ベンチャー企業のM&AでのEXITに重要な4つの留意点!!

  • 2019年8月9日
  • 2024年10月27日
  • M&A

ベンチャー企業のM&A

今までのベンチャー企業のEXITといえば、IPOでした。

しかし、IPOはなかなか容易ではありません。

上場を承認してもうためには、2つの機関での承認が必要になります。

<第一関門>主幹事証券の引受審査部

<第二関門>証券取引所

両方の期間で審査があるのです。これがまた複雑で厳しいのです。

まず、第一関門である主幹事証券の引受審査部で審査に通れば、ほぼ大丈夫なのですが、この第一関門通過がかなりの難関です。ここで挫折する企業が多いのです。

その上、時間と手間と費用がかかります。第一関門にたどり着くまでに難しくて挫折してしまうこともありますし、その間に、経済状況や会社の業績が変化してしまい、結局、IPOの機会を逃してしまうことも非常に多くなっています。

首尾よく、IPOを完了したとしても、従来の経営方針から急に方向転換するのは難しいですし、上場企業の経営を維持するのはこれもまた大変です。

これらの要因から、最近のベンチャー企業は、EXITとして、M&Aを目指す傾向にあります。

大手企業がベンチャー企業を買収して傘下に入ったというニュースをお聞きになったこともあるのではないでしょうか。かなりの高額での取引がされています。

ベンチャー企業は、売却することも買収することもどちらにおいても、大きなメリットがあります。投資先の対象として、大きなリターンを得ることができます。

ベンチャー企業M&Aを効率的に完了させるために必要なことを4つご紹介していきます。

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ベンチャー企業のM&AでのEXITに重要な4つの留意点!!

この項目では、ベンチャー企業とのM&Aを成功させるために重要な4つの留意点をご紹介していきます。

準備期間は余裕をもって設定する

M&Aを完了させるために、経営者の口頭でのインタビューから始まり、意向表明書を取り交わして、デューデリジェンス(DD)(買収監査)という書類での審査があり、最終契約を交わしてから株式総会を開催して、承認をとり、引き継ぎを行うことで完了となります。

ここまで、スムーズに進んでも3~6ヶ月はかかります。

そのM&Aに伴う手続きだけでも6ヶ月かかりますから、デューデリジェンス(DD)(買収監査)で使う会社資料などは事前にしっかり準備しておく必要があります。

また、できるだけ事業を高額で売却したいと考えるならば、その事業を育てる期間も必要になってきます。この事業を育てる期間というのは、会社によっては違うのですが、ベンチャー企業の場合だと3年はかけたほうが良いといわれています。事業が育っていれば育っているほど良い条件でM&Aができるのです。

ですから事業を育てる期間も必要なら、トータル3年半は見ておく必要があるのです。

M&Aを検討したら、一日でも早く行動に移していただきたいと思います。

M&Aの専門家に相談

先ほどお話したデューデリジェンス(DD)(買収監査)は、M&Aアドバイザーならば、効率的に監査を完了できるようサポートしてくれます。何度もM&Aの現場に立ち会っていますから、この業界ならデューデリジェンス(DD)(買収監査)において、どの個所に重点を置いているかなどを把握しています。資料の収集、どのデータをそろえればいいかなどのアドバイスをもらうことができます。

ベンチャー企業の経営者の場合、経営者本人が現場に出て仕事をしています。とにかく忙しい方が多いです。日々の業務とM&Aに必要な手続きを平行して行う必要がありますから、M&Aアドバイザーの存在は欠かせません。同じ業界のM&A実績があるアドバイザーを探して、まず相談してみることをお勧めします。

事業内容の強みをはっきり把握

事業を高額で売却しようと思ったら、自社事業の強みは把握する必要があります。

売れる会社の特徴をご紹介しておくと、

  • 在庫を持たない
  • 利益率が高い
  • まだ誰もやっていない独占的な事業内容
  • ストック型ビジネス
  • 初期費用が少額で済む

などが挙げられます。

これは、成長しているベンチャー企業の特徴と重なります。

そして、このような事業内容を持っていると、大手企業からの買収も可能性があります。

大手企業がベンチャー企業を買収し、株式を取得して子会社化する場合などの買収金額は100億円になることもあります。とにかく高額な金額で取引が行われるのです。

これなら従来のEXITであったIPOよりも、M&Aのほうが入ってくる現金が高くなります。

大手企業のM&Aチームに目を付けられるよう事業を育てておいてください。

大企業の傘下に入れば、自分が創業した社名は残って、従業員も大企業の社員として雇用継続され、巨額なマネーも手元に残るということです。まさに、現代のジャパニーズドリームといえます。

売却条件も明確に設定しておく

相手先が大企業であっても、譲れない条件はきっちりと主張して下さい。

大切に育ててきた事業です。気後れしてしまい不本意な条件でM&Aを完了してしまったらM&A完了後に必ず後悔することになります。

例えば、条件設定として必要なことは、

  • 従業員の雇用継続と待遇改善
  • 売却金額と売却完了の期限
  • 社名は残すのか
  • M&Aを完了してから経営者はそのまま引き継ぎで残るのか?

