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事業譲渡契約書とは?ひな形を利用する際のリスクや注意点から事業譲渡契約の主要条項まで解説

公開 2026年7月18日更新 2026年11月4日

事業譲渡は、対象会社の株式を売買する株式譲渡とは異なり、対象事業を構成する資産・負債・契約上の地位・労働契約などを個別に移転するM&Aの手法です。事業譲渡契約書では、譲渡対象を特定し、それぞれに必要な移転手続や相手方の承諾などを定めます。

インターネット上のひな形には、案件ごとの資産の内訳・承継する債務・許認可・従業員・取引先との契約などは反映されていません。そのまま利用すると、必要な資産を取得できない、想定外の責任を負うといった問題につながるおそれがあります。

この記事では、事業譲渡で引き継がれるもの・引き継がれないもの、記載事項と主要条項、作成から締結・クロージングまでの流れ、作成時の注意点、収入印紙について解説します。

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事業譲渡契約書の作成やチェックについては、当事務所までお気軽にご相談ください。

事業譲渡契約書とは

事業譲渡契約書とは、事業を譲渡する者(以下「売主」といいます)と事業を譲り受ける者(以下「買主」といいます)が、譲渡対象事業、譲渡資産・承継債務、譲渡価格、従業員の取扱いなどを定める契約書です。M&Aにおける最終的な取引条件を定める最終契約書の一つにあたります。

多数の資産・権利義務が関係し、案件によっては会社法上の承認や第三者の承諾も必要になるため、合意内容は契約書で明確にします。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、会社が営む事業の全部または一部を、第三者へ譲渡する手法です。売主である会社はそのまま存続し、特定の店舗・部門・ブランドなどに関する資産・負債・契約上の地位等を選んで移転します。

不採算部門の切り離しや、後継者が見つからない事業の引き継ぎなどに利用されます。事業譲渡そのものの利点と負担は、事業譲渡のメリット・デメリットの解説ページで説明しています。

事業譲渡契約書を締結する目的

譲渡対象を曖昧にすると、「設備も含まれると思っていた」「この債務は引き受ける合意ではなかった」といった食い違いが生じます。対象事業・資産・負債・契約・従業員などを契約書と別紙で特定しておくことで、引渡し時の争いを防ぎやすくなります。

譲渡後に簿外債務、未払残業代、税務上の問題、取引先との紛争などが判明した場合は、表明保証・補償・損害賠償・解除などの条項に基づいて、責任の有無や範囲を判断します。

株式譲渡契約書との違い

株式譲渡は、対象会社の株主が保有株式を買主へ譲渡する手法で、対象会社は同一の法人として存続します。事業譲渡との主な違いは、次のとおりです。

項目 事業譲渡 株式譲渡
譲渡の対象 対象事業を構成する資産・負債・契約上の地位等 対象会社の株式
資産・債務の扱い 契約で特定した対象を個別に移転。債務の移転には債権者の承諾等が必要になる 資産・債務は対象会社に残り、株式取得者が直接承継するわけではない
契約上の地位 原則として契約相手方の承諾を得て移転 契約当事者である対象会社は変わらない。ただし支配権変更条項等の確認が必要
許認可 新規取得・承継の承認・届出等の要否を個別の業法に基づいて確認 法人が変わらないため維持されるものが多いが、株主・役員等の変更に伴う手続が必要な場合がある
消費税 課税資産の譲渡部分に消費税が課される 株式の譲渡は非課税

株式譲渡を含む最終契約書については、M&A最終契約書の解説ページもあわせてご覧ください。

事業譲渡で引き継がれるもの・引き継がれないもの

事業譲渡は、合併や会社分割のような包括承継ではなく、対象となる財産・権利義務を個別に移転する特定承継です。買主へ移るのは契約書で譲渡対象とした資産・債務・契約などに限られ、譲渡対象とした場合も、それぞれに必要な手続を経なければ移転を完了できません。

不動産・設備・売掛金などの資産

土地・建物・機械設備・在庫・売掛金のほか、商標権や特許権等の知的財産権、ドメイン名などが譲渡資産になり得ます。不動産は所有権移転登記、登録された知的財産権は移転登録など、資産ごとに名義を移す手続が必要です。

