M&Aアドバイザーのサービス内容とメリット・デメリット及び選定方法!

  • 2019年12月10日
  • 2024年8月18日
  • M&A

企業が競争力を高めていくために、M&Aを行うことがあります。M&Aは企業の買収・合併のことを指すのですが、正しい知識に基づいて手続きを進めていかなければ成功しません。経営戦略の一環でM&Aを行う企業が増えていますが、簡単に成功するわけではないことに注意が必要です。やみくもに手続きを進めるのは避け、専門知識を持っているM&Aアドバイザーに相談することが欠かせません。また、買収・合併と一口に言っても、取りうる方法が1種類というわけではないのです。企業によって適切な方法は異なっているため、どのような方法が最適なのかを考える必要があります。

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M&Aアドバイザーとは

M&Aアドバイザーは、企業がM&Aを行う際の一連の手続きをサポートする役割を担っています。名称は必ずしも統一されているわけではなく、M&Aコンサルタント・ファイナンシャルアドバイザー・M&A仲介業者などと呼ばれることもあります。ただし、名称は異なっていたとしても、取り扱っている業務は基本的に同様のものです。

専門知識は不可欠だが資格は不要

M&Aアドバイザーの果たす役割は重要ですが、弁護士・司法書士などとは異なり特別な資格を取得している必要はありません。したがって、所定の知識・スキルさえ身につければ誰でも業務に携わることができます。日本においては、主に金融機関が携わっています。法律事務所や税理士事務所の中にもM&Aアドバイザー業務を手がけるところがあるので、依頼する相手を探すときは複数の選択肢を比較することが大切です。

M&Aに関する資格としては、事業継承・M&Aエキスパート、M&Aスペシャリスト資格など複数の種類があります。資格不要の業務であるとはいえ、当然ながら資格を取得している方が信頼性は高いです。M&Aアドバイザーに依頼する際は、資格を取得しているかどうかという点も大きな判断材料になります。

M&Aをスムーズに行うために求められる知識は非常に多いため、誰でも簡単に行えるようなものではありません。財務・法務・労務をはじめ、広範囲にわたる専門知識を持っていることが前提となります。また、企業の買収・合併を行うものなので、他の企業と本格的な交渉を進めるためのコミュニケーション能力も欠かせません。

M&Aを行う際にM&Aアドバイザーに依頼する義務はないため、経営者が自ら専門知識を習得して手続きを取ることも不可能ではないわけですが、当然のことながら長い期間を費やすことになります。M&Aは短期間で結果を出すことが求められるため、これでは失敗してしまう可能性が高いです。スムーズに手続きを進めたいのであれば、早い段階でM&Aアドバイザーに相談することが望ましいです。

2つの形式

M&Aアドバイザーは、M&Aに関する専門知識・ノウハウを熟知しているだけでなく、市場の情報を効率よく収集する能力や、必要な資料をスムーズに作成する能力なども身につけています。したがって、M&Aアドバイザーに相談しながら手続きを進めれば、何か分からないことが出てきた場合でも速やかに解決することができます。万が一、途中で予想外のトラブルが起こってしまったとしても、冷静に対処することが容易になるため安心して行動できるのです。

M&Aアドバイザーにはアドバイザリー形式・仲介形式という2種類があるので、両者の違いを理解しておくことが大切です。実際にM&Aアドバイザーへの依頼をする場合、どちらのタイプに依頼するべきなのかを考える必要があります。必ずしもどちらか一方が優れているとは限らないため、慎重に比較してから決めるのが望ましいです。大きな違いは、売り手側・買い手側にそれぞれ別のM&Aアドバイザーがつくのか、同一のM&Aアドバイザーが売り手側・買い手側を仲介する形を取るかです。

アドバイザリー形式

売り手側・買い手側にそれぞれM&Aアドバイザーがつくのが、アドバイザリー形式の大きな特徴です。自分の側に専属のM&Aアドバイザーがいるため、自社にとって有利な条件で交渉を進めてもらえる可能性があります。ただし、相手側もできるだけ有利になることを望んでいるため、交渉に長い時間がかかりやすくなる点がデメリットです。M&Aアドバイザーの報酬体系は成功報酬になるケースが多いですが、月額制を採用している場合、交渉が長引けば長引くほど支払う報酬金額が高くなってしまいます。

