吸収分割契約書のポイントとメリット・デメリットを解説!!吸収分割契約書のフォーマットも掲載

  • 2019年5月13日
  • 2024年5月8日
  • M&A

弁護士法人M&A総合法律事務所のM&A契約書類のフォーマットはメガバンクや大手M&A会社においても、頻繁に使用されています。
ここに弁護士法人M&A総合法律事務所の吸収分割契約書のフォーマットを掲載しています。
ただし、M&A案件は個別具体的であり、このまま使用すると事故が起きるものと思われ、実際のM&A案件の際には、弁護士法人M&A総合法律事務所にご相談頂くことを強くお勧めします。

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なお、詳細な解説につきましては、以下の弊所書籍「事業承継M&Aの実務」をご覧ください。

吸収分割契約書

株式会社______(以下「甲」という)と株式会社______(以下「乙」という)とは、甲の営む____事業(以下「本件事業」という)に関して有する権利義務を分割し、乙に承継させる(以下「本吸収分割」という)ため、以下のとおり吸収分割契約(以下「本契約」という)を締結する。

第1条    (吸収分割をする会社の商号及び住所)

本吸収分割に係る吸収分割会社たる甲及び吸収分割承継会社たる乙の商号及び住所は、以下のとおりである。

(1) 吸収分割会社

商号:___________

住所:___________

(2)   吸収分割承継会社

商号:___________

住所:___________

第2条    (承継する権利義務)

乙は、本件分割に際し、別紙②「承継権利義務明細表」記載のとおりの資産、債務、雇用契約及びその他の権利義務(以下「以下本件権利義務」という)を甲より承継する。

ただし、本件権利義務の移転につき法令上、条例上又は行政上の許認可等の理由により承継ができない場合は、これを承継しないものとする。

なお、乙が甲から承継する債務については、免責的債務引受の方法による。

第3条    (本吸収分割の対価)

本吸収分割に際して、乙は、前条に定める承継する権利義務の対価として、現金金_____円を、甲に交付する。

第4条    (分割効力発生日)

本吸収分割が効力を生ずる日(以下「効力発生日」という)は、平成  年 月 日とする。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、甲及び乙は、協議・合意の上、これを変更することができる。

第5条    (株主総会)

甲は、効力発生日の前日までに、本契約及び本吸収分割に必要な事項につき、会社法第783条第1項に定める株主総会の決議による承認を受ける。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、甲及び乙は、協議・合意の上、これを変更することができる。

乙は、会社法第796条第1項の規定に基づき、本契約につき会社法第795条第1項に定める株主総会の決議による承認を受けずに本吸収分割を行う。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、甲及び乙は、協議・合意の上、これを変更することができる。

第6条    (善管注意義務)

甲及び乙は、本契約締結の日から分割効力発生日に至るまで、善良なる管理者の注意をもって、その業務執行及び財産の管理運営を行い、その財産及び権利義務に重大な影響を及ぼすような行為をなす場合には、あらかじめ甲乙協議の上、これを行う。

第7条    (競業避止義務)

甲は、分割効力発生日後、本件事業に関し、会社法第21条第1項に定める競業避止義務を負う。

第8条    (分割条件の変更及び本契約の解除)

本契約締結後分割効力発生日に至るまでの間において、天災地変その他の事由により、甲又は乙の財産もしくは経営状態に重大な変動が生じたときは、甲及び乙は、協議・合意の上、本吸収分割の条件を変更し、又は本契約を解除することができる。

第9条    (本契約の効力)

本契約は、効力発生日の前日までに第7条に定める本契約及び本吸収分割に必要な事項に関する株主総会の承認が得られない場合、法令に定める関係官庁の承認等が得られない場合、又は、本吸収分割の実行に重大な影響をきたす条件若しくは制約等が付された場合には、その効力を失うものとする。

第10条  (協議事項)

本契約に定めのない事項のほか、本吸収分割に必要な事項は、本契約の趣旨に則り、甲及び乙は、協議・合意の上、これを定める。

本契約締結の証として、本書を2通作成し、甲及び乙それぞれ記名・捺印の上、各自1通を保有する。

平成  年 月 日

甲:所 在 地

会 社 名

代表取締役

乙:所 在 地

会 社 名

代表取締役

別紙 承継権利義務明細表

承継権利義務明細表

乙が、甲から、対象事業に属する資産・負債その他これに付随する一切の権利義務を承継し、その明細は、以下のとおりとする。

なお、対象資産及び対象債務の評価は、平成  年 月 日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに効力発生日前日までの増減を加除した一切の資産、負債及び権利義務を、効力発生日において、乙に承継する。

1.承継する資産

(1)流動資産

対象事業に属する現金及び預金、売掛金、商品、前払費用、立替金、未収入金、その他流動資産の一切。

(2)固定資産

対象事業に属する有形固定資産、知的財産権を除く無形固定資産、投資その他資産の一切。

2.承継する負債

(1)流動負債

対象事業に属する支払手形、買掛金、未払金、未払費用、預り金、前受収益、賞与引当金、その他流動負債の一切。

(2)固定負債

対象事業に属する長期預り金、退職給付引当金、その他固定負債の一切。

3.承継する契約上の地位

対象事業に属する取引基本契約、売買契約、賃貸借契約、リース契約、その他の契約における契約上の地位及び当該契約に基づく権利義務の一切。但し、乙に承継されない資産及び負債に附帯又は関連する契約上の地位及び当該契約に基づく権利義務を除く。

4.承継する雇用契約等

対象事業に主として従事する従業員(パートタイマーを含む。)に係る一切の雇用契約上の地位及びこれらに基づき発生した一切の権利義務等。

5.承継する許認可等

対象事業に関して甲が取得している一切の許可、認可、承認、登録及び届出等のうち、法令上承継可能と認められるものの一切。

以上

会社法758条に、吸収分割契約書規定事項が法定されている。

会社法758条

(株式会社に権利義務を承継させる吸収分割契約)

会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が株式会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 吸収分割をする会社(以下この編において「吸収分割会社」という。)及び株式会社である吸収分割承継会社(以下この編において「吸収分割承継株式会社」という。)の商号及び住所

二 吸収分割承継株式会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(株式会社である吸収分割会社(以下この編において「吸収分割株式会社」という。)及び吸収分割承継株式会社の株式並びに吸収分割株式会社の新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項

三 吸収分割により吸収分割株式会社又は吸収分割承継株式会社の株式を吸収分割承継株式会社に承継させるときは、当該株式に関する事項

四 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項

イ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収分割承継株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項

ロ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法

ハ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法

ニ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項

ホ 当該金銭等が吸収分割承継株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法

五 吸収分割承継株式会社が吸収分割に際して吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該吸収分割承継株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項

イ 当該吸収分割承継株式会社の新株予約権の交付を受ける吸収分割株式会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「吸収分割契約新株予約権」という。)の内容

ロ 吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収分割承継株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法

ハ 吸収分割契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、吸収分割承継株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法

六 前号に規定する場合には、吸収分割契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の吸収分割承継株式会社の新株予約権の割当てに関する事項

七 吸収分割がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)

八 吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨

イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が吸収分割承継株式会社の株式(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継株式会社の株式に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)

ロ 剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継株式会社の株式のみであるものに限る。)

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