売掛金などの債権を譲渡した場合、そのことを債務者に主張するには、売主から債務者への通知または債務者の承諾が必要です。債務者以外の第三者に主張するには、確定日付のある証書による通知・承諾が必要になります(民法第467条)。

取引先・リース・賃貸借などの契約

取引先との売買契約・業務委託契約、リース契約、事務所や店舗の賃貸借契約などは、契約上の地位を買主へ移す必要があります。契約上の地位の移転には、原則として契約相手方の承諾が必要です(民法第539条の2)。

相手方の承諾が得られない場合は、買主が相手方と新たに契約を結ぶかを検討します。主要な取引先や店舗の賃貸人の承諾をクロージングの前提条件とするか、承諾が得られなかった場合に譲渡価格をどう扱うかも、契約書で定めておきます。

賃貸人の承諾を得て店舗や事務所の賃借権を譲渡した場合、賃貸人は原則として売主に敷金の残額を返還する義務を負います。そのため、敷金は買主へ当然には引き継がれません(民法第622条の2第1項第2号)。敷金の返還・精算と、買主による新たな差入れの方法を、賃貸人を含めて調整します。

借入金・買掛金などの債務

買主が引き継ぐ債務は、承継債務目録などで個別に特定します。目録に記載していない債務は、原則として売主に残ります。

債務を買主へ移す方法には、売主が債務を免れる免責的債務引受と、売主と買主がともに債務を負う併存的債務引受があります。どちらも、債権者との契約または債権者の承諾など、民法の定める要件を満たす必要があります(民法第470条・第472条)。借入金や買掛金を引き継ぐ場合は、金融機関や仕入先と事前に協議します。

従業員の雇用契約

事業譲渡では、労働契約は当然には買主へ移転しません。労働契約を承継させるには、対象となる従業員本人の個別の承諾が必要で、承諾しなかった従業員の労働契約は売主との間に残ります。

会社分割では、労働契約承継法に基づいて労働契約が承継される場合がありますが、事業譲渡は同法の対象ではありません。

厚生労働省の「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」は、従業員の真意による承諾を得るために、十分な説明と協議を求めています。説明する事項として、売主・買主の債務の履行の見込みを含む事業譲渡の全体の状況、買主の概要、業務内容・就業場所などの労働条件が示されています。労働条件を変更して承継させる場合には、その変更についても本人の同意が必要です。

同指針は、承継に同意しなかったことのみを理由とする解雇が、労働契約法第16条により無効となり得ることも示しています。

参考:厚生労働省「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」の一部改正について(2026年5月25日適用)

勤続年数の取扱い、退職金、未消化の年次有給休暇、社会保険等については、売主・買主間の契約と、各従業員への説明・合意の内容を一致させる必要があります。

事業に必要な許認可

許認可は、事業譲渡によって当然に買主へ移るものではありません。個別の業法により、新規取得が必要なもの、承継の認可・承認を受けられるもの、届出で足りるものがあります。

建設業、飲食業、医療・介護、運送業など、事業に必要な許認可を個別に確認し、事業を開始できない期間が生じないように準備します。許認可のある事業を譲り渡す場合・譲り受ける場合の進め方は、許認可のある事業の譲渡・譲受けのご案内もご覧ください。

許認可の承継が問題となる事業譲渡と、資金繰り難の会社の事業譲渡は、次のページでご案内しています。

事業譲渡契約書に記載する主要条項

事業譲渡契約書の条項数や構成は、譲渡対象、従業員の人数、許認可、主要取引先の承諾などによって異なります。ひな形の条項を並べるのではなく、対象事業に必要な条項がそろっているかを確認しながら作成します。