仲介形式

仲介形式で依頼する場合、同一のM&Aアドバイザーが売り手側と買い手側を仲介する役割を担います。M&Aアドバイザーが双方の状況を把握しているため、スムーズに交渉を進めていける点がメリットです。ただし、実際に行う作業は双方の利害を調整して妥協点を見つけることなので、アドバイザリー形式で依頼するよりも条件面では不利になってしまうリスクがあります。なかなか妥協点が見つからず、いつまでも交渉が続いてしまう可能性も少なくありません。交渉が長引けば報酬金額が高くなる点は、アドバイザリー形式と同様です。

利益相反に注意

欧米におけるM&Aアドバイザーは、利益相反を防止するためにアドバイザリー形式が中心となっていました。これに対し、日本においては仲介形式を選ぶケースが多かったのですが、次第にアドバイザリー形式を選ぶケースが増えてきました。M&Aアドバイザーは証券会社などの金融機関が担当するのが一般的なのですが、現在の日本では金融庁の傘下にある金融機関が仲介形式でM&Aアドバイザーを引き受けることはありません。

もちろん、アドバイザリー形式が絶対に優れているというわけではなく、仲介形式だからといって必ずしも利益相反になるとは限りません。先入観にとらわれず、しっかりと比較してから決めることが重要です。

報酬体系

一般的には成功報酬を基本とする報酬体系になっています。ただ、言うまでもなく完全な成功報酬ではM&Aアドバイザーにとってのリスクが極めて高いです。長い時間をかけて尽力しても報酬を受け取れる保証がない状況では、M&Aアドバイザーが安心して業務に従事することができません。結果としてM&Aがうまくいかなかったり、必要以上に時間がかかってしまったりする可能性が出てきます。M&Aはスピードが重視されるため、成功報酬に加えて一定のリテイナー報酬を取り入れた報酬体系にすることもあります。

リテイナー報酬は月額固定の金額を設定して支払うもので、月額100万円から300万円程度が相場です。依頼する側にとっては成功報酬のみの方が負担を抑えられるわけですが、M&Aアドバイザーの立場も考慮し、リテイナー報酬を支払う契約にしておいた方がM&Aの成功可能性が高まると考えられています。

成功しなければ報酬が受け取れない契約の方が、M&Aアドバイザーが真剣に取り組むように思われますが、必ずしもそうではありません。たとえば、最終段階で失敗してしまえば積み重ねてきた努力が全て無駄になるため、無理だと感じた時点で手続きを中止してしまう可能性もあるのです。その段階で新たなM&Aアドバイザーを探すのでは、M&Aを短期間で成功させるという目的を達成することができません。リテイナー報酬を余分に支払うようにすれば、このようなリスクを回避することができるのです。

M&Aアドバイザーのサービス内容は

M&Aを行う企業が増えてきているとはいえ、M&Aアドバイザーがどのようなサービスを提供しているのかを理解している人は少ないものです。なんとなくM&Aに関するサポートが受けられることは分かっていても、具体的なサービス内容までは分かっていなかったりします。

M&Aアドバイザーに依頼するに当たっては、どのようなサービスが受けられるのかを知っておくことが大切です。サービス内容が理解できると、どのような点に気を付けてM&Aアドバイザーを選べばよいかが分かるようになり、M&Aアドバイザー選びでの失敗を減らすことができます。アドバイザリー形式・仲介形式のいずれの場合でも、M&Aアドバイザーが提供するサービス内容に大きな違いはありません。

身につけているスキル

M&Aアドバイザーは、M&Aに関する専門家として業務に従事しています。したがって、M&Aについて幅広い知識を持っていることが大きな特徴です。どのように契約交渉を進めていけばよいか、M&Aを実行する上で欠かせない知識、長年にわたって培ってきたノウハウなどがあります。M&Aに関する依頼を受けたときは、持っている知識を最大限に活用し、依頼者にとっての利益が最大になるように努力をします。