などです。

このほかにも、絶対に譲れない条件はそれぞれの経営者の中にあると思います。

M&Aが完了してからも残って引き継ぎをすることに抵抗があるなら、売却の条件にM&A完了後は完全にリタイアすることを盛り込んでおく必要があります。

遠慮してしまって、相手先の言いなりで引き継ぎを行い、リタイアのタイミングを逃してしまう経営者もすくなくありません。

これだけは、譲れないという条件はしっかりと決めておいて、相手先企業にも理解してもらうようにしておいて下さい。この条件設定についてもM&Aアドバイザーはサポートすることができます。

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M&Aにまつわる疑問を解明

この項目では、M&Aを行う上で、ぶつかる疑問についてお答えします。

M&Aアドバイザーを依頼せずに完了できるの?

M&AをM&Aアドバイザーに依頼することなしに完了することは、できなくもないのですが、実際にアドバイザーを依頼せずにM&Aをされる方もいらっしゃいます。買い手が知り合いだという場合で、M&Aアドバイザーの役割が買い手を探すことだと思っている方です。もう買い手が見つかっているからM&Aアドバイザー費用を節約しようと考えてしまうのです。

アドバイザーを依頼せずM&Aを完了した悲劇

実際に、M&Aアドバイザーを依頼せずにM&Aを行ったケースですが、後継者がいなくて、ここ最近は少し売り上げも落ちてきたので、会社を売却することを検討して、同業者である知り合いに会社を売却することにしました。相手先も乗り気で、売却が決まりました。

ここまではスムーズなのですが、問題は、ここまでの経緯はすべて口約束で終わっているところです。そして会社を知り合いに売却することを従業員に話すと、従業員たちの反発にあい、M&Aを完了するころには従業員はかなり退職してしまったのです。新しい会社の経営方針、雇用体系が気に入らなかったのです。

ここでの失敗は、まずM&Aの情報が流出してしまったことが問題だったのです。

業界内で、会社を売却することが噂になってしまい、従業員が不安になり、退職の連鎖を招いてしまったのです。

ここのところ、国内は、空前の人手不足です。従業員は事業価値の大きな要素なのです。

この事業価値を失ってしまっては、もうその会社に価値はほとんど残っていないのです。

とんとん拍子に決まっていて買収話はなくなってしまって、結局、M&Aではなく廃業することになったのです。

さらに、従業員の退職金を支払ったり、借り入れていた事業資金の返済も必要になってしまいました。

もし、M&Aを検討したときに、弁護士法人M&A総合法律事務所へ相談に来ていただけていたら、このような結果にはならなかったと思います。

買い手がいくら知り合いだったとしても、そこは、これまでのM&Aに関する経験則に基づく、M&Aの字ジグの情報管理を徹底し、社内の事情などを話すことは控えていただきましたし、重要な約束は基本合意書や株式譲渡契約書などのみならず、書面やメールなど記録に残る方法での対処をお願いしたものとおもいます。

そして、早い段階での従業員へのM&Aを行うことを公表することもやめていただきました。

M&Aの最大の鉄則、M&Aの情報管理の重要性ということです。

M&Aを検討した時点で、信頼できるM&Aアドバイザーに相談することが非常に重要です。

専門家に相談することのメリット

ベンチャー企業を設立して、経営して、その事業を育てて、いずれはM&Aを検討したいと考えているなら、設立当初から、M&A総合法律事務所とのアドバイザリー契約を結んでいただきたいと思います。

M&A総合法律事務所には、法律はもちろんのこと、税務、会計に関しても専門家が在籍しています。相談に来られた経営者、一人一人に細やかなアドバイスを提供しています。

顧問弁護士を契約するなんて、規模の小さいベンチャー企業には、贅沢なのでは?と考えているなら、それは大きな間違いです。

最初は、中小企業から始まったベンチャー企業も、大企業へ成長しているところはたくさんあります。

それらの企業の経営者は、法律、会計、税務のプロを社内にかかえています。

起業当初は外部の弁護士と顧問契約を結んでいたのです。何かトラブルがあってから、慌てて専門家を探しても、ビジネスの場はスピーディーに変化していきます。常に何かの備えが必要なのです。

トラブルが長引き、訴訟費用が掛かることや、多額の賠償金を支払うことになってからでは遅すぎます。

普段から顧問契約しておくほうが、長い目で見れば安上がりなのです。

弁護士法人M&A総合法律事務所には、ベンチャー企業の成長を見守り、強力にサポートする独自のサービスがあります。ぜひ一度、ご相談ください。

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