条文例を含む詳しい内容は、事業譲渡契約書の逐条解説でも説明しています。

事業譲渡契約書の記載事項一覧

一般的な記載事項は、次のとおりです。

条項 定める内容
事業譲渡の合意・目的 当事者、譲渡する事業、契約を締結する目的
譲渡対象事業 対象となる店舗・部門・ブランド等の特定
譲渡資産・承継債務・承継契約 別紙の目録による個別の特定と、除外する財産
譲渡日(クロージング日) 対象が移転する日と、損益が帰属する基準時
譲渡価格・支払方法 金額、消費税、支払日、支払方法、価格調整
従業員の取扱い 承継する従業員、労働条件、個別の承諾の取得
取引先・許認可 契約上の地位の移転に必要な承諾、許認可の取得・承継
誓約事項 クロージングまでの事業運営、重要な資産の処分・債務負担の制限
クロージングの前提条件 株主総会の承認、許認可、承諾、表明保証の正確性
表明保証 財務・税務・法務・労務等が真実かつ正確である旨
補償・損害賠償 対象となる損失、請求期間、上限額、免責金額
競業避止義務 禁止する事業、地域、期間、勧誘の可否
公租公課の精算 固定資産税等の負担の分担方法
解除 解除できる事由と、解除できる時期
一般条項 秘密保持、反社会的勢力の排除、通知、準拠法、合意管轄

条項名がそろっていても、譲渡対象の特定や第三者の承諾に関する定めが不足していると、契約書のとおりに移転を完了できません。

譲渡対象・譲渡価格・支払方法

譲渡対象は、契約書本文に対象事業の概要を記載し、資産目録、承継債務目録、承継契約一覧、除外財産一覧などを別紙として添付して特定する方法があります。

譲渡価格の条項では、金額、消費税の取扱い、支払日、支払方法、振込先、費用負担などを定めます。分割払いや後払いとする場合は、残額の支払期日や、支払が遅れたときの一括請求・遅延損害金も定めます。

契約締結日からクロージング日までの間に在庫や運転資本が変動する案件では、クロージング日時点の数値に基づいて譲渡価格を増減させる価格調整条項を設ける場合があります。

誓約事項・クロージングの前提条件

契約締結日からクロージング日までの誓約事項としては、売主が善良な管理者の注意をもって通常の業務の範囲で事業を運営すること、重要な資産の処分・新たな多額の債務の負担・重要な契約の変更や終了を行わないことなどを定めます。

株主総会の承認、許認可の取得、主要取引先や従業員の承諾、表明保証の正確性などは、クロージングを行うための前提条件として定めます。

表明保証・補償・損害賠償・契約解除

表明保証条項では、契約締結時やクロージング時における財務・税務・法務・労務などの特定の事実について、真実かつ正確である旨を当事者が表明し、保証します。

表明保証違反が判明した場合に買主が補償を請求できるかは、補償条項の内容によって異なります。補償条項では、請求対象、請求期間、上限額、免責金額、第三者から請求を受けた場合の対応などを定めます。

解除条項では、解除事由、解除手続、解除後も存続する条項を定めます。クロージング後は資産の移転や従業員の転籍が進み、元に戻すことが難しいため、当事者間の合意により、契約上の解除権をクロージング前に限り、クロージング後の問題は契約で定めた補償等で対応する場合があります。

競業避止義務・公租公課の精算・一般条項

競業避止義務では、禁止する事業、地域、期間、顧客や従業員への勧誘の可否などを定めます。

会社法第21条は、当事者間に別段の意思表示がない場合、売主が同一の市町村の区域内および隣接する市町村の区域内で、事業譲渡の日から20年間、同一の事業を行うことを禁止しています。競業しない旨の特約を設ける場合、その効力は事業譲渡の日から30年以内に限られます。

固定資産税は、原則として1月1日(賦課期日)現在、固定資産課税台帳に所有者として登録されている者に課されます。年の途中で譲渡する場合は、譲渡日を基準に日割り等で精算する方法を定めることがあります。

このほか、秘密保持、反社会的勢力の排除、契約上の地位等の譲渡禁止、通知方法、費用負担、完全合意、契約の変更方法、準拠法、合意管轄などを定めます。

条項の検討や相手方ドラフトの確認でお困りの場合は、当事務所のご相談フォームよりお問い合わせください。

事業譲渡契約書の作成から締結・クロージングまでの流れ

事業譲渡契約は、通常、契約を締結した時点から当事者を法的に拘束します。一方、対象事業や各資産・権利義務が実際に移転するのは、契約で定めたクロージング日または効力発生日に、前提条件を満たして必要な移転手続を行った時点です。