もちろん、既存の知識を活用するだけではありません。M&Aを行う際は他の企業とのやり取りが発生するため、交渉力・情報収集力なども不可欠です。独自のネットワークを通して、売り手・買い手に関する情報や株価に関連した情報を集めています。

とりわけ重要なのは、M&Aを行う際の相手方とのコミュニケーションを図る場面です。売り手・買い手となる企業の経営者が相手のところに行って直接やり取りするのではなく、M&Aアドバイザーに調整を任せるのが基本になります。高いコミュニケーション力を持っているM&Aアドバイザーに依頼すれば、スムーズに交渉を進められる可能性があります。

M&Aが初めての依頼者でも安心

M&Aアドバイザーは、M&Aに関する手続きの全般に携わります。依頼者との間でアドバイザリー契約を締結すると、本格的にM&Aを進めていく準備に入ります。M&Aの相手企業を探すところから始まり、最終的にM&Aの合意に至るまで対応するのです。

日常の企業活動でM&Aを行う機会はないため、たいていの依頼者はM&Aを初めて経験します。そのため、最初にM&Aについて詳しく説明することや、依頼者が抱えている悩み・疑問点を解消することも業務に含まれます。依頼者が安心感を持つことができれば、それだけM&Aの手続きをスムーズに進められるようになるのです。

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利益の最大化

M&Aアドバイザーは、依頼者の利益最大化を図るために行動します。買い手・売り手の双方にとって最大の利益を出せるのが理想です。ただし、アドバイザリー形式で業務に従事する場合は、依頼を受けた側にとっての利益最大化を中心に考えていきます。仲介形式の場合は、双方の利害をうまく調整する形で業務に臨むのが基本です。

ただし、利益最大化を図るといっても、買い手側と売り手側とでは考え方に違いがあります。どのような点を意識して利益最大化につなげるのかを知っておくことが大切です。

買い手側の利益

買い手側にとっての利益最大化を図るためには、買収価格とM&A後の相乗効果について考える必要があります。M&Aを考えている企業は、どのくらいの金額で買収したいか予算を決めています。その予算をM&Aアドバイザーに伝えることで、M&Aアドバイザーは予算の範囲内で買収できる相手を探すのです。この相手探しが簡単にできるのならM&Aアドバイザーに依頼しなくてもよいわけですが、実際には難しい作業になることに注意が必要です。

やみくもに相手を見つけただけでは、買収した後の業務を効率的に進めることはできません。取り組んでいる事業との相乗効果が出せる相手を見つけることで、M&Aを成功させることが可能になるのです。M&Aアドバイザーは相手を探す際には相乗効果を意識しています。

売り手側の利益

M&Aの売り手になろうとする企業は、後継者がいないために事業を継続するのが困難になっていることが多いです。経営手腕に不安のある後継者に事業を任せてしまうと、あっという間に経営破綻に陥ってしまう可能性があります。その点、M&Aを行うことで良い買い手を見つけることができれば、後継者問題が一気に解消するメリットが生まれます。

M&Aアドバイザーが売り手側の利益最大化を図る場合は、売却価格と売却後の条件を考慮します。売却価格は買い手側にとっての買収価格と同じなので、この点については買い手側・売り手側で考え方が変わるわけではありません。したがって、売却後の条件について考えることが重要です。

売り手側になるからといって、通常は事業を終わらせたいと考えているわけではありません。少なくとも、従業員の雇用が従来通り維持されることを望んでいます。経営者自身で買い手と交渉すると、相手の要求次第では従業員の雇用が守られないリスクがあります。M&Aアドバイザーに依頼して買い手を探せば、従業員の雇用を守れる相手を見つけてもらえる可能性が高いです。

