M&AにおけるLBOとは?仕組みやスキーム、メリット・デメリットを詳しく解説

  • 2022年9月22日
  • 2024年11月6日
  • M&A

今回紹介する「LBO」は、買い手の資金が少ない場合でも、企業買収を実施するためのM&A手法です。

この記事では、LBOとは具体的に何か、その仕組みやスキーム、メリットやデメリットなどを分かりやすく解説します。

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LBOとは

「LBO」とは、「Leveraged Buyout(レバレッジド・バイアウト)」の略称であり、M&A取引において、買い手が、金融機関から資金調達を行って企業を買収する手法のことをいいます。

LBOによるM&Aでは、金融機関から資金調達を行う金額が巨額になりますので、買い手の資産のみならず、買収対象会社の資産や将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保)とする特徴があります。

そのため、買収対象会社の信用力が高い方が、金融機関から多額の資金調達を行うことができます。

そして、買い手は、金融機関から多額の資金調達をすることにより、自己資金が少ない場合でも、巨額のM&Aを実行することができます。

LBOとMBOやEBOとの違い

LBOとMBOやEBOの違いは、買い手の違いによります。

MBOは経営陣が、EBOは従業員が、買い手となるLBOのことであり、MBOやEBOは、LBOの1手法であると言えます。

LBOの仕組み・スキーム

LBOによるM&Aでは、企業買収を目的とした金融機関からの借入れ(LBOローン)が行われます。

通常、企業が借入れを行う場合(コーポレート・ローンの場合)、金融機関は、借入れ企業の資産や信用を担保に貸付を行います。

一方、LBOローンでは、金融機関は、買収対象会社の資産や将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保)に貸付を行い、さらに対象会社が金融機関へ返済義務を負うことになります。

さらに、LBOローンでは、コーポレート・ローンよりも金利が高く設定されます。

そのため、金融機関は、対象会社の手元に潤沢な現金・預金があるか、健全で安定した企業活動により、将来的な収益が見込めるかどうかなどを慎重に精査する必要があります。

また、金融機関は、対象会社の信用リスクを早期に回避すべく、コベナンツ条項を設定します。

コベナンツ条項とは、金融機関が、LBOローンについて設定する一定の特約条項(制限や義務など)です。

金融機関が、借り手の債務不履行の可能性を早期に察知することで、早期に必要な措置が行えるようにし、信用リスクを回避・予防することを目的としたものです。

コベナンツ条項とは、具体的に、以下のような内容のものがあります。

アファーマティブ・コベナンツ(遵守義務)

月次・四半期・年次の業務報告資料や監査済決算の提出、訴訟や税務当局との協議の報告等を、金融機関へ行うことが求められます。

ファイナンシャル・コベナンツ(財務制限条項)

レバレッジ比率や、デッド・サービス・カバレッジレシオという債務返済能力を示す指標などが、一定以上であること、利益の黒字や純資産を維持すること等、融資期間中、定められた財務指標を維持することが求められます。

ネガティブ・コベナンツ(禁止義務・制限義務)

株主への配当支払い・各年度の設備投資・企業資産の売却等の制限、定款変更・組織再編成等の重要な変更・事業に関わる重要な契約変更・第三者への担保提供の禁止等、一定の行動が制限・禁止されます。

コベナンツ条項に抵触した際のペナルティ

コベナンツ条項に抵触した場合、場合によっては、期限の利益を喪失し、LBOローンの一括返済を求められます。ただ、実務上は、直ちに、一括返済を求められるのではなく、例えば、コベナンツ条項への抵触1回で金利を0.5%引き上げる、抵触連続2回でさらに金利を0.5%引き上げる、抵触連続3回で期限の利益を喪失する等、コベナンツ条項への抵触の程度に応じたペナルティが設定されるのが一般的です。

このように、金融機関は、LBOローン保全のために、融資期間中、借入れ人である対象会社の状況等を把握し、対象会社の状況に問題が生じた場合は早期に必要な措置を打てるようにしているのです。

