投資契約書のポイントとメリット・デメリットを解説!!投資契約書のフォーマットも掲載

投資契約書のフォーマット

M&A総合法律事務所のM&A関連書面はメガバンクや大手M&A会社においても、頻繁に使用されています。
ここにM&A総合法律事務所の投資契約書のフォーマットを掲載しています。
M&A案件は個別具体的であり、このまま使用すると事故が起きる可能性もあり、実際のM&A案件の際には、M&A総合法律事務所にご相談頂くことを強くお勧めします。

なお、詳細な解説につきましては、以下の弊所書籍「事業承継M&Aの実務」をご覧ください。

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投資契約書

株式会社●●●●(以下「投資者」という)と株式会社▲▲▲▲(以下「発行会社」という)および■■■■(以下「経営株主」という)は、投資者が発行会社の発行する普通株式(以下「発行会社株式」という)を取得するにあたり、以下のとおり、投資契約を締結した。

第1条(本件株式の発行および取得)

発行会社は、●●●●年●月●日開催の取締役会決議および●●●●年●月●日開催の臨時株主総会の特別決議に基づき、投資者に対して新株式(以下「本件株式」という)を割り当てて発行し、投資者は、本件株式を1株につき金●●●●円の発行価額で●●●●株引き受ける。

第2条(払込手続)

1.本件株式の払込期日は●●●●年●月●日とする。第5条その他の本契約の条項に従い、投資者は、発行会社の指定する株式会社  銀行  支店に開設される普通口座への振込送金の方法により、その引受ける本件株式の発行価額総額を払込期日(●●●●年●月●日)に支払う。

2.本条1項により投資者が払込をした場合、発行会社は、払込期日後1ヶ月以内に投資者に本株券を交付する。

第3条(発行会社および経営株主による事実の表明および保証)

発行会社および経営株主はそれぞれ、投資者に対し、本契約締結日および払込期日において、本契約の締結および発行会社への投資の重要な基礎として本条に定める以下の事実を真実かつ正確であることを表明し保証する。

1.発行会社は、適用ある法の下で適法に設立されており、本契約の締結および義務の履行ならびに本契約に基づく本件株式の発行について、必要な能力および権限を有し、かかる発行を行うために必要な内部手続をすべて完了しており、かつ、かかる締結、履行および発行が発行会社の定款もしくはその他一切の諸規則または自己が当事者である契約に違反せず、またかかる締結、履行および発行につき必要な許認可、届出等の手続が完了しており、何らかの条件が付されている場合にはかかる条件に違反しないこと。

2.経営株主は、本契約の締結および義務の履行について、必要な能力および権限を有し、自己が当事者である契約に違反せず、また、かかる締結および発行につき必要な許認可、届出等の手続が完了しており、何らかの条件が付されている場合はかかる条件に違反しないこと。

3.発行会社が投資者に対し、交付した文書に記載されている事項は真実かつ正確であり、かつ、当該書面は誤解を生じさせないために必要な事実の記載を欠いていないこと。

4.投資者が発行会社から受領した決算書類および直近の月次決算書は、法令および定款に適合して、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成され、発行会社の財政状態および経営成績を適正に表示しており、かかる書類に記載されていない重要な簿外取引または債務(確定しているか偶発かを問わない)は存在せず、また発行会社の経営、財政状態、経営成績、信用状況等に重要な悪影響を及ぼすべき後発事象が発生していないこと。

5.発行会社の経営、財政状態、経営成績、信用状況等に悪影響を及ぼすべき裁判その他の法的手続または行政・税務その他の手続は現在係属しておらず、またそのおそれもないこと。

6.発行会社、経営株主、発行会社および経営株主の特別利害関係者、ならびに発行会社の株主および取引先等が、発行会社および経営株主の承知する限りにおいて、反社会的勢力またはこれに準ずるもの(以下「反社会的勢力等」という)ではないこと、反社会的勢力等に資金提供もしくはそれに準ずる行為を通じて反社会的勢力等の維持、運営に協力または関与していないこと、また、反社会的勢力等と交流をもっていないことをここに確約する。さらに、将来においても発行会社および経営株主は反社会的勢力等と一切関係を持たないことをここに確約する。なお、本契約において、特別利害関係者とは、役員(役員持株会を含む)、その配偶者および二親等内の血族、これらの者により発行済株式数の過半数が所有されている会社、ならびに、関係会社およびその役員をいうものとする。