デューデリジェンスと契約書のドラフト作成

デューデリジェンス(買収対象の調査)は、秘密保持契約を締結し、基本合意書などで進め方を確認したうえで行います。買主は、対象事業の財務・税務・法務・労務などを調査し、判明した問題を、譲渡対象からの除外、譲渡価格、クロージングの前提条件、表明保証、補償に反映します。調査の種類や進め方は、M&Aのデューデリジェンスの解説ページで説明しています。

契約書は、一方の当事者が作成した案に対し、相手方が条項ごとに修正案と理由を返して条件を詰めます。

取締役会・株主総会の承認

売主・買主が株式会社である場合は、会社法第467条により、原則として効力発生日の前日までに株主総会の特別決議による承認が必要です。対象となるのは、売主が事業の全部または重要な一部を譲渡する場合と、買主が他の会社の事業の全部を譲り受ける場合です。重要な一部の譲渡であっても、譲渡する資産の帳簿価額が総資産額の5分の1(定款でこれを下回る割合を定めた場合はその割合)以下であれば、承認の対象から除かれます。

取締役会設置会社では、重要な財産の処分または譲受けに該当する場合、取締役会決議が必要になることもあります。

締結からクロージングまでに行う手続

契約締結後は、クロージングの前提条件を満たすため、従業員の個別承諾、取引先の承諾、許認可の取得・承継手続、資産の名義変更に必要な書類の準備などを進めます。誰が、いつまでに、どの承諾・通知を行うかは、契約書で定めておきます。

クロージングでは、譲渡代金の支払、対象資産の引渡し、登記・登録に必要な書類の交付などを行います。許認可の取得や主要取引先の承諾に時間がかかると、希望する日に事業を開始できないことがあるため、クロージング日から逆算して準備します。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

事業譲渡契約書を作成する際の注意点

売主と買主では利害が異なるため、同じ条項でも重視する点が変わります。自社で作成した契約書も、相手方から提示された契約書も、自社の立場から負担の偏りや記載の不足がないかを確認します。

譲渡対象を具体的に特定しているか

「設備一式」「契約一式」などの記載では、どの設備や契約が含まれるのかで認識が分かれます。重要な資産は、名称・型番・数量・設置場所等によって特定し、不動産は登記事項、自動車は車検証の記載に合わせて記載します。

買主は、事業の継続に必要な資産・契約・人員・許認可が譲渡対象から漏れていないかを確認します。売主は、譲渡後も自社に残す資産・契約・データが譲渡対象に含まれていないかを確認し、除外する財産を明記します。

初めて事業や会社を買う場合の確認事項は、初めて会社を買う方々へのご案内もあわせてご覧ください。

引き継ぐ債務と引き継がない債務を書き分けているか

買主は、デューデリジェンスを通じて、未払残業代、税務上の債務、訴訟・紛争、債務保証など、帳簿だけでは把握しにくい責任を確認し、引き継がない債務を契約書で明確にします。

契約上承継しない債務であっても、買主が売主の商号を引き続き使用する場合は、会社法第22条第1項により、買主も売主の事業によって生じた債務を弁済する責任を負います。ただし、事業を譲り受けた後、遅滞なく、責任を負わない旨を登記した場合は、この責任を負いません。売主と買主から遅滞なく債権者へその旨を通知した場合も、通知を受けた債権者に対しては責任を負いません(同条第2項)。手続の詳細は、会社分割・事業譲渡での商号続用の際の留意点で説明しています。

表明保証と補償の範囲は妥当か

売主は、表明保証事項に「売主が知る限り」などの限定を設けるかを検討します。限定を設ける場合は、誰の認識を基準にするか、実際に知っている事実に限るか、合理的な調査により知り得た事実を含むかを定めます。

