許認可の承継がクロージングまでに間に合わない場合に何ができるか

この記事の位置付け

許認可の承継は、契約の前にどの方法で承継するかを選ぶ場面と、契約の後に審査の期間が決済日を越えると判明した場面とに分かれますので、次のとおり切り分けます。本ページは後者を扱います。

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最終契約の締結を終え、決済の日まで3週間という段階で、担当者から連絡が入りました。事業譲渡に伴う許可の申請について行政庁に照会したところ、「書類がそろってから審査に数箇月を要する」と回答されたというのです。契約書には、クロージングの前提条件として「買主が本件事業の遂行に必要な許認可を取得していること」と書かれています。買主は予定どおり決済したいと言い、売主は決済が延びれば資金繰りが持たないと言っています。

この局面は、許認可を要する事業のM&Aにおいて、決して珍しいものではありません。契約の交渉に注力するあまり、行政庁の審査に要する期間を実際に確認しないまま日程を組んでしまうことが原因です。そして、いったんこの局面に陥ると、当事者はしばしば最も危険な選択、すなわち「許可がないまま、事実上、買主が事業を動かしてしまう」という対応に流れます。

結論から申し上げます。許認可が間に合わないと判明した場合に採り得る対応は、決済日の再設定、前提条件の放棄、売主の許可のもとでの暫定的な運営、代金の一部留保の4つであり、この4つを組み合わせて設計します。そして、いずれの対応を採る場合でも、無許可営業となる境界線を越えないことが絶対の前提です。以下、順にご説明します。

この記事の結論と、判断の順序

判断は、次の順序で行ってください。順序を誤ると、無許可営業の危険を残したまま日程だけが動くことになります。

  • 第1段階 当該の許認可が、認可により地位を承継できる型か、買主が新たに取得する型かを確定します。
  • 第2段階 行政庁に対し、申請の受理の状況と、審査に要する見込みの期間を照会し、その回答を書面又は記録の形で残します。
  • 第3段階 契約書の前提条件、期限、解除の各条項を読み、決済日を動かした場合に何が起きるかを確認します。
  • 第4段階 4つの対応のうち、どれを組み合わせるかを決め、変更の合意書を作成します。

この4段階のうち、実務で省略されがちなのが第2段階です。担当者が電話で聞いた話を、そのまま前提として日程を組み直すと、後日、行政庁の見解が異なっていた場合に、当事者間で責任の所在をめぐる争いが生じます。照会の日、相手方の部署と職名、回答の内容を記録に残してください。

なぜ許認可は「間に合わない」ことがあるのか

確認事項 許可の性質により、承継の仕組みが根本的に異なります

許認可の承継の仕組みは、大きく二つに分かれます。この区別が、間に合うかどうかを決めます。

第一は、認可先行型です。事業の譲渡や会社の分割について、あらかじめ行政庁の認可を受けておけば、譲受人が譲渡人の地位を承継するという仕組みです。この型の場合、認可を受けた時点で承継の効果が生じますので、認可の日と決済の日をそろえる必要があります。認可が下りていない状態で決済を行うと、事業を営む資格のない者が事業を持つことになります。

第二は、新規取得型です。譲受人が、自らの名で新たに許可を申請し、取得するという仕組みです。この型の場合、許可の取得は譲渡人の地位の承継ではありませんので、譲渡人の許可は失効し、譲受人の許可が新たに発生します。この二つの間に空白が生じると、その期間は誰も適法に事業を営めません。

そして、株式譲渡による取引であれば、対象会社の法人格が変わりませんので、原則として許認可はそのまま存続します。もっとも、業種によっては、役員の変更や主要株主の変更について届出又は承認を要するものがありますので、「株式譲渡だから何もしなくてよい」と考えることはできません。

例外 審査の期間が延びる典型的な原因

行政庁が示す標準的な処理の期間は、書類が完備していることを前提とするものです。実務で期間が延びるのは、次の場合です。

  • 専任の技術者や管理者として届け出る予定の者が、要件を満たすことの証明に時間を要する場合。実務経験の証明について、前の勤務先からの資料を要することがあります。
  • 営業所や事業場の要件について、現地の確認を要する場合。
  • 申請の内容に補正を求められた場合。補正の期間は、標準的な処理の期間に算入されないのが通常です。
  • 行政庁の内部で、複数の部署や上級庁との協議を要する場合。

したがって、日程を組む際には、標準的な期間そのものではなく、補正の往復を織り込んだ期間を見込む必要があります。

選び得る4つの対応

第一の対応 決済日の再設定

最も単純で、最も安全な対応です。契約書の実行日を、認可又は許可の見込みの時期の後ろへ動かします。当事者双方が合意すれば足りますので、法的な障害はありません。

手続としては、変更の合意書を作成します。合意書には、次の事項を記載してください。新たな実行日。実行日までに双方が行うべき事項。実行日までの間、対象会社の運営について売主が負う義務、すなわち通常の業務の範囲を超える行為を行わない旨。そして、新たな実行日までに許認可が得られなかった場合の取扱い、すなわち更に延期するのか、解除できるのかという定めです。

再設定に伴い、実務上、次の調整が必要になります。第一に、対象会社の決算期をまたぐ場合の価格の調整の基準日をどうするか。第二に、締結日から実行日までの間の損益の帰属をどうするか。第三に、従業員への説明や取引先への通知の時期をどうするか。第四に、売主の資金繰りが持たない場合に、手付又は一部前払を行うかどうかです。

第二の対応 前提条件の放棄

契約書に定められた前提条件は、その条件によって利益を受ける当事者が放棄することができるのが通常です。「買主が必要な許認可を取得していること」という条件は、買主の利益のために置かれたものですから、買主が放