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M&A(株式譲渡・事業譲渡)と印紙税

公開 2019年10月13日更新 2026年10月30日

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M&Aの契約書に係る印紙税に関するページです。本ページは、株式譲渡契約書、事業譲渡契約書その他のM&Aの契約書ごとに、課税の有無と税額の考え方をご説明します。各契約書の条項の読み方は、次の関連するページをご参照ください。

▶ 株式譲渡契約書とは 記載内容や注意点の解説とフォーマットも公開

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本記事は、株式譲渡又は事業譲渡の契約書、代金の領収書、契約金額を変更する覚書に収入印紙を貼る必要があるか、貼るとすればいくらかを確かめたい経営者の方及びご担当者の方に向けたものです。合併契約書、会社分割の契約書及び電子契約の扱いも併せて整理しています。

株式譲渡又は事業譲渡によるM&Aを進めておられる経営者の方及びご担当者の方から、契約書に収入印紙を貼る必要があるのか、貼るとすればいくらの印紙を貼るのか、というご質問をしばしばお受けします。契約の内容や金額の交渉に比べますと地味な論点ですが、判断を誤りますと、実際に金銭の負担が生じます。

印紙税の取扱いは、株式譲渡と事業譲渡とで全く異なります。株式譲渡契約書には印紙税が課されないのに対し、事業譲渡契約書には契約金額に応じた印紙税が課されます。また、代金の領収書、契約金額を変更する覚書、合併契約書及び会社分割の契約書についても、それぞれ別の取扱いが定められています。

貼付を怠りますと、本来の印紙税額の3倍に相当する過怠税を課されるおそれがあります。逆に、課税されない文書に多額の印紙を貼ってしまいますと、還付の手続を経なければ費用が戻りません。本記事では、M&A(株式譲渡・事業譲渡)の実務において問題となる印紙税の取扱いを、現行の印紙税法の規定に即して整理します。

印紙税は文書の内容によって決まります

 課税されるのは印紙税法別表第1に掲げられた文書だけです

印紙税は、すべての契約書に課される税ではありません。印紙税法別表第1の課税物件表に掲げられた文書に限って課税されます。課税物件表に掲げられていない文書は、どれほど重要な契約書であっても、印紙税が課されません。これを実務では不課税文書と申します。

M&Aの実務で問題となる号数は、おおむね次のとおりです。第1号文書(不動産、鉱業権、無体財産権、船舶、航空機又は営業の譲渡に関する契約書等)、第2号文書(請負に関する契約書)、第5号文書(合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書)、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)、第15号文書(債権譲渡又は債務引受けに関する契約書)、及び第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)です。

 表題ではなく記載された内容によって判断します

課税文書に当たるかどうかは、文書の表題ではなく、記載されている内容の実質によって判断されます。「覚書」「念書」「合意書」といった表題であっても、内容が営業の譲渡に関する契約であれば第1号文書として課税されます。反対に、「契約書」という表題であっても、課税物件表のいずれにも当たらなければ課税されません。

1通の文書に複数の課税事項が記載されている場合には、所属の決定の規定(印紙税法別表第1の課税物件表の適用に関する通則)に従って、いずれの号に所属するかを決めることとなります。M&Aの契約書は分量が多く、複数の事項を1通にまとめがちですので、この点の確認を要します。

 印紙を貼っていなくても契約の効力には影響しません

誤解の多い点ですので念のため申し添えますが、収入印紙を貼っていないことによって契約が無効になることはありません。印紙税は文書の作成という事実に着目して課される流通税であり、契約の成立及び効力とは無関係です。もっとも、後述の過怠税の問題は別に生じますので、貼付を怠ってよいということではありません。

株式譲渡契約書には印紙税が課されません

 株式の譲渡は課税物件表のいずれにも当たりません

株式譲渡契約書は、不課税文書です。株式は有価証券ですが、印紙税法別表第1の第1号文書に掲げられているのは、不動産、鉱業権、無体財産権、船舶、航空機及び営業の譲渡に関する契約書であり、有価証券の譲渡はここに含まれていません。また、株式は債権ではありませんので、債権譲渡に関する契約書である第15号文書にも当たりません。