ですので、LBOローンのリスクが高ければ高いほど、対象会社の資産や将来のキャッシュフローが乏しければ乏しいほど、コベナンツ条項は厳しいものが設定されます。

また、LBOローンでは、金融機関と対象会社との間で担保設定協定書が締結され、対象会社の全資産担保が設定されます。

金融機関が対象会社に対するLBOローンの保全を最大化すべく、対象会社のほぼ全ての資産を担保にとります。

具体的に、「全ての資産」とは、買い手が保有する対象会社の株式、対象会社が保有する子会社等の株式、不動産や設備、知的財産権、在庫や売掛債権、預金債権などが挙げられます。

ただ、実務上は、担保設定費用などの観点から、重要な資産に絞って担保が設定されることが多いようです。

LBOは、金融機関が、対象会社の状況を把握することで、対象会社の状況に問題が生じた場合は、早期に必要な措置を打てるようにできたり、対象会社の全ての資産を担保にとったり、高い金利を設定することで、通常よりも巨額でリスクの高い資金の貸付が可能となる仕組みです。

また、買い手の立場からすると、少ない自己資金であっても金融機関から巨額の借り入れを行い対象会社のM&Aを実行することができ、自己が負うリスクはあくまで自己資金の範囲内ということとなります。

LBOの流れ

ここでは、M&AにおけるLBOの流れを説明します。

SPCの設立

LBOでは、まずSPCの設立を行います。

「SPC」とは、「Special Purpose Company(特別目的会社)」の略称で、一般的な事業を行う法人とは異なり、限定された使用目的のために設立するペーパー・カンパニーのことを言います。

そのため、SPCは株式会社と合同会社のどちらでも良く、資本金が大幅に低くても特に問題ありません。

LBOでは、買い手が対象会社の株式を買い取る目的で、まずは受け皿となるSPCを設立します。

そして、SPCが金融機関からLBOローンを受けて、売り手にM&Aの対価を支払い、SPCが株式を受け取るという流れになります。

資金調達

LBOでは、買い手の自己資金と金融機関から調達したLBOローンの資金で対象会社の買収を行うのが通常です。

初めに設立したSPCが、LBOローンにより、金融機関から資金を借入れます。

ただ、SPCは、株式を買い取る目的で一時的に設立された法人なので、担保となる資産を持ち合わせていません。

そこで、金融機関は、対象会社の資産や、対象会社の将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保(対象会社に将来的な収益力があり融資の返済能力があることを担保))にしてLBOローンにより融資を行います。

金融機関がチェックするポイントとしては、対象会社に十分に資金の内部留保があるか、現金化できる資産があるか、ビジネスモデルの収益が高く安定しているか、有利子負債が少ないか、などが挙げられます。

この際に、対象会社に信用不安があると判断されるとLBOローンによる融資が難しくなるため、買い手もLBOの前に対象会社の資産や将来のキャッシュフローなどを十分に調査する必要があります。

買収の実行

SPCが金融機関からのLBOローンによる資金調達を完了し、対象会社を買収するための資金が調達できたら、SPCが対象会社のM&Aを実行します。

LBOでは、買い手が対象会社の経営権を完全に掌握できるよう、基本的にSPCがすべての株式取得を目指します。

そして、M&Aにより、SPCが親会社、対象会社が完全子会社となります。

なお、この時点では、まだSPCがLBOローンの負債を負っています。

対象会社とSPCの合併

M&Aが完了すると、対象会社を存続会社、SPCを消滅会社として、合併を行います。

この合併は、金融機関からの必要性に基づくもので、主に金融機関のLBOローンの返済原資(対象会社の資産や将来のキャッシュフロー)の確保や体操会社の金融機関への返済義務の劣後性の解消を目的としたものです。

SPCはあくまで対象会社の株式を買い取る目的で一時的に設立された法人であり、実際に返済原資となる資金を生み出すのは対象会社だからです。

対象会社とSPCが合併することで、金融機関は対象会社から返済原資を確保できるようになり、さらに対象会社の全体の資産や将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保)とすることができます。