7.発行会社が投資者に対して交付する書面または提供する情報に個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という)第2条第1項に定義される個人情報が含まれる場合には、発行会社は本人の同意の取得その他個人情報保護法により必要とされる一切の措置を講じなければならないものとする。

8.発行会社および経営株主による本条における事実の表明および保証、ならびに本契約締結に関して発行会社および経営株主が交付する書面および提供する情報は真実かつ正確であり、誤解を生じさせないために必要な事実を欠いていないこと。

第4条(投資者による事実の表明および保証)

投資者は、本契約の締結の重要な基礎として、本契約締結日において、本契約の締結およびその義務の履行について、必要な能力および権限を有し、かかる締結および履行に必要な内部手続をすべて完了しており、その定款もしくは諸規則または自己が当事者である契約に違反せず、また、かかる締結および履行をするために必要な許認可、届出等の手続を完了しており、何らかの条件が付されている場合はかかる条件に違反しないことを、発行会社および経営株主に対し表明し真実であることを表明し保証する。

第5条(前提条件)

投資者の払込期日における払込義務は、投資者がそれぞれ書面により放棄しない限り、以下のすべての条件が充足されることを条件とする。

1.発行会社および経営株主の第3条における事実の表明および保証ならびに本契約締結に関して発行会社および経営株主が交付した書面および提供した情報が、払込期日現在においても、真実かつ正確であり、誤解を生じさせないために必要な事実を欠いていないこと。

2.本契約締結日以後払込期日までに、発行会社の経営、財政状態、経営成績、信用状況等に重要な悪影響を及ぼす事態が発生していないこと。

3.発行会社および経営株主が本条第1項および第2項の事実を添付別紙の書式(確認書)にて確認し、投資者に交付すること。

4.発行会社および経営株主が払込期日までに以下の書面を投資者に交付し、投資者が受領したこと。

(1)定款(発行会社による交付日現在の原本証明付き)

(2)本契約締結直前の商業登記簿謄本(または登記事項全部証明書)およびその代表印にかかる払込期日前1ヶ月以内に取得した印鑑登録証明書

(3)発行会社の直近3事業年度分の決算書類、監査役の監査報告書および公認会計士の監査または調査報告書、ならびに直近の月次決算書

(4)直近の株主名簿

(5)最新の事業計画書(収支計画書を含む)

(6)発行会社の組織図および企業集団の概況図

(7)発行会社と関連当事者との間の取引の概要書

(8)発行会社の全発行済み株式の一覧表

(9)発行会社と既存株主との間の契約およびその他の合意に関連して、投資者の本契約上の、または株主としての権利または利益に影響を与える要素に関する情報の記述

(10)本件株式の発行を決議した発行会社の取締役会・株主総会の各議事録および本契約の締結を決議した発行会社の取締役会議事録の謄本(発行会社の代表者による原本の内容と相違ない旨の証明文言付き)

(11)投資者が請求する発行会社または経営株主に関する証明書、報告書その他の書面

第6条(資金使途)

発行会社は、本件株式の発行により取得した資金を研究開発および事業用資産取得、または投資者が予め承認する他の目的に充当する。

第7条(発行会社および経営株主の特約)

1.本契約の他の条項に加えて、発行会社および経営株主は、投資者に対し、以下の事項につき速やかに書面にて通知するものとし、投資者の事前(発行会社の取締役会または株主総会により承認を行う場合は、そのいずれか早いほうの承認より前をもって「事前」とする)の同意を得ずに、かかる決定をしてはならない。