したがいまして、譲渡代金が10億円であっても100億円であっても、株式譲渡契約書そのものには収入印紙を貼る必要がありません。M&Aの実務では、株式譲渡の方式を採る限り、契約書についての印紙税の負担は生じないということになります。

 同じ1通に他の課税事項を書き込むと課税されます

注意を要しますのは、株式譲渡契約書に他の事項を併せて記載する場合です。例えば、株式の譲渡と同時に、対象会社に対する代表者の貸付金債権を譲渡する旨を同じ1通に記載しますと、債権譲渡に関する契約書として第15号文書に該当し、200円の印紙税が課されます。また、対象会社の不動産を併せて譲渡する旨を記載しますと、第1号文書に該当することとなります。

実務上は、株式の譲渡と債権の譲渡とを別々の契約書に分けることによって、この問題を避けることができます。もっとも、印紙税の負担は200円ですので、契約の構成を印紙税のために歪めることが適切かどうかは、別途の判断を要します。

 基本合意書、意向表明書及び秘密保持契約書の扱い

基本合意書、意向表明書、秘密保持契約書は、いずれも通常は不課税文書です。ただし、基本合意書の中に営業の譲渡の内容及び対価を確定的に記載し、当事者を法的に拘束する趣旨が明らかである場合には、第1号文書に該当する余地があります。文書の記載内容によって結論が変わりますので、金額の大きい案件では個別に確認することをお勧めします。

事業譲渡契約書は第1号文書に該当します

 「営業の譲渡に関する契約書」として課税されます

事業譲渡契約書は、印紙税法別表第1の第1号の1文書(営業の譲渡に関する契約書)に該当します。ここでいう営業の譲渡とは、一定の営業目的のために組織化され、有機的一体として機能する財産の全部又は一部を譲渡することをいい、会社法上の事業譲渡がこれに当たります。

納税義務者は課税文書の作成者です(印紙税法第3条第1項)。2以上の者が共同して作成した文書については、作成者は連帯して印紙税を納める義務を負います(同条第2項)。実務では、譲渡人及び譲受人がそれぞれ1通ずつ保有する2通を作成し、それぞれが自らの保有する1通に印紙を貼付する取扱いが一般的です。2通作成すれば、印紙税も2通分必要になります。

 記載された契約金額に応じた税額

第1号文書の税額は、契約書に記載された契約金額の区分に従って次のとおり定められています。

記載された契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 400円
50万円を超え100万円以下 1,000円
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
5,000万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 20万円
10億円を超え50億円以下 40万円
50億円を超えるもの 60万円
契約金額の記載のないもの 200円

契約金額を記載しなければ200円で済むという扱いは、実務では採用しにくいものです。譲渡の対価が定まっていない契約書は、契約書としての意味を欠くためです。なお、契約金額が他の文書によって明らかである旨を記載している場合には、その文書の金額が記載金額とみなされる場合があります。

 不動産の譲渡に関する軽減措置は営業の譲渡には及びません

不動産の譲渡に関する契約書及び建設工事の請負に関する契約書につきましては、租税特別措置法第91条により印紙税額を軽減する特例が設けられており、令和9年3月31日までに作成されるものに適用されます。もっとも、事業譲渡契約書は「営業の譲渡に関する契約書」であって、「不動産の譲渡に関する契約書」ではありませんので、この軽減措置の適用を当然には受けられません。

事業に属する不動産を事業譲渡契約書の中で併せて移転する場合の取扱いにつきましては、記載の仕方によって判断が分かれ得ます。金額の大きい案件では、契約書の案文を確定させる前に、所轄の税務署又は税理士に確認しておくことが安全です。

 消費税額を区分して記載すれば記載金額から除かれます

第1号文書、第2号文書及び第17号文書につきましては、消費税及び地方消費税の額が区分して記載されている場合には、その消費税額等を記載金額に含めないこととされています。事業譲渡では、棚卸資産、機械設備、営業権など消費税の課税対象となる資産が含まれますので、この取扱いによって税額の区分が1段階下がることが少なくありません。