また、金融機関はSPCに対して貸付を行ったのですから、もし対象会社とSPCが合併しない場合、金融機関と対象会社に直接の債権債務関係がなく、対象会社の他の債権者に劣後することになります。合併することで、金融機関が対象会社の直接の債権者になることができ、他の債権者に対する劣後性が解消されるのです。

合併すると、SPCが負っていた債務は全て対象会社の債務となるため、対象会社が金融機関へ返済義務を負うことになります。

借入れ金の返済

SPCと合併した対象会社は、金融機関へのLBOローンの返済を開始します。

基本的に、金融機関は、LBOローンの早期の返済を目指すため、対象会社は余剰資金などを最大限返済に充てることとなります。

先述したとおり、LBOローンの利用にあたっては、金融機関は対象会社の信用リスクを回避すべく、コベナンツ条項を設定します。

コベナンツ条項に抵触するとペナルティが課されるため、対象会社はLBOローンの返済が完了するまでは、コベナンツ条項を遵守しながら経営することになります。

買い手は、対象会社の経営改善などを行い、対象会社の企業価値を高める必要がありますが、コベナンツ条項の制約の範囲内でしかそれを行うことはできません。

LBOローンのリスクが高ければ高いほど、対象会社の資産や将来のキャッシュフローが乏しければ乏しいほど、コベナンツ条項は厳しくなりますので、LBOローンを利用する際は、優良な資産を多く保有する会社や、将来のキャッシュフローが豊富な会社を買収対象とすることが好ましいのです。

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LBOによるM&Aのメリット

ここからは、LBOによるM&Aの買い手・売り手・金融機関のメリットを説明します。

LBOによる買い手側のメリット

LBOの買い手のメリットは、少ない自己資金でもM&Aを実行できることと、M&Aによるリスクを低減できることです。

先述したように、LBOは、対象会社の資金や将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保)に、金融機関からLBOローンにより資金を調達し、最終的に対象会社がその返済債務を負う仕組みです。

つまり、買い手ではなく、対象会社が保有する資産や、事業や信用が担保となります。

そのため、買い手は、買収金額よりも少ない自己資金で買収でき、さらに返済義務も負わないので、リスクを自己資金の範囲内に抑えることができるのです。

なお、少ない自己資金で買収できるということは、レバレッジがかかっているということですので、買収後に対象会社の企業価値が向上すると、その分、M&Aのリターンが高くなるということです。

例えば、企業価値が10億円の企業を10億円の自己資金で買収し、企業価値が11億円に上がった場合、そのM&Aのリターンは10%ですが、企業価値10億円の企業を1億円の自己資金で買収し、企業価値が11億円に上がった場合、そのM&Aのリターンは100%となります。

このように、通常のM&AよりもM&Aのリターンを上げやすい点も、LBOのメリットであると言えます。

LBOによる売り手側のメリット

LBOの売り手のメリットは、通常よりも高値で株価を売却できることです。

LBOを実行する際、買い手は株式を買い取るために、LBOローンにより巨額の資金調達を行いますので、通常よりも高値で対象会社を買収することができます。

LBOによる金融機関のメリット

LBOの金融機関のメリットは、高金利で融資を行えることです。

LBOローンは、通常より高金利で設定されるのが一般的です。

LBOによるM&Aのデメリット

ここからは、LBOによるM&Aの買い手・売り手・金融機関のデメリットを説明します。

LBOによる買い手側のデメリット

LBOの買い手のデメリットは、金融機関からコベナンツ条項の制約を課せられる点、その結果、M&A後に企業価値を向上させることができなかった場合、M&Aのリターンが十分に出ないことです。

先述したように、LBOはLBOローンによる借入れを利用することで、M&A時の自己資金を抑えることができるとともにM&Aのリターンを大きくすることができる手法です。

