会社資本金(1000万円)と消費税について!

  • 2019年10月13日
  • 2026年9月4日
  • M&A

会社を設立しようとしている方又は増資を検討している経営者の方が、資本金の額が1000万円になると消費税の取扱いがどう変わるのかが分からず悩んでいる場面を想定しています。

資本金の額によって消費税の納税義務の有無が変わるため、これを把握しないまま資本金の額を決定すると、想定していなかった消費税の納税義務が生じるおそれがあります。

そこで本記事では、会社の資本金の額が1000万円である場合の消費税の取扱いについて説明します。

会社資本金(1000万円)と消費税について

最近、この時期になると、資本金が950万円や9000万円の会社となるよう、資本金の額の減少をすることが多いのですが、資本金の境界線と言われるものがあります。

資本金1000万円の境界線の問題では、消費税の問題が生じます。

会社設立時に資本金が1000万円以上の場合、課税事業者となり、消費税を納税する義務を負いますが、資本金が1000万円未満であれば設立後2事業年度は消費税の免税業者となります。

しかし、この消費税免税については、やや厳しい要件が付いています。

すなわち、新規法人が以下を全て満たした場合のみ、一般的に2年間は免税となります。

  1. 資本金1,000万円未満
  2. 特定期間(原則として前事業年度開始の日以後6か月の期間)における課税売上高が1,000万円以下であること、又は同期間の給与等支払額の合計額が1,000万円以下であること(いずれかを満たせば足ります)
  3. 特定新規設立法人に該当しないこと(課税売上高が5億円を超える事業者等が50パーセント超の出資をして設立した法人のほか、令和6年度税制改正により、令和6年10月1日以後に開始する課税期間からは、国外分を含む総収入金額が50億円を超える者が50パーセント超の出資をして設立した法人も対象に加えられております)
  4. 会社分割ではない

うーん。最近、会社分割の際に、社長が資本金を950万にすることに拘っていたけど、大丈夫ですかね。

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適格請求書等保存方式(インボイス制度)を踏まえた検討が必要でございます

令和5年10月1日から適格請求書等保存方式が開始されております。この制度の下では、買手が仕入税額控除を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者が交付する適格請求書の保存を要します。

適格請求書発行事業者となるためには課税事業者である必要がございますので、免税事業者にとどまることを選択した場合、取引先が仕入税額控除を受けられないこととなり、取引条件の見直しや取引そのものの見直しを求められる可能性がございます。

したがって、資本金の額を1,000万円未満とすることによる2事業年度の免税という利点は、取引先の属性によっては、必ずしも実質的な利益とならない場合がございます。事業者向けの取引(BtoB)が中心である場合には特に慎重な検討を要します。他方、一般消費者向けの取引(BtoC)が中心である場合には、免税事業者にとどまることの不利益は相対的に小さいと考えられます。

なお、免税事業者から適格請求書発行事業者となった場合の税額計算の特例(いわゆる2割特例)及び一定規模以下の事業者に係る少額特例には、いずれも適用期間が定められております。適用の可否及び期間につきましては、税理士に御確認ください。

M&A及び会社分割の場面における留意点

本文中にも触れられておりますとおり、会社分割により設立された法人については、免税事業者の判定において分割前の会社の課税売上高を考慮する特例がございます。資本金の額を1,000万円未満としたことのみをもって免税となるわけではございません。

また、M&Aにおいて対象会社の資本金の額の減少を行う場合には、株主総会の決議及び債権者保護手続を要し(会社法第447条、第449条)、官報公告の入稿から効力発生までに1か月以上の期間を要します。クロージングの日程との関係で、早期に着手する必要がございます。

※本記事の税務に関する記載は一般的な説明でございます。具体的な事案における課税関係につきましては、必ず税理士に御確認ください。

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