例えば、譲渡代金が消費税込みで1億1,000万円である場合、「譲渡代金1億円、消費税及び地方消費税1,000万円、合計1億1,000万円」と区分して記載すれば記載金額は1億円となり、印紙税額は6万円です。区分せずに「1億1,000万円(消費税込み)」とのみ記載しますと記載金額は1億1,000万円となり、印紙税額は10万円となります。4万円の差が生じますので、契約書の案文を作成する段階で必ず確認すべき事項です。

M&Aの契約書の作成と、買主から示された株式譲渡契約書の案文の確認は、次のページでご案内しています。

契約金額を変更する覚書の扱い

 増額する場合は増加額のみが記載金額となります

事業譲渡契約の締結後に、デューデリジェンスの結果や運転資本の調整によって譲渡価格を変更することがあります。この場合に作成する変更契約書又は覚書も、変更前の契約書の号数に従って課税されます。

変更契約書に変更前の契約金額と変更後の契約金額の双方が記載されている場合には、その差額が記載金額となります。すなわち、1億円を1億2,000万円に増額する覚書であれば、記載金額は2,000万円となり、印紙税額は2万円です。変更後の金額のみを記載した場合には、その金額全体が記載金額となりますので、差額を明示して記載するほうが有利です。

 減額する場合は200円です

契約金額を減額する変更契約書につきましては、契約金額の記載のない第1号文書として200円となります。減額であるにもかかわらず変更後の金額のみを記載しますと、その金額が記載金額と扱われるおそれがありますので、変更前の金額と変更後の金額とを併記することが実務上の要点です。

代金の領収書は第17号文書です

 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書

株式譲渡代金及び事業譲渡代金の領収書は、印紙税法別表第1の第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)に該当し得ます。株式の譲渡も事業の譲渡も、資産を譲渡することの対価を受け取るものですので、売上代金に当たります。

もっとも、記載された受取金額が5万円未満のものは非課税であり、また、営業に関しないものも非課税とされています(同号の非課税物件欄)。M&Aの実務で問題となるのは、後者の「営業に関しないもの」の解釈です。

 「営業に関しないもの」の意味

個人が、営業として行うのではなく、自らの私的な財産を処分してその対価を受け取る場合には、その領収書は営業に関しないものとして非課税となります。したがいまして、個人株主が自らの保有株式を譲渡して受け取る代金の領収書は、非課税となるのが通常です。

これに対し、株式会社その他の営利法人が作成する受取書は、その行為が営業の目的を遂行するために直接必要なものであるかどうかを問わず、原則として営業に関するものとして課税されます。法人株主が株式譲渡代金を受け取る場合の領収書は課税文書となります。

また、譲渡人が個人である場合であっても、個人事業者が自らの事業に関して作成する受取書は営業に関するものとして課税されます。個人事業の事業譲渡においては、譲渡人が個人であっても領収書に印紙が必要となりますので、この点は誤りやすいところです。

 銀行振込による決済であれば領収書は不要です

実務上、M&Aの代金は銀行振込により決済されることがほとんどです。振込の方法によって決済し、別途に領収書を作成しなければ、そもそも課税文書が存在しませんので、印紙税の問題は生じません。金融機関の振込明細書は、金銭の受取事実を証明するために作成される文書ではありませんので、第17号文書には当たりません。

 第17号の1文書の税額

記載された受取金額 印紙税額
5万円未満 非課税
5万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 2,000円
1,000万円を超え2,000万円以下 4,000円
2,000万円を超え3,000万円以下 6,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 2万円
1億円を超え2億円以下 4万円
2億円を超え3億円以下 6万円
3億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 15万円
10億円を超えるもの 20万円
受取金額の記載のないもの 200円

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

合併契約書及び会社分割の契約書は第5号文書です

組織再編の方法によるM&Aを行う場合の文書につきましては、別の定めが置かれています。合併契約書、吸収分割契約書及び新設分割計画書は、第5号文書として、契約金額のいかんにかかわらず一律に4万円の印紙税が課されます。