そのため、対象会社が業績不振などで企業価値が下がった場合、通常のM&Aと比べてM&Aの損失が大きくなります。

例えば、企業価値10億円の企業を10億円の自己資金で買収し、企業価値が9億円に下がった場合、10%の損失となりますが、企業価値10億円の企業を1億円の自己資金で買収し、企業価値が9億円に下がった場合、100%の損失となります。

そのため、買い手は、M&A後は、対象会社の経営改善等により対象会社の企業価値を向上させ、M&Aのリターンを生み出さなければならないのです。

また、先述したとおり、LBOローンを利用する際、金融機関はコベナンツ条項を設定します。

コベナンツ条項とは、金融機関が、LBOローンについて設定する一定の特約条項(制限や義務など)です。

金融機関が、借り手の債務不履行の可能性を早期に察知することで、早期に必要な措置が行えるようにし、信用リスクを回避・予防することを目的としたものです。

コベナンツ条項に抵触するとペナルティが課されるため、対象会社はLBOローンの返済が完了するまでは、コベナンツ条項を遵守しながら経営することになります。

買い手は、対象会社の経営改善などを行い、対象会社の企業価値を高める必要がありますが、コベナンツ条項の制約の範囲内でしかそれを行うことはできません。

コベナンツ条項により、買収後の行動が制限されるのも買い手のデメリットであると言えます。

LBOの売り手のデメリットは、LBOローンの借入れ金利が高いことです。

先述したとおり、LBOローンの借り入れ金利は、通常よりも高く設定されます。

対象会社が、このLBOローンの返済を行うことになるのですが、対象会社は経営改善などを行い、企業価値を高める必要があり、デメリットであると言えます。

LBOによる売り手側のデメリット

LBOの売り手のデメリットは、買い手がLBOローンの審査を通らない場合は、M&A資金の調達ができませんので、対象会社を売却できず、M&Aができなくなることです。

LBOによる金融機関のデメリット

LBOの金融機関のデメリットは、対象会社からLBOローンの返済がされないリスクがある点です。

LBOローンは、通常の融資よりかなり高金利ですし、対象会社の資産や将来のキャッシュフローを担保(事業全体を担保)に最大限資金供給されていますので、対象会社が業績不振に陥った場合などは、対象会社が返済に窮することがあり、全額回収できないリスクが伴います。

そのため、コベナンツ条項などを使って、対象会社の信用リスクを回避する必要があるのです。

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LBOの成功事例と失敗事例

ここからは、過去にあったLBOの成功事例と失敗事例を紹介します。

成功事例

ソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収

2006年3月に、ソフトバンクがボーダフォン日本法人を買収しました。

この際、ソフトバンクは買収金額1兆7,000億円のうち、約1兆円についてLBOを行いました。

ソフトバンクとボーダフォン日本法人は、多額の負債を負うこととなりましたが、この買収でソフトバンクはボーダフォンの成熟したインフラ、サービス、ブランドなどを活用し、携帯電話市場への参入を成功させました。