(1)発行会社および発行会社の関係会社に係る下記の事項の発生・決定等

a.株式上場予定時期、公開予定市場、予定規模、主幹事証券会社または引受シンジケート団の決定または変更

b.定款の変更

c.合併、株式交換、株式移転、事業譲渡、事業譲受、会社分割、その他の組織再編または第三者との資本提携

d.新株等の発行(新株予約権の行使による場合も含むが、これに限られない)、処分または付与ならびにこれらの割当先および配分

e.発行会社の株式等を譲渡する場合の承認または買受人の指定(ただし、経営株主は買取人の指定請求権を行使できない)

f.自己株式の取得、株式消却、資本減少、またはその他の資本の変更

g.剰余金の配当(利益配当、中間配当および自己株式の取得を含むが、これらに限られない)、処分または減少

h.株式の分割、株式の併合、自己株式の償却等の株主の地位・権利に影響を及ぼす一切の事項

i.発行会社の発行するストックオプションとして取り扱われる新株予約権または新株引受権の条件の変更

j.既存株主または本契約締結後に株主となる者との間の投資契約(その名称を問わず、株主に対し、発行会社の事業、運営、統治等または当該株主もしくは他の株主の有する発行会社の株式の譲渡、買取等に関し、一定の権利を付与する契約を含む)の締結、変更または解除

k.他社に対する出資または当該出資にかかる株式等の処分

l.発行会社を債権者、第三者を債務者とする場合の、当該第三者の債務の免除、当該債務の利息の減免または弁済期の延長

m.発行会社の関係会社、経営株主、経営株主が役職員を務める会社または経営株主が株式等の持分を保有する会社に対する金銭の貸付

n.1件につき●円以上の第三者に対する貸付

o.1件につき●円以上の、第三者のためにする債務保証、債務引受もしくは当該第三者の債務の弁済または1件につき●円以上の第三者の債務を被担保債権とする第三者のためにする担保提供

p.1件につき●円以上の借入

q.発行会社の社債の買入消却または繰上償還

r.重要な契約の締結、変更、解約、解除または終了

s.投資者を除く特別利害関係者との取引

t.役員報酬(役員の使用人給与および賞与も含む)の改定および決定

u.予算の承認

v.第三者から発行会社または経営株主に対してなされた発行会社の買収(発行会社の株式等の取得等の資本参加、発行会社の事業譲受を含むが、これに限られない)、合併、会社分割、株式移転、株式交換等の提案の拒絶

w.解散または破産、更生手続開始、再生手続開始、特別清算開始、もしくはその他の倒産手続開始の申立て

(2)事業計画、設備投資計画、または収支計画の策定または変更

(3)事業所および支店の開設、変更または廃止

(4)売上予想または利益予想の策定または変更

(5)取締役の選任および解任その他経営に影響のある人事異動

(6)主要取引先または金融機関の変更

(7)その他当初の事業計画の実現に変化を及ぼす事項など

2.以下の事項を決定または承認しようとする場合には、発行会社は、投資者に対し、発行会社の取締役会または株主総会において決定または承認する前にこれを通知して、投資者の承認を取得しなければならないものとする。

(1)株式、または新株予約権付社債、新株予約権その他発行会社の株式への転換、かかる株式との交換もしくはかかる株式の交付による取得が可能なもしくはなされうる証券もしくは権利(以下「新株等」と総称する)の発行、処分、無償割当てまたは付与

(2)投資者および経営株主の発行会社株式総数に対する持株比率(投資者が保有する新株予約権付社債、新株予約権、その他発行会社の株式への転換、かかる株式との交換またはかかる株式の交付による取得が可能なもしくはなされうる証券または権利について、その転換、交換、請求または行使により発行され得る株式(以下「潜在株式」という)を含む)に増減が生じる場合

3.発行会社が本条第2項(1)の規定に従い新株等を発行することを決定した際には、投資者は自己の持株比率(潜在株式を含んで算定する)に応じたこれら新株等の引受権を有するものとするが、引受または払込を行うか否かは、投資者がその裁量により自由に決定できるものとする。投資者は、本条第2項(1)の規定に従い新株等の引受権を行使したにもかかわらず新株等の全部または一部が投資者に割り当てられなかったことにより、発行会社の発行済株式総数に占める投資者の持株比率または議決権比率が低下するに至った場合は、発行会社および経営株主に対し、新株等の発行、処分、無償割当てまたは付与と同一の条件で投資者に対して割り当てるよう請求することができる。