資料・スケジュールの作成

M&Aアドバイザーは、M&Aを行う上で必要になる資料を作成する業務にも携わります。企業の経営で作成する書類とは異なるものも多いため、経営者自身で作成するのは困難です。M&Aアドバイザーの専門知識を活かすことが欠かせません。また、一般の経営者はM&Aにかかる期間を予測するのが難しいですが、さまざまな企業のM&Aに携わってきたM&Aアドバイザーなら期間の見通しを立てられるため、適切なスケジュールを作成することができます。

どの段階で何をするべきなのかが分からないと、M&Aの手続きでの負担が大きくなり、本業に支障が出てしまいます。しかし適切なスケジュールに基づいて行動すれば、本業への影響を最小限に抑えられるのです。

交渉と契約

M&Aアドバイザーのサービス内容でとりわけ重要なのが、相手方との交渉をして契約締結につなげることです。買い手・売り手のいずれの立場でも、自分で交渉相手を見つけることは容易ではありません。相手が見つかったとしても、自分の利益を最大化させられる契約にはつながらなかったり、交渉に長い時間がかかったりして、結果として損をする可能性が高いです。効率よく相手との交渉を進めるためには、専門知識を持ったM&Aアドバイザーに依頼することが必要です。

M&Aアドバイザーを選任するメリット・デメリット

M&Aアドバイザーに依頼すると、手数料・報酬などの支払いが発生します。費用の負担を抑えたい場合、M&Aアドバイザーに依頼しない方がよさそうだと思われますが、実際には依頼した方が得になるケースが多いです。一般企業の経営者は、経営に関する知識・スキルに関しては豊富に持っていますが、M&Aに関しては素人同然です。そのため、自分でやろうとすると失敗してしまう可能性があります。

ただし、M&Aアドバイザーなら誰でもよいわけではないので、依頼する前によく検討しなければなりません。依頼することによるメリットとデメリットを比較することが大切です。

M&Aアドバイザーを選任することの重要性

M&Aを行っている企業が増えているのを見て、自社でもやろうと考えることがあります。経営戦略に自信がある経営者の場合、日常の業務と同じようにM&Aも成功させられるだろうと考えがちですが、日常の業務のようにはいかないのがM&Aの難しいところです。大規模なM&Aではない場合は自力で成功させられる可能性もあるのですが、M&Aアドバイザーを選任する方が成功確率を高められます。自分でM&Aを行うかどうかで迷っている場合、M&Aアドバイザーに相談してみて、M&Aの流れの説明を受けてみるとよいです。たいていの場合、依頼した方が得になることが分かります。

選任するメリット

M&Aアドバイザーを選任することには大きなメリットがあるため、多くの経営者がM&Aアドバイザーを選任しています。もっとも大きなメリットは、買い手・売り手のどちらの立場であっても希望する条件を満たしやすくなることです。自力で相手と交渉することも不可能ではありませんが、相手の交渉力が自分よりも優れている場合、相手側のペースで話が進んでしまい、結果的にM&Aを行うことで損をしてしまいます。専門知識を持っているM&Aアドバイザーを選任すれば、自分が希望している条件をしっかりと相手方に伝え、適切な交渉を進めることができます。

選任するタイミング

どの段階でM&Aアドバイザーを頼るかについては、なるべく早い段階で頼るのが望ましいです。自分でできるところまでやってみて、無理だと思った時点でM&Aアドバイザーに相談するというのでは、相談を受けたM&Aアドバイザーとしても対応が難しくなります。M&Aアドバイザーの仕事は相手方との交渉・契約だけではなく、相手を探すところも含まれているのです。最初から相談していれば、適切な相手を見つけてスムーズに交渉に入ることができます。

M&Aを行うかどうか検討している段階で、企業価値を正確に算出したり、必要な書類を作成したりすることが不可欠です。さまざまな情報を集めた上で、どのようにM&Aを行うかを決めることになります。M&Aアドバイザーを選任すれば、あらゆる段階で専門的なアドバイスを受けることができるのです。M&Aを成功させやすくなるだけでなく、途中の段階で抱える精神的な負担を軽減させられるメリットにもつながります。