さらに、iPhoneの発売やお得な料金プランの設定などで、ソフトバンクはさらなる成長を実現させました。

携帯事業会社は顧客からの一定の収益(将来のキャッシュフロー)が見込めることから、LBOに向いており、この買収はLBOの代表的な成功例であると言えます。

リップルウッド・ホールディングスによる日本テレコムの買収

2003年10月に、リップルウッド・ホールディングスは日本テレコムホールディングスの完全子会社である日本テレコムの固定電話部門を買収しました。

この際、リップルウッド・ホールディングスは、合計2,613億円でLBOを実施しました。

リップルウッド・ホールディングスは、自社の経営陣を日本テレコムに送り込むことで、事業を立て直し、日本の通信事業への参入を図りました。

そして、翌年の2004年に、リップルウッド・ホールディングスは日本テレコムを3,400億円でソフトバンクへ売却し、短期間で大きな利益を獲得しました。

なお、この買収によって、日本テレコムは固定電話部門を切り離し、携帯電話事業に注力したと言われています。

カーライル・グループによるDDIポケットの買収

2004年に、アメリカの投資ファンドのカーライル・グループは、京セラと共同事業体を形成し、2005年にKDDIの子会社であるDDIポケットを買収しました。

この際、2,200億円でDDIポケットにLBOを実施し、買収後はカーライル・グループが経営権を掌握しました。

その後、DDIポケットはウィルコムに商号を変更し、イー・アクセスに吸収合併された後、現在のソフトバンクに吸収合併されました。

失敗事例

ダイセンホールディングスによるさとうベネックの買収

2012年に、ダイセンホールディングスが、大手ゼネコンのさとうベネックを買収しました。

この際、ダイセンホールディングスは、投資会社であるSBIキャピタルから融資を受け、LBOを実施しましたが、結果的に約44億円以上の負債を抱えたまま黒字倒産に至りました。

元々、さとうベネックの財政状況は良く、倒産するような状況ではありませんでした。

しかし、LBOローンの返済による資金の流出により、資金繰りが悪くなり、他の金融機関などからも融資を受けることができず、買収からわずか約8か月後に経営破綻しました。

買収の対象会社には、一定以上の資産と将来のキャッシュフローが必要であり、対象会社の内情を把握しないままLBOを実施すると、このような失敗を招く可能性があります。

TPGキャピタルとレナード・グリーン・パートナーズによるJ.クルーの買収

2011年に、TPGキャピタルとレナード・グリーン・パートナーズがJ.クルーにLBOを実施しました。

元々J.クルーは、2006年に株式公開を行うなどの成長企業でしたが、リーマンショックの影響で、業績不振に陥りました。

その際、J.クルーの業績を改善すべく、TPGキャピタルとレナード・グリーン・パートナーズが約3,210億円でLBOを実施しました。

しかし、J.クルーはこのLBOをきっかけで累積負債が膨らみ、赤字転落し、約725億円の損失を出すこととなりました。

さらに、新型コロナウイルスの影響により、他社よりデジタル戦略が遅れたことで、結果的に破産法申請を行うに至りました。

投資家ミュエル・ゼルによるトリビューンの買収

2007年12月に、アメリカの投資家であるミュエル・ゼルが、アメリカの大手新聞社のトリビューンを買収しました。

この際、トリビューンの資産を担保に約7000億円でLBOを実施しました。

しかし、LBOローンを返済することができず、2008年には約1兆2,000億円の負債を抱え、日本でいう民事再生を行うことになりました。

利益の出ていない企業にLBOを実施したことで、有利子が膨らみ破綻に至った事例であると言えます。

KKRによるマニエッティ・マレリの買収

近年話題となっている事例としては、KKRによるマニエッティ・マレリの買収が挙げられます。

2019年にアメリカの投資ファンドのKKRが子会社であるカルソックカンセイを通じて、自動車部品メーカーのマニエッティ・マレリにLBOを実施しました。

この買収により、マレリが新会社として設立し、国際的な部品メーカーの誕生となりました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大や、半導体不足による自動車の減産などが重なり、思うように収益を伸ばせず赤字が続きました。

さらに、LBOローンにより、多額の返済が必要となったことから資金繰りが苦しくなり、最終的に多額の負債を抱え経営破綻となりました。

2022年7月には、裁判所に簡易再生を申請し、再生計画案が可決されたと報じられました。

まとめ

LBOは、資金力が少なくても、M&Aを実行でき、大きなリターンを得られる可能性のあるM&A手法です。

しかし、買収対象企業の経営改善ができなければ、M&Aのリターンを得られず、逆に、多額のLBOローン返済が重い負担となるリスクがあるなど、注意すべき点もあります。

また、一般的なM&Aと比べて、複雑です。

LBOの利用にあたっては、まずはM&A取引に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

豊富な知識や経験を持ち合わせた弁護士に依頼することで、相談から成約まで適切なサポートを受けることができます。

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