M&Aのスケジュール(流れ)
M&Aは、基本的に、以下のようなスケジュール(流れ)で行われることになります。
一般的には、3~12ヶ月の時間を要することとなります。
ただし、直ちに買主が見つかるような場合はそれよりも短い時間で、買主がなかなか見つからないような場合は1-2年もの時間を要することもあります。
一般的なM&Aのスケジュール(流れ)については、下記のとおりですが、事案によっては、一部の手続きを省略したり、一部の手続きを何度も踏んだり、一部の手続きを完結化したり、反対に、一部の手続きに特に多くの時間をかけたりしますので、必ずしもこのスケジュール(流れ)通りにいくものではありません。
M&Aのスケジュール(流れ)については、経営環境や業界を取り巻く状況や会社の経営状態によっても変わりますので、M&Aアドバイザー・M&A弁護士としては、これらの状況を分析し、顧客とよく相談して、スケジュール(流れ)を調整致します。
売主候補者のM&Aニーズの確認
まず、弁護士法人M&A総合法律事務所が売主候補者と面談をさせて頂きます。
面談によって、当初とは異なるM&Aニーズが発見されることもあるため、弁護士法人M&A総合法律事務所では、まず売主候補者に面談をさせて頂き、経営者様のお考え・お悩みをお聞きし、解決策となる選択肢をいくつかお話しさせていただきます。
また、会社の事業内容・財務状況についてお教え頂き、売却可能性及び売却見込み価格(概算値)についてお知らせ頂います。
秘密保持契約の締結と概要書(ティーザー)の作成
売主候補者のM&Aニーズが確認できましたら、まず、秘密保持契約(NDA)の締結を行い、売主候補者より決算書などの一連の資料を頂戴し、売主経営者に対するヒアリングに基づき、対象会社の概要書(ティーザー)を作成します。
対象会社の概要書(ティーザー)はノンネーム資料であり、同書面からは、対象会社は全く特定できないように工夫されています。
買主候補者の選定とM&Aニーズの確認
弁護士法人M&A総合法律事務所が適切な買主候補者を選定します。
その上で、その買主候補者と面談をさせて頂きます。
ここでも、面談によって、当初とは異なるM&Aニーズが発見されることもあるため、弁護士法人M&A総合法律事務所では、まず買主候補者に面談をさせて頂き、M&Aニーズを確認させて頂くことを前提とさせて頂いております。
これによって、買主候補者が対象会社にとって適切なM&A先かを再確認いたします。
また弁護士法人M&A総合法律事務所から買主候補者に対して、対象会社の概要書(ティーザー)をお渡しし、買主候補者に検討をして頂くことで、買主候補者が具体的にM&Aに取り組む意思があるか否かを確認いたします。
買主候補者のM&Aニーズが顕在化し、弁護士法人M&A総合法律事務所が買主候補者より別途、M&A業務の受託を受けることもあります。
アドバイザリー契約の締結及び提案資料の作成
買主候補者のM&Aニーズが確認できましたら、売主候補者とアドバイザリー契約(業務や報酬に関する取り決め)の締結を行い、正式にM&Aアドバイザー業務を受託するとともに、提案資料(インフォメーションパッケージ)の作成を行います。
秘密保持契約及びアドバイザリー契約の締結とネームクリア
買主候補者のM&Aニーズが確認できましたら、ここでもまず、秘密保持契約(NDA)とアドバイザリー契約(業務や報酬に関する取り決め)の締結を行い、正式にM&Aアドバイザー業務を受託し、売主候補者に対して、買主候補者の名前を開示することの了解(ネームクリアの了解)を得ます。
提案資料(インフォメーションパッケージ)の開示
買主候補者のネームクリアの了解を受け、まず、売主候補者に対して、買主候補者の名前を開示(ネームクリア)するとともに、買主候補者に対して対象会社の提案資料(インフォメーションパッケージ)の開示の確認を行います。
これは、M&Aの情報管理をしっかり行い、それにより情報が広まり、取引に影響を及ぼしたり、従業員が不安を感じ退職したり、金融機関や取引先に知られ本業に悪影響が生ずることを防止するためです。
提案資料(インフォメーションパッケージ)の検討
買主候補者に対して対象会社の提案資料(インフォメーションパッケージ)を渡しても良いということになりましたら、買主候補者に対して対象会社の提案資料(インフォメーションパッケージ)を渡して検討をして頂きます。
トップ面談の実施
買主候補者がM&Aに具体的に進めたいとの意向を示した場合、経営陣同士の「トップ面談」を行います。
トップ面談では、双方質問をしあい、経営方針などに関する疑問を解消しあいます。
対象会社に対する基本的なヒアリングをさせて頂くことも御座います。
「意向表明書」の提出
トップ面談を踏まえて両者が具体的にM&AM&Aを進めたいとの意向の場合、弁護士法人M&A総合法律事務所が手続きを進めてゆきますが、まずは、買主候補者が売主候補者に対して「意向表明書」(買収方法、買収価額などの提案条件が書かれた書面)を提出していただきます。
「基本合意書」の締結
売主候補者が「意向表明書」の内容に合意した場合、それまで両者にて合意している基本的条件などが明記された「基本合意書」(M&AM&Aを進める意向、独占交渉権、独占交渉期間などを規定した書面)を締結します。
なお、「基本合意書」は基本的に法的拘束力はないものとされています。
また、「基本合意書」を締結しないまま手続きを進めることもあります。
デューデリジェンス(DD)及び企業価値算定の実施
「基本合意書」が締結されたら、弁護士・公認会計士・税理士を指名して、対象会社のデューデリジェンス(DD)(財務調査、法務調査など)を行い、会社のリスクを調査します。
買主候補者は、弁護士・公認会計士・税理士から提出されるデューデリジェンス(DD)の報告結果を待って、最終的にM&AM&Aを実行するかしないか、どのような条件を提示するか検討します。
また、買主候補者としては、公認会計士または税理士を指名して、対象会社の企業価値を算定して頂きます。
この算定価格の結果によっては、売主候補者の希望価格と条件が合わず、最終的にM&AM&Aを実行しないという判断もあります。
また、この企業価値算定価格によって、売主候補者に対して、どのような価格及び条件を提示するか検討します。
「最終契約書」の交渉及び締結
買主候補者と売主候補者との間で交渉し、弁護士法人M&A総合法律事務所も間に入って交渉を進めてゆきますが、最終的にM&AM&Aを実行する場合、最終的なM&A条件を取り決めた「最終契約書」を作成し、締結します。
クロージング
「最終契約書」に基づいて、売主により株式譲渡手続きその他のM&A実行に関する各手続きを行い、買主から売主に対して、株式譲渡対価の決済を実行します。
「最終契約書」契約日からクロージングまでは一定期間をあけるのが通常ですが、「最終契約書」契約日と同時にクロージングを実施する場合もあります。
まとめ
すなわち、どのようにM&Aの手続きを進めればよいか、その場合、どのようなメリットが生ずるか、どのようなデメリットが生ずるかについて、これらの諸般の事情を考慮して、検討することが重要です。