあるのです。第三者割り当てにより株式の希薄化を招く結果、株式を手放す株主が出る可能性もあります。

デメリット④会社の意思決定に影響が出る可能性がある

第三者割り当てによって新しい株主や既存株主に割り当てをした結果、パワーバランスに変化が生じます。結果、今まで経営についての意思決定が迅速に行われていたのに、第三者割り当てを受けた株主が力を持ってしまったために、意思決定が迅速に行われない可能性があるのです。

第三者割り当てによって特定の株主や新しい株主が力を持った結果、反対に意思決定が迅速に行われる可能性もあるため、場合によってはデメリットではなくメリットになる可能性もあります。

第三者割り当ての手続きと流れ

第三者割り当ての手続きと流れは次の通りです。

  1. 第三者割り当てを行う株式の条件を決定する
  2. 第三者割り当ての決定事項の通知
  3. 割り当て数の決定と通知
  4. 割り当てを受ける株主が出資を履行する
  5. 登記申請

第三者割り当てを行う株式の条件を決定する

第三者割り当ての条件を決定します。決定は株主総会の特別決議または取締役会で行うことになり、決める条件は次の5つです。

  1. 第三者割り当てをする株式数
  2. 株式の金額や算出方法について
  3. 増加する資本金や準備金について
  4. 現物出資の内容や金額について
  5. 振込期間や振込期日

第三者割り当ても、基本は株式の発行や割り当て、取引です。ただ、確実に株式を引き取ってくれる第三者に依頼するというだけで、株式の条件決めなどは当然に行うことになります。

第三者割り当ての決定事項の通知

決定した第三者割り当ての条件を、第三者割り当てを受ける人や企業に通知します。弾三者割り当てを受ける側は、通知を受けただけでは条件に同意したことにはなりません。第三者割り当てを受ける人や企業は条件を確認し、申し込みをすることが基本です。

申し込みでは基本的に、必要事項を記載した第三者割り当ての申込書を提出します。提出が完了すれば、第三者割り当てへの申し込みも完了です。

割り当て数の決定と通知

第三者割り当てを行う会社は申し込みを集計し、誰にどれだけの株式を割り当てるか決めなければいけません。そのため、第三者割り当ての対象からの申し込みを受け取り、集計をして割り当て数を決めるという作業を行うのです。

割り当て数の決定は株主総会の特別決議または取締役会決議で行います。実際の割り当て数は、募集のときの数より少なくなっても差し支えありません。

なお、総数引受契約(すべて株式を引き受ける契約)を結ぶ場合は、申し込みや割り当ては不要です。総数引受の契約内容などについては、次の見出しで詳しく説明します。

割り当てを受ける株主が出資を履行する

第三者割り当てを受ける人や企業が、第三者割り当ての条件で定められた履行期日や履行日に金銭などを出資します。株式の対価の支払いです。現物出資の場合は、現物の引き渡しを行うことになります。

第三者割り当てで払込期日を決めた場合は、割り当てを受けた対象は払込期日に株主になります。払込期間を設定した場合は、期間内の出資履行日に株主になります。

登記申請

登記申請書と添付書類、登録免許税(印紙)を法務局に提出し、登記を行います。

第三者割り当ての登記申請において必要になる書類は以下のようなものです。なお、ケースにより添付書類が変わる可能性があります。

  1. 株主総会や取締役会の議事録
  2. 第三者割り当ての申込書
  3. 払い込みがあったことを証する書面
  4. 資本金の額の計上に関する書面

第三者割り当ての引受契約の内容

第三者割当によるM&Aの際には、通常、引受契約書を締結いたします。これは会社法上の総数引受契約書とは異なり、表明保証や前提条件、補償条項や順守条項などが規定された、株式譲渡契約書に似た契約書です。

たまに、このような引受契約書が必要であることを知らずに、会社法上の総数引受契約書のみで対応しているケースが散見されますが、M&Aの経験の乏しい方が担当をされたものと思われますが、非常に危険なことですので、やはり、経験ある弁護士に依頼をされるようにしましょう。

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最後に

第三者割り当てとは、既存株主や新しい株主などの「第三者」に対して株式を割り当てることをいいます。この第三者は株主に限定されていませんので、会社側が選んだ投資家や企業に割り当てが可能です。基本的に会社にとって友好的な投資家や企業に割り当てることになります。

第三者割り当ては資金調達や株主のパワーバランス調整などに用いられるM&A手法です。メリットとデメリットを知って、有効活用したい方法になります。

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