普通の経営者にはない専門知識

一般の経営者でも、M&Aについて一定の知識を持っていることも多いです。しかし、その程度の知識だけで適切な手続きを取ることができるとは限りません。M&Aの規模が大きくなればなるほど、必要とされる知識の種類も増えてきます。たとえば法律・税務に関する専門知識、契約書作成についての専門知識です。これらの知識を豊富に身につけているM&Aアドバイザーに相談すれば、何か不測の事態が発生してしまったとしても適切な対応ができます。

M&Aアドバイザーは、M&Aに関する知識だけが豊富なわけではありません。これまでに携わってきたM&Aの経験を活かし、依頼者の利益を最大化させるように努めていきます。

選任するデメリット

メリットが大きいM&Aアドバイザーですが、やみくもに選任してしまうと後悔する可能性もあります。まず、M&Aアドバイザーによって知識・経験に大きな差があることに注意しなければなりません。十分な経験を積んでいるM&Aアドバイザーを選任することでM&Aが成功しやすくなるのです。M&Aアドバイザーと正式な契約を結ぶ前に、どのような経験を積んできたのか、十分な知識を身につけているのかを確認しなければなりません。

未熟なM&Aアドバイザー

未熟なM&Aアドバイザーを選任してしまうと、微妙な対応が求められる場面で不適切な対応をされてしまい、相手との交渉が決裂することもあります。また、M&Aを成功させるためには多くの資料を収集しなければならないのですが、十分な資料が揃わないまま手続きを進めてしまうと、途中で新たに資料を揃える手間がかかるなど、無駄な時間を費やすことにもなりかねません。M&Aはスピード勝負の面もあるため、余計な時間をかけることでチャンスを逃すリスクが生じます。

情報の保護

とりわけ注意しなければならないのは、M&Aアドバイザーが法律順守の意識を持っているかどうかです。M&Aでは自社の利益を守りながら交渉するため、途中で情報が漏洩してしまうことは絶対に防がなければなりません。法律順守に努めているM&Aアドバイザーを選任しないと、重要な情報が守られない可能性があり、結果としてM&Aの失敗につながります。

料金の負担

M&Aアドバイザーを選任すると、手数料や報酬を支払う必要があります。成功報酬の契約であればM&Aが失敗したときの負担はないのですが、一定のリテイナー報酬を支払う契約にすることが多いので、たいていはM&Aの成否にかかわらず負担が発生します。費用を抑えたい経営者にとって、M&Aアドバイザーに支払う費用の負担はデメリットの1つだと考えられるわけです。

責任の所在

最大のデメリットになりうるのが責任問題です。これは、どれだけ優れたM&Aアドバイザーに依頼しても生じる問題だといえます。M&AアドバイザーはM&Aが成功するように最大限の努力をしますが、確実に成功する保証はありません。希望どおりの結果が出れば責任問題は発生しないわけですが、思っていたのと違う結果になってしまったり、M&Aが頓挫したりした場合、どこに責任があるのかが問題になるのです。

依頼者としては、専門家のM&Aアドバイザーが責任を負うべきだと言いたくなりますが、通常はM&Aアドバイザーが責任を負うことはありません。契約段階で、M&Aアドバイザーが責任を負わないという旨の同意をするのが普通です。責任の所在が曖昧になりやすい点を理解しておく必要があります。

M&Aアドバイザーの選定方法

M&Aアドバイザーを選任することが大切だと分かっていても、選定の方法を間違えてしまえば意味がありません。適切なM&Aアドバイザーを見つけるためには、どのように選任すればよいかを知っておくことが不可欠です。

依頼先の決め方

M&Aアドバイザーは、誰もが同じような業務に携わっているわけではありません。依頼先によって、得意分野が異なっていることに注意が必要です。銀行などの金融機関がM&Aアドバイザー業務を取り扱っていることが多いですが、他にも依頼できるところはあります。

金融機関

継続的な取引がある金融機関は、最初から自社に関する情報を熟知しています。そのため、M&Aの相談をする際に詳しい説明をする必要がありません。スムーズに相手探しに入ることができるのです。金融機関が取引している企業の中から探してもらえば、トラブルに巻き込まれるリスクを軽減させられるメリットがあります。