買主は、デューデリジェンスで確認できなかった事項を表明保証で補えるか、補償の上限額や請求期間が損失に見合うかを確認します。

競業避止義務の範囲は広すぎないか

売主が譲渡後も別の事業を続ける場合は、その事業が競業に該当しないことを契約書で明確にする方法があります。禁止する事業・地域・期間が、譲渡事業を保護するために必要な範囲を超えていないかを確認します。

買主は、売主による顧客や従業員の勧誘を防げる内容になっているかを確認します。範囲が過度に広い特約は、公序良俗等との関係で効力が争われる可能性があります。

事業譲渡契約書の収入印紙・印紙税

事業譲渡契約書の内容が、印紙税法上の「営業の譲渡に関する契約書」に該当する場合、第1号文書として印紙税の課税対象になります。印紙税の額は、原則として契約書に記載された契約金額によって決まります。消費税の課税事業者が消費税額等を区分して記載した場合は、その金額を記載金額に含めない取扱いがあります。

印紙税額の一覧

記載された契約金額に応じた本則税額は、次のとおりです。

記載された契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円超50万円以下 400円
50万円超100万円以下 1,000円
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 1万円
1,000万円超5,000万円以下 2万円
5,000万円超1億円以下 6万円
1億円超5億円以下 10万円
5億円超10億円以下 20万円
10億円超50億円以下 40万円
50億円超 60万円
契約金額の記載がないもの 200円

参考:国税庁「印紙税額の一覧表(その1)」

不動産の譲渡に関する契約を含む第1号文書は、記載金額が10万円を超え、2027年3月31日までに作成されるなどの要件を満たす場合、軽減措置の対象となり得ます。具体的な税額は、税理士・税務署等へご確認ください。

契約の成立を証明する紙の契約書を原本として2通作成し、売主と買主が1通ずつ保管する場合は、それぞれが課税文書となり、2通分の印紙税が課されます。貼り付けた収入印紙には、印章または署名で消印をします。収入印紙を貼り忘れても契約の効力には影響しませんが、過怠税が課される場合があります。

電子契約を利用する場合

契約の締結・保存を電子データのみで完結し、印紙税の課税対象となる紙の原本を作成・交付しない場合、印紙税は課されません。

ただし、電子契約とは別に、署名・押印した紙の契約書を作成・交付する場合は、その紙の文書について課税関係を確認する必要があります。

印紙代は売主と買主のどちらが負担するか

印紙税法上、売主と買主が共同で作成した契約書は、双方が連帯して印紙税を納める義務を負います。どちらが負担するかは当事者間で決めることができ、それぞれが保管する1通分を負担する方法や、契約書の費用負担条項で定める方法があります。ただし、当事者間で負担を分けても、印紙税法上の連帯納税義務は変わりません。

事業譲渡契約書のひな形とリーガルチェック

ひな形は契約書の項目を確認する参考資料ですが、対象事業の資産・債務・契約・従業員・許認可や、デューデリジェンスで判明した問題までは反映されていません。表明保証・補償・競業避止義務なども、ひな形の文言をそのまま利用すると一方当事者に過度な負担が生じることがあるため、取引内容に合わせて修正します。

当事務所のフォーマット(ひな形)・逐条解説

事業譲渡契約書のフォーマット(ひな形)と、条項ごとの逐条解説を公開しています。

相手方が作成した契約書のリーガルチェック

相手方が作成した契約書には、相手方の要望やリスク判断が反映されていることがあります。そのまま締結すると、自社に必要な条項が不足していたり、自社だけに広い責任が課されていたりする可能性があります。

リーガルチェックでは、譲渡対象の不足、表明保証・補償の範囲、解除条件、競業避止義務、クロージングの前提条件などを確認し、必要に応じて修正案を提示します。締結後に条件を変更することは容易ではないため、署名・押印や電子署名の前に確認します。

当事務所の契約書のリーガルチェックもあわせてご覧ください。

事業譲渡契約書の作成・チェックは当事務所へ

事業譲渡契約書では、対象事業に応じて、譲渡資産・承継債務・契約・従業員・許認可・表明保証・補償などを定める必要があります。当事務所は、契約書の作成・チェックから、契約締結後の紛争対応まで支援しています。