4.本条第2項の規定は次に該当する場合は適用されない。

(1)発行会社の役職員に対してインセンティブを目的とした新株予約権または新株予約権付社債の発行を行う場合

(2)発行会社の従業員持株会に対して株式の発行を行う場合

5.発行会社および経営株主は、本条第1項所定の事項のほか、発行会社または発行会社の子会社もしくは関係会社において以下の事実が発生した場合には、投資者に対し、以下の事項につき速やかに書面にて通知しなければならない。

(1)発行会社および発行会社の関係会社の各事業年度の決算、および各半期決算の状況(貸借対照表、損益計算書、納税申告書およびそれらの附属明細書、別表等の投資者に対する交付を含む)

(2)月次決算書、資金繰り表、資金予定表等の作成

(3)その他投資者に対して合理的に報告を要する事項

6.投資者は、本契約または自己の保有する発行会社株式にかかる権利を確保するため必要があると認めるときは、発行会社および経営株主に対し、その業務または財産の状況に関し報告または資料の提出を求めることができ、質問に対する回答を求めることができる。発行会社および経営株主は、これに対し回答しなければならない。

7.投資者は、その費用で自らまたは投資者の会計士その他代理人を通じて、発行会社、または発行会社の関係会社に対して事前の通知を行い、発行会社、または発行会社の関係会社の本社、またはその他の営業所を訪問し、発行会社の費用負担で発行会社または発行会社の関係会社の帳簿、記録および施設を閲覧、謄写または検査することができる。発行会社または発行会社の関係会社はかかる閲覧、謄写または検査に必要な協力を行うものとする。

8.発行会社は、投資者が必要と認めて求めたときは、発行会社の費用負担で、投資者の同意する公認会計士による短期調査または監査を受けるものとする。

9.発行会社は、毎月1回以上定例取締役会を開催し、各取締役の業務執行の状況報告を行う。各出席者への招集通知は、会日の1週間前までに発送しなければならない。

10.発行会社および経営株主は、本件株式を含む発行会社株式を20 年 月末日までに株式上場すべく最善の努力を尽くす。

第8条(オブザーバーの指名)

1.発行会社は、投資者の請求により、投資者の指名する者1名を発行会社のオブザーバーとして扱うものとする。かかるオブザーバーは、発行会社の取締役会等経営上重要な会議に出席し、その意見を述べることができる(ただし、議決権を有しない)。発行会社は、かかるオブザーバーに対して、それらの会議の開催日より1週間前までに招集通知を発送し、発行会社の取締役会等経営上重要な会議に出席する機会を与えなければならない。

2.オブザーバーは、出席した発行会社の取締役会等経営上重要な会議において述べた意見につき、何らの責任を負わないものとする。

3.投資者は、投資者の指名したオブザーバーにつき欠員が生じた場合(死亡、辞職、解任その他いかなる理由によるかを問わない)または、かかるオブザーバーを他の者と交代させる必要があると判断した場合には、オブザーバーを補充するために別のものを指名する権利を有する。

4.本条第1項の指名に基づくオブザーバーが、発行会社の取締役会等経営上重要な会議に出席するための交通費その他必要な費用は、発行会社の負担とする。

第9条(投資者による株式の譲渡・経営株主の優先買受権)

1.投資者は、自己の判断において、法令または発行会社の定款に従い、本件株式および将来取得する発行会社株式の一部または全部を譲渡することができる。発行会社および経営株主はその譲渡による相手方の発行会社株式の取得について、発行会社の承認、名義書換その他かかる譲渡に関連する必要な措置(経営株主が発行会社の株主総会で上記株式等の譲渡承認決議に賛成の議決権を行使すること、および発行会社の取締役であるときは、発行会社の取締役会において上記株式等の譲渡承認決議に賛成の議決権を行使すること、またはその指名する取締役をして発行会社の取締役会において上記株式等の譲渡承認決議に賛成の議決権を行使せしめることを含む)をとる。