これに対し、株式交換契約書、株式移転計画書及び株式交付計画書は、課税物件表に掲げられていませんので不課税文書です。組織再編の手法の選択に当たり印紙税が決定的な要素となることはありませんが、複数の手法を比較する際の費用の一項目として把握しておくべきものです。

電子契約には印紙税が課されません

 課税の対象は「文書の作成」です

印紙税は、課税文書を作成した者に対して課されます(印紙税法第3条第1項)。ここでいう作成とは、印紙税法基本通達第44条により、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいうものとされています。

電子契約は、契約の内容を電磁的記録として作成し、電子署名を付して電磁的方法により相手方に交付するものです。電磁的記録は印紙税法にいう「文書」に当たりませんので、課税文書の作成がなく、印紙税は課されません。これは、事業譲渡契約書のように紙で作成すれば10万円、20万円の印紙税を要する文書について、その負担を完全に回避することができるということを意味します。

 印刷して署名押印すればその紙が課税文書になります

注意を要しますのは、電子契約により締結した後に、保管又は社内手続のために契約書を印刷する場合です。単に控えとして印刷しただけの用紙は課税文書に当たりませんが、印刷した紙に当事者が改めて署名又は押印をしますと、その紙が課税文書として成立し、印紙税が課されます。

また、電子的に作成した契約書の写しであっても、正本と相違ない旨の証明が付されているものや、当事者の押印があるものは、課税文書として扱われます。電子契約に切り替えたつもりでありながら、社内の慣行として紙にも押印しているという事例が見受けられますので、運用の確認を要します。

 電子契約に切り替える場合の実務上の注意

M&Aの案件で電子契約を用いる場合には、印紙税の節減という利点のほかに、次の点を確認しておく必要があります。第1に、対象会社の許認可の承継や登記の申請において、紙の契約書の提出が求められる場合があることです。第2に、金融機関に対して契約書を提出する場合の取扱いです。第3に、後日の紛争において、電子署名の有効性及びタイムスタンプの信頼性を立証することができるかどうかです。

印紙税の負担のみを理由として電子契約を選択することは適切ではありません。手続の全体を見渡したうえで判断すべき事柄です。

印紙を貼らなかった場合の過怠税

 本来の印紙税額の3倍が課されます

課税文書の作成者が印紙税を納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額と、その2倍に相当する金額との合計額、すなわち本来の税額の3倍に相当する過怠税が課されます(印紙税法第20条第1項)。事業譲渡契約書に10万円の印紙を貼らなかった場合、30万円の過怠税を課されるということです。

 自主的に申し出た場合は1.1倍に軽減されます

税務調査があったことにより過怠税の決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、自主的に不納付を申し出たときは、過怠税は本来の印紙税額の1.1倍に軽減されます(印紙税法第20条第2項)。貼り忘れに気付いた場合には、所轄の税務署に印紙税不納付事実申出書を提出することによって、負担を大きく減らすことができます。

 消印を欠いた場合

収入印紙を貼付しても、印章又は署名によって消印をしなければ、消印されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が課されます(印紙税法第20条第3項)。消印は、文書と印紙の彩紋とにかけて行います。契約書の作成に当たり見落とされがちな点です。

 過怠税は損金に算入されません

過怠税は、法人税法第55条の規定により、その全額が損金の額に算入されません。すなわち、30万円の過怠税を課された場合、法人税の計算上これを費用として扱うことができず、実質的な負担はさらに大きくなります。

誤って貼った印紙は還付を受けることができます

不課税文書に誤って印紙を貼付した場合、必要な金額を超える印紙を貼付した場合、又は印紙を貼付した文書を結果として使用しなかった場合には、印紙税過誤納確認申請書を所轄の税務署長に提出することにより、還付を受けることができます。

申請に当たっては、過誤納となっている文書の原本を提示する必要があります。還付を受けることができる期間は、納付の日から5年です。株式譲渡契約書に誤って印紙を貼付してしまったという事例は実際にしばしば生じますので、この手続をご記憶ください。