当事務所に依頼するメリット

大手法律事務所での勤務経験を含め、M&Aに20年以上携わる弁護士が対応し、これまでに400件超のM&A案件に関与してきました。株式譲渡・合併・会社分割・事業譲渡などの法務に加え、価格算定や契約交渉にも対応し、公認会計士・税理士・社会保険労務士とも連携しています。

契約書の作成・チェックは、売主側・買主側のいずれの立場でもお引き受けします。表明保証違反や補償請求などのM&Aトラブルについて交渉から訴訟まで対応しているため、締結後に問題が判明した場合の責任も考慮して条項を検討します。

ご相談の流れ・お問い合わせ

契約書の作成をご検討中の方、相手方から提示された契約書のチェックをご希望の方は、お電話またはご相談フォームからお問い合わせください。費用は対象事業や業務範囲によって異なります。お見積り自体に費用が生じる場合もあるため、条件は費用体系のページでご確認ください。

契約交渉中の段階だけでなく、基本合意書の締結前、デューデリジェンスの実施前、相手方から契約書が提示された段階でもご相談いただけます。

事業譲渡契約書に関するよくある質問

事業譲渡契約書は必ず作成しなければなりませんか?

事業譲渡契約は、法律上、契約書の作成が成立の要件とされているわけではありません。ただし、会社法第467条の承認は事業譲渡に係る契約を対象とするため、契約の内容が定まっていることが前提になります。譲渡対象・譲渡価格・移転手続・当事者の責任を明確にするためにも、実際の取引では契約書を作成して締結します。

事業譲渡契約書は売主と買主のどちらが作成しますか?

どちらが作成するかについて、法律上の決まりはありません。買主がデューデリジェンスの結果を反映させて最初の案を作ることもあれば、売主が譲渡対象や責任の範囲を先に示すこともあります。最初に案を提示する側は、自社の考え方を反映した条項を交渉のたたき台にできます。

締結後に契約書の内容と異なる問題が発覚したらどうなりますか?

発覚した事実が表明保証に違反し、補償条項の要件を満たす場合は、売主へ補償を請求できる可能性があります。契約上の義務に違反している場合は、債務不履行に基づく損害賠償や解除が問題になることもあります。

請求の可否は、契約書の文言、通知期限、請求期間、上限額、免責事由等によって異なるため、問題が判明した段階で契約書と開示資料をご確認のうえ、弁護士へご相談ください。

事業譲渡契約書の作成・チェックにかかる費用はどれくらいですか?

依頼する業務、対象事業の規模、契約書の作成・修正の範囲、別紙の数、交渉やクロージング対応の有無によって異なります。当事務所では、原則としてアワリー・レート(時間当たりの費用請求)を採用し、中堅・中小企業のM&Aについては固定費用の体系も設けています。費用は業務範囲によって変わるため、M&A契約書の作成・チェックの費用体系をご確認のうえ、お問い合わせください。

個人事業主が事業を譲渡する場合も事業譲渡契約書は必要ですか?

個人で事業を営む方の場合も、譲渡対象の特定、従業員や取引先の承諾、許認可の確認といった手続は、会社の事業譲渡と共通します。一方で、会社法第467条の株主総会の承認など、会社に固有の手続は適用されません。

会社が商法上の商人から営業を譲り受け、譲渡人の商号として用いられていた屋号等を引き続き使用する場合は、会社法第24条第2項・第22条により、譲渡人の事業上の債務について弁済責任が生じることがあります。税務上の取扱いは、税理士・税務署等へご確認ください。

本記事は、公開日時点の法令と裁判例をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個別の事案についての法的助言ではなく、実際のご判断にあたっては弁護士にご相談ください。記載内容の適用によって生じた結果について、当事務所は責任を負いかねます。

具体的なご相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次の御案内のページに整理しています。あわせて御覧ください。

この記事の著者

弁護士 土屋勝裕(弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士)

弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件超のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応。

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