2.本条第1項の譲渡に先立ち、投資者は譲渡予定の株式総数、譲渡予定価額、譲渡予定の相手方の氏名・名称と住所、その他譲渡に関わる重要な条件を記載した書面(以下「譲渡予定通知」という)を経営株主に交付し、譲渡予定通知に記載された条件と同一の条件で当該株式を買取る優先的権利(以下「優先買受権」という)を経営株主に与えるものとする。優先買受権の行使は、経営株主が、譲渡予定通知を受領後30日以内に投資者の指定する方法で、譲渡予定通知に記載された投資者の譲渡予定株式全部の買取価額の全額を支払うことにより行うものとし、一部のみの買取はできないものとする。

3.経営株主が優先買受権を上記30日以内に行使しない場合、投資者は譲渡予定通知に記載された条件で、その譲渡予定株式を譲渡予定通知に記載された譲渡予定の相手方に譲渡することができる。

4.投資者が、その保有する発行会社の株式等を第三者に譲渡しようとする場合、発行会社は、投資者から株式等の譲渡承認の請求があった日より20日以内に、当該株式等を表章する証券の発行、券面の分割その他これに必要な一切の手続を行わなければならず、経営株主は、発行会社をして、かかる手続きを行わせるものとする。

5.投資者は、投資者が保有する発行会社株式の全部または一部を第三者に対し、それぞれ公正な取引条件により、売却、合併、会社分割、株式交換、株式移転、公開買付その他の手段で譲渡しようとする場合、同等の対価および取引条件により、経営株主の保有する発行会社株式全て(一部についての請求はできない)を、譲受予定者に対して同じ条件、対価(完全希釈化基準により算定したもの)により、譲渡するよう求めることができる。

第10条(投資者の共同売却権・先買権)

1.経営株主は、自己の保有する発行会社株式の一部または全部を第三者(以下「譲受予定者」という)に譲渡しようとする場合、譲渡予定の株式総数、譲渡予定価額、譲受予定者の氏名・名称と住所、その他譲渡に関わる重要な条件を記載した書面(以下「条件説明通知」という)を事前に投資者に交付しなければならない。投資者は、この通知を経営株主から受領した場合、譲受予定者に対して、投資者が売り渡すことを希望する株式数等(以下「共同売却希望株式」という)の数を特定し、その他別途投資者と経営株主とが合意する条件で、投資者が保有する共同売却希望株式を売り渡すことを経営株主に対して請求することができる。経営株主は、投資者から上記請求を受けた場合には、共同売却希望株式につき、投資者と譲受予定者との間で譲渡が行われるよう必要な一切の措置を執るものとする。経営株主は、本項に定める権利を投資者が行使した場合には、譲受予定者が自己の購入する株式等の数を増加することに同意しない限り、経営株主が譲受予定者に対し譲渡することができる株式等の数が共同売却希望株式の分減少することにつき、何らの異議を述べないものとする。

2.本条1項に定める権利を行使する代りに、投資者は、経営株主の譲渡予定株式の一部または全部(以下「先買対象株式」という)を買取ることを希望する場合、条件説明通知を受領後30日以内に、経営株主に対しその旨書面にて通知する。経営株主は、かかる通知を受領した場合、その受領後10日以内に、先買対象株式全てを表象する株券を投資者に引渡し、投資者はかかる引渡しが履行された後遅滞なく、条件説明通知に記載された1株当りの譲渡価額に基づいて算出される代金をかかる経営株主に支払う。

第11条(発行会社および経営株主による株式の買取り)

1.投資者は、下記の事由のいずれかが発生した場合、発行会社および経営株主に対して書面により通知することにより、投資者が保有する発行会社株式の全部または一部を発行会社および経営株主が連帯して買取ることを請求できるものとし、発行会社および経営株主は連帯してかかる請求を受けた日より30日以内にかかる株式を投資者の指定する方法ですべて買取らなければならない。ただし、発行会社および経営株主は、自己の指定する第三者をしてかかる買取を行わせることができるものとする。なお、本項の規定は、投資者が、発行会社または経営株主による本契約における義務の不履行に基づき被った損害につき賠償請求することを妨げるものではない。