ただし、当然のことながら取引のない企業に関する情報は持っていないため、取引のある企業から適切な相手を見つけられない場合、なかなか手続きが進められないのがデメリットです。

税理士事務所・法律事務所

これらの事務所は、M&A以外の知識・経験が豊富にあるため、安心して相談することができます。新たな事務所を見つけて依頼するのは大変ですが、既に税務相談や法律相談をしている事務所がある経営者の場合は依頼しやすいです。ただし、あらゆる事務所がM&Aに携わっているわけではないため、十分な経験を積んでいるかを確認しなければなりません。

アドバイザリー形式・仲介形式

M&Aアドバイザーには2つのタイプがありますが、多くはアドバイザリー形式を取っていて、買い手・売り手のどちらか一方につく形になります。ただし、中小企業のM&Aでは仲介形式を取っていることも多いので、依頼する前に確認することが大切です。

 

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優良な相手探し

ここで優良というのは、単に人間性・人柄が優れているということではありません。M&Aに関する十分な知識を持っていることを前提として、自分が依頼するのに適しているかを考えることになります。知識が足りていなければ話にならないのですが、豊富な知識があるだけで適切な手続きを取ることができるわけではありません。これまでにM&Aを多く経験しているM&Aアドバイザーほど、安心して依頼できると考えられます。

知識・経験の確認

正式な契約を結ぶ前に、M&Aアドバイザーとよく話し合う必要があります。自社が希望しているようなM&Aを経験したことがあるM&Aアドバイザーなら、無駄な時間をかけずにM&Aを完了させられる可能性が高いです。また、大手のM&Aアドバイザーだから安心だと思ってしまうのは早計です。会社としては豊富な経験があったとしても、自分のM&Aを担当するアドバイザーは未熟だということも考えられます。

対応について確認

M&Aアドバイザーは、依頼者の利益を最大化させるために行動するのが原則です。しかし慈善事業を行っているわけではないため、M&Aアドバイザー自身の会社の利益を増やすことも考えています。依頼者の利益をどこまで優先してくれるかを確かめることが大切です。依頼を引き受けた以上、露骨に手を抜くM&Aアドバイザーは基本的にいませんが、契約内容に含まれている対応以外には力を入れないM&Aアドバイザーもいます。

専門知識・資格の確認

優良かどうかを判断するポイントの1つに、どのような専門知識を持っているかという点が挙げられます。M&Aアドバイザーだからといって、あらゆる分野のM&Aに強いとは限りません。特定の分野に関しては誰にも負けない知識・経験があっても、他の分野については不慣れということがあるわけです。当然ながら、自社の業種に関するM&Aを多く経験している相手に依頼するのが基本になります。

また、M&Aアドバイザーの業務を行う上では特に資格が必要ないわけですが、資格を取得しているかを確認することは重要です。M&Aアドバイザーに関する資格は誰でも簡単に取得できるものではないので、資格を取得しているということは、それだけ努力をするM&Aアドバイザーだという証だといえます。

M&Aアドバイザーの会社のウェブサイトなどで、どのような分野に強いかが分かることも多いです。ただし、ウェブサイトで得られる情報だけでは正確なことが分からないものです。最適なM&Aアドバイザーを見つけるためには、実際にM&Aアドバイザーに相談してみて、どのような相手なのかを確かめることが欠かせません。

まとめ

M&Aを成功させるためには、適切なM&Aアドバイザーに依頼することが何よりも大切です。自分の力だけでM&Aがうまくいくと考えてはいけません。小規模なM&Aなら自力で何とかなりそうな気もしますが、早い段階で専門のM&Aアドバイザーに相談する方が結果として得になるものです。

どのような分野に強いのか、十分な経験・知識を持っているのかを確かめ、自社の利益を最大化させてくれるM&Aアドバイザーを見つける必要があります。適当に選んでしまうと、自力でやった方がよかったということにもなりかねません。

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