M&A売却の適切なタイミングは?

  • 2018年10月7日
  • 2024年10月27日
  • M&A

M&A売却の適切なタイミングは?

M&Aや会社売却においては、タイミングが非常に重要です。

タイミングを誤ると、売却価格が半分になってしまうこともあります。逆にタイミングが良いと想定外に高く売却できたりします。

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例えば、オーナー経営者に突然健康問題が発覚した場合。

この場合は、オーナー経営者としては、早期に事業の売却を迫られます。健康問題によりオーナー経営者が事業に関与する度合いが低下してきますが、そうしますと収益性が悪化したり、売上が伸び悩んだり、事業価値が低下してゆきます。オーナー経営者としては事業価値が低下する前に売却する必要がありますので、早期の事業の売却が必要となります。しかし、買主候補企業としては、直ちに買収する必要はありません。

勿論、早く買収することができるに越したことはないですが、健康問題を抱えたオーナー経営者に比べると急いでM&Aをする理由は無いのです。そこで自然と健康問題を抱えたオーナー経営者は売り急がざるを得なくなります。すると当然、M&A条件や会社売却条件は悪化してゆきます。

オーナー経営者としては健康問題が発覚した場合は速やかに動く必要があります。健康問題が存在していたとしても何年かは大丈夫でしょう。その間に適切に対応することにより、適切なM&A条件や会社売却条件で会社を売却することができます。

また、業界再編が進行中の業界も考慮が必要です。

調剤薬局や飲食業、介護福祉事業や医療など、現在、業界再編が進行中の会社についても、いつまでも業界再編は続きませんので、状況の見極めが重要となってきます。

業界再編が進行中の場合、買主候補企業も売主候補企業も多く存在しますのでM&Aや会社売却が多く発生します。そのうち、M&Aや会社売却により巨額の資産を形成したオーナー経営者の話などが出てきます。

また、業界再編が進行し、売主候補企業が少なくなってゆきますので、M&A価格や会社売却価格も高騰してゆきます。たいていのオーナー経営者はまだまだ高騰するだろうと考えて売り惜しみします。この時になるといろいろな買主候補企業やM&A業者からもアプローチがあり引く手あまたです。

むしろご自身でM&Aをして会社を買収しようかとも思ってきます。しかし、再編は永久には続きません。業界大手企業が出現し、一定程度の寡占化が進行したところで業界再編はピタッと止まります。なぜなら、業界大手企業は規模の利益を実現しそれ以上買収する必要が無くなってしまうのです。

このような段階になってから会社を売却しようとしても高額でM&Aや会社売却することはできません。売り時を見誤った典型的なケースとなってしまいます。

M&A総合法律事務所では、皆様が会社の売り時を間違えないよう、局面局面で適切に情報提供させて頂きます。

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またオーナー経営者の事業意欲も重要です。

オーナー経営者の事業意欲が下がると、そのうち業績も下がってきます。早い段階で、能力と意欲のある企業・経営者に経営をゆだねることは有力な選択肢です。

弁護士法人M&A総合法律事務所で企業価値算定をした会社で、2-3年前であれば2倍くらいの価格でM&Aや会社売却を行うことができたであろうという会社が多数あります。いずれもオーナー経営者の事業意欲がピークを打ってしまったのです。その後順調に売り上げや収益が低下してゆき、2-3年で半分の事業価値になってしまったのです。オーナー経営者が事業にあまり関与しなくなった口出ししなくなったというのも一つの大きな要因です。

当事務所では、このような場合、オーナー経営者に再度現場復帰して頂き、1-2年経営をして頂くようお勧めすることがあります。オーナー経営者は2-3年前にそれだけの事業価値を創出されていたわけですから、再度現場復帰頂けばその事業価値を再現できる可能性があるのです。しかし、再現できない可能性もありますが、そのような再挑戦をしないまま半分の事業価値で会社を売却する程悔しいことはないと思います。

また、景気の良いときは会社の売り時です。

ご存じのとおり、好景気は長くは続きません。好景気は意外に突然終了するのです。リーマンショックしかり、ITバブル崩壊しかりです。その直前まで非常に景気が良かったのに、突然景気が悪化しました。

また、景気の良いときしか買主候補企業は出現しません。現在、買主候補企業が多く存在しているからと言って、数か月後には胡散霧消している可能性もあります。実際、リーマンショック後、M&A業者には会社の売却の話が集中し、他方、会社を買収したいという会社は皆無で、M&Aはほとんど成立しませんでした。このような景気の波は誰にも予想ができません。

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他方、寡占化が究極的に進んだ場合など、会社は思いのほか高く売れます。

近時では、JTが自動販売機の日本ビバレッジをサントリーに売却した件がありますが、売却価格が非常に高値になったことは記憶に残っています。大きく報道されるケースは、ほとんどがこのような寡占化が究極的に進んだ場合です。

寡占化が進行し、業界内のプレイヤーが減少していますので、買収に成功した会社はさらに寡占化できる反面、買収できなかった会社は寡占市場における零細企業に成り下がってしまいますので、どの会社も必至であり、寡占市場で生き残るためには、割高な価格であってもM&Aで買収せざるを得ません。そこで買収できなかった場合は、その次の段階でその会社に買収されてしまうかもしれません。

しかし、このようにM&A価格や会社売却価格を大きく吊り上げることができるのは業界にプレイヤーが数社と言った寡占化が究極的に進んだ場合のみであり、多くのケースではこのようなことは起こりません。

技術、顧客、ブランド、許認可、商圏等がある場合

その他、技術、顧客、ブランド、許認可、商圏等を高く評価する買主候補企業がある場合も会社は思いのほか高く売れます。

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