(1)発行会社または経営株主のいずれかが本契約のいずれかの規定に違反し、違反当事者が当該違反の治癒を求める投資者からの通知を受領後30日以内にかかる違反を治癒しない場合

(2)発行会社または経営株主が、本契約に基づき投資者が請求する行為を実行しなかった場合

(3)投資者が経営株主に対して第10条に定める共同売却に関する請求をしたにもかかわらず、共同売却希望株式の全部もしくは一部につき、譲受予定者に対する譲渡が、投資者の別途定める相当期間経過後も完了しない場合

(4)発行会社または経営株主が、第9条第2項に規定する手続について、投資者の請求があった日より20日以内に完了しない場合

(5)発行会社または経営株主が、本契約、法令等、発行会社の定款その他の社内規定に違反し、または違反の可能性のある行為を行った場合

(6)発行会社または経営株主の故意または過失によって次のいずれかに該当した場合

a.発行会社、経営株主、発行会社または経営株主の特別利害関係者または株主、取引先等(以下「特別利害関係者ら」という)が反社会的勢力等である場合

b.特別利害関係者らが反社会的勢力等に資金提供もしくはそれに準ずる行為を通じて、反社会的勢力等の維持、運営に協力または関与した場合

c.特別利害関係者らが反社会的勢力等と交流を持った場合

d.反社会的勢力等が発行会社の経営に関与した場合

(7)発行会社による発行会社もしくは発行会社の関係会社等の役職員または発行会社の関係会社等への貸付、債務保証取引その他発行会社または経営株主の故意または重大な過失によって発行会社の企業価値に損失を与え、または損失を与えるおそれを生じさせた場合

(8)発行会社と発行会社の関係会社等との間の資本関係もしくは取引、発行会社と発行会社もしくは発行会社の関係会社等の役職員との間の取引、または発行会社と発行会社もしくは発行会社の関係会社等の株主との間の取引が発行会社の株式上場を妨げた場合

(9)発行会社の財政状態および経営成績の点で、発行会社株式の株式上場が可能な条件を充足しているにもかかわらず、株式上場されていない場合

(10)発行会社の財政状態および経営成績以外の想定外の事由により、株式上場が出来ない場合

(11) ●●●●年●月●日までに発行会社の株式上場を実施することが現実不可能と投資者または発行会社が認めた場合

2.本条第1項において、投資者が経営株主に買取請求した場合の買取対象株式の1株当りの買取価格は、次の価格のうち最も高い金額とする。

(1)相続税財産評価基本通達に定められた「類似業種比準価額方式」に従い計算された金額

(2)発行会社の直近の監査済貸借対照表上の簿価純資産に基づく発行会社の1株当り純資産価額

(3)本条に定める買取請求以前において、発行会社の新株式発行または発行会社の株式譲渡の取引事例が存在する場合には、その直近の1株当りの新株発行価額またはかかる取引事例における1株当りの譲渡価額

(4)投資者が選任した第三者の鑑定による発行会社株式の1株当りの公正な時価

(5)買取対象株式1株当たりの取得価額(ただし、発行会社の株式につき、分割、併合またはその他持ち株比率及び議決権比率を変動させない株数の変動があったときは、適切に調整されるものとする)

(6)投資者および発行会社が選任した第三者が、発行会社と事業の種類、規模および収益の状況が類似する他の会社の株価を基礎として算出した価額

(7)投資者と発行会社または経営株主の協議により決定した価額

(8)経営株主が譲受予定者に対して実際に譲渡した際の1株当りの譲渡価額

(9)投資者が第9条に定める株式等の譲渡先である第三者との間で合意した1株または1個当りの株式等の譲渡価格

第12条(取締役の辞任・退任)

1.経営株主は、投資者の事前の了解なくして、発行会社の取締役を任期前に辞任しないものとし、かつ、任期満了時に発行会社の取締役として再選されることを拒否しないものとする。

2.経営株主は発行会社の取締役、監査役または従業員としての地位にある間、および自己の責に帰すべき事由で発行会社の取締役、監査役または従業員のいずれでもなくなった日から●年間経過するまでは、自らまたは第三者をして発行会社の事業と競合する事業を直接または間接に行ってはならない。