M&Aの印紙税について、契約書の案文を確定させる前に確認すべき事項

第1に、採用する手法が株式譲渡か事業譲渡か、組織再編かによって、課税の有無と税額が全く異なります。第2に、事業譲渡契約書では、消費税及び地方消費税の額を区分して記載しているかどうかを確認します。第3に、契約書を何通作成するかによって印紙税の総額が変わります。第4に、価格を変更する覚書では、変更前の金額と変更後の金額とを併記します。第5に、電子契約による場合には、紙に署名押印する運用が残っていないかを確認します。

よくあるご質問

 株式譲渡契約書に印紙を貼ってしまいました。どうすればよいでしょうか

所轄の税務署に印紙税過誤納確認申請書を提出することによって還付を受けることができます。契約書の原本を提示する必要がありますので、原本を保管したうえで手続を行ってください。納付の日から5年以内であれば還付の対象となります。

 契約書を2通作成した場合、印紙は2通に貼るのでしょうか

そのとおりです。印紙税は文書ごとに課されますので、2通作成すれば2通分の印紙税が必要となります。事業譲渡において印紙税の負担を抑えたい場合には、原本を1通のみ作成して譲渡人が保管し、譲受人は写しを保有するという方法が採られることがあります。ただし、写しに当事者の押印を加えますと、その写しも課税文書となりますので注意を要します。

 譲渡価格を3回改定しました。そのたびに印紙が必要でしょうか

変更契約書又は覚書を作成するたびに、その文書について印紙税が課されます。ただし、記載金額は変更後の全体の金額ではなく、変更前の金額と変更後の金額との差額です。増額の場合はその差額に対応する税額となり、減額の場合は契約金額の記載のない第1号文書として200円となります。変更前の金額を必ず併記してください。

 事業譲渡契約書の記載金額に、承継する負債の金額を含めるのでしょうか

営業の譲渡の対価として支払われる金額が記載金額となります。承継する負債の額を対価から控除する形で価格を定めている場合には、実際に支払われる譲渡代金の額が記載金額となるのが通常です。もっとも、契約書の記載の仕方によって判断が分かれ得ますので、金額の大きい案件では事前に確認されることをお勧めします。

 印紙を貼らないまま契約を締結してしまいました。契約は有効でしょうか

契約は有効です。印紙税の納付は契約の成立要件でも効力要件でもありません。ただし、過怠税の問題が残りますので、気付いた時点で所轄の税務署に印紙税不納付事実申出書を提出し、本来の税額の1.1倍を納付する取扱いを受けることをお勧めします。

おわりに

印紙税は、M&Aの案件全体から見れば小さな金額です。しかし、株式譲渡と事業譲渡とで取扱いが正反対であること、消費税額の区分記載の有無で税額が変わること、貼り忘れには3倍の過怠税があることは、いずれも契約書の案文を確定させる段階で確認しておかなければ、後から取り返しがつかない事柄です。

当事務所は、株式譲渡及び事業譲渡の契約書の作成及び審査を数多く取り扱っています。契約書の内容そのものの検討に加え、印紙税を含む付随的な費用の取扱いにつきましても、案件の全体を見渡したうえでご助言します。M&Aの契約書の作成又は確認についてご検討の方は、お気軽にご相談ください。

具体的なご相談をお考えの皆様へ

本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次のご案内のページに整理しています。あわせてご覧ください。

この記事の著者

弁護士 土屋勝裕(弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士)

弁護士法人M&A総合法律事務所の代表弁護士。長島・大野・常松法律事務所、ペンシルバニア大学ウォートン校留学、上海市大成律師事務所執務などを経て事務所設立。400件程度のM&Aに関与。米国トランプ大統領の娘イヴァンカさんと同級生。現在、M&A業務・M&A法務・M&A裁判・事業承継トラブル・少数株主トラブル・株主間会社紛争・取締役強制退任・役員退職慰労金トラブル・事業再生・企業再建に主として対応。

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