3.発行会社は、経営株主が発行会社の代表取締役を辞任または退任した場合、投資者と協議の上、新たな経営株主(以下「新経営株主」という)を決める事とし、その内容を書面で通知するものとする。新経営株主は、原則本契約に関して経営株主が負担する債務を引き継ぐものとする。

第13条(契約の終了)

1.本契約は以下の場合に終了する。

(1)投資者、発行会社および経営株主が本契約の終了を全員一致で合意した場合

(2)発行会社の株式上場が実現した場合

(3)投資者が払込期日が経過した後に発行会社の株主とならなかった場合

(4)投資者が発行会社の株主でなくなった場合

(5)本契約が第14条に基づいて解除された場合

2.本契約の終了は将来に向かってのみその効力を生じ、本契約に別段の定めがある場合を除き、本契約終了前に本契約に基づき発生した権利および義務は本契約終了による影響を受けない。

第14条(本契約の解除)

投資者は、払込期日までに次の各号に定める事由が生じた場合には、発行会社および経営株主に通知することにより直ちに本契約を解除することができる。

・第3条に定める発行会社または経営株主の表明保証につき違反があった場合

・発行会社または経営株主が払込期日までに第5条所定の払込の条件を充足しなかった場合

第15条(補償)

発行会社および経営株主は、以下の事由に起因または関連して投資者およびその株主ならびにそれらの取締役、監査役、従業員が被った損失、債務、損害および費用等(弁護士、公認会計士等の第三者に対する報酬および費用を含む)につき、連帯して、賠償義務を負うものとする。

・第3条に定める発行会社または経営株主の表明保証につき違反があった場合

・発行会社または経営株主が払込期日までに第5条所定の払込の条件を充足しなかった場合

・発行会社または経営株主の債務不履行を原因として、債務不履行または損害の賠償、補償等を求める場合

・その他発行会社または経営株主の故意または過失による本契約違反があった場合

第16条(費用の負担)

1.発行会社は、本契約の締結、本件株式の発行、本件株式の配当の支払について支払われるべき印紙税その他の公租公課(投資者の所得に係る税を除く)をすべて負担し、これを支払う。

2.本条第1項その他本契約に別段の定めがある場合を除き、本契約当事者はそれぞれ、本契約の交渉、作成、署名捺印および義務の履行に関連して自己が被ったすべての費用(弁護士、公認会計士等の第三者に対する報酬および費用を含む)を各自負担する。

第17条(通知)

本契約に別段の定めがある場合を除き、または、本契約当事者が別途合意しない限り、本契約に基づく通知、書面の送付および情報の提供は、以下の住所または連絡先に宛てた書面によりこれを行う。なお、本契約当事者は、他の当事者に通知することにより、以下の住所または連絡先を変更することができる。

投資者 :

発行会社:

経営株主:

第18条(他の契約の制限)

1.発行会社および経営株主は、投資者以外の第三者との間で、本契約のいずれかの条項の履行を妨げる契約の締結もしくは合意をしてはならないものとする。

2.発行会社および経営株主は、投資者以外の第三者との間で、本契約の内容よりも当該第三者に有利な条件を規定する本契約と同一または類似の目的を有する契約を締結する場合には、本契約の規定にかかわらず、その有利な条件を同様に投資者に与えたものとみなされるものとする。

第19条(経営株主の専念義務・競業禁止)

1.経営株主は、発行会社の取締役、監査役または従業員としての地位にある間は、発行会社の取締役、監査役または従業員としての職務の遂行に専念するものとし、他の会社、団体または組織の役員または従業員を兼務または兼職してはならない。

2.経営株主は、発行会社の取締役、監査役または従業員としての地位にある間および発行会社の取締役、監査役または従業員のいずれでもなくなった日から●年間が経過するまでは、自らまたは第三者をして、発行会社の事業と競合する事業を直接または間接に行ってはならない。

第20条(秘密保持)

1.本契約当事者は、本契約締結の前後を問わず、本契約の内容および存在、本契約締結に際して取得した他の当事者の有する情報に関して秘密を厳守するとするものとし、他の当事者の事前の書面による承諾なくして第三者に開示または漏洩しないものとする。但し、①各当事者の役職員、弁護士、公認会計士、税理士、ファイナンシャルアドバイザー等の専門家に対して開示する場合もしくは②法令等または証券取引所の規則に基づき開示が義務づけられる場合はこの限りではない。上記①の場合、当該開示を行う当事者は、開示先の専門家に対し、本条と同様の義務を負担させるものとし、当該義務の違反があったときは当該開示を行った当事者の違反とみなされるものとする。

2.前項の規定にかかわらず、本契約当事者は、下記の情報については秘密保持義務を負わない。

3.投資者は、本条第1項の規定にかかわらず、発行会社の株主となった後、発行会社の株主たる事実、保有株式数および持株比率等必要な事項を第三者に対して開示することができるものとする。

4.投資者は、本条第1項の規定にかかわらず、発行会社の株主となった後、発行会社の事業をより効率的に発展させる上で適切と投資者が判断する発行会社の業務提携先候補の第三者に対して、発行会社の情報を開示することができるものとする。

5.投資者は、本条第1項の規定にかかわらず、発行会社の株主となった後、発行会社の株式の上場を促進するため、または発行会社が優良なビジネスチャンスを得ることができるように、発行会社とコンサルティング契約その他これに類する契約を締結しまたは締結しようとする企業(投資者の業務執行組合員を含む。)に対して、発行会社の情報を開示することができるものとする。

6.本条第1項に基づく秘密保持義務は、本契約終了後●年間存続する。

第21条(対外発表)

本契約およびこれに関する一切の事項の対外発表の具体的時期、方法等については、本契約当事者が協議の上決定したところに従い、これを行う。

第22条(確認事項)

本契約当事者は、発行会社の発行済株式総数に占める投資者の持株比率および議決権比率(潜在株式数も算入するものとする。)を維持することが投資者にとって重要な利益であることを確認する。

第23条(完全合意)

本契約は、その主題事項に関する本契約当事者間の完全な合意を形成するものであり、かかる主題事項に関する従前のいかなる契約、合意、約束および約定(書面であると口頭であるとを問わない)も、無効とする。

第24条(変更・修正)

本契約は、本契約当事者の事前の書面による合意なくして変更または修正されえないものとする。

第25条(分離可能性)

本契約のいずれかの条項が無効または違法となったときは、その無効または違法は、いかなる意味でも本契約の他の条項に影響せず、有効性を損なわせず、無効としないものとし、本契約の他の条項は全て全面的にその有効性を維持するものとする。

第26条(言語)

本契約は、日本語で作成され、締結されるものとする。本契約が日本語以外の言語に翻訳された場合においても、かかる翻訳は本契約の条項の解釈に一切影響しないものとする。かかる翻訳と日本語により作成された本契約との間に矛盾または定職がある場合には、いかなる場合においても日本語により作成された本契約が優先するものとする。

第27条(準拠法)

本契約ならびに本契約に基づきまたはこれに関連して生じる本契約当事者の一切の権利および義務は、日本国の法律に準拠し、それに従い解釈される。

第28条(管轄裁判所)

本契約ならびに本契約に基づきまたはこれに関連して生じる本契約当事者の一切の権利および義務に関する訴訟は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第29条(誠実協議)

本契約当事者は、本契約の条項について疑義が生じた場合または本契約に定めのない事項については、誠実に協議し、その解決に努めるものとする。

以上の合意の成立を証するため、本契約書3通作成し、投資者、発行会社および経営株主それぞれ記名捺印のうえ、各1通を保有するものとする。

●●●●年  月  日

投資者●●県●●市●●●●1番地の1
株式会社 ●
代表取締役社長   ●● ●●

 

発行会社●●県●●市●●●●1番地●番●●号
株式会社 ●
代表取締役社長   ●● ●●

 

経営株主●●都●●区●●●●一丁目●番●●号
株式会社●
代表取締役社長    ●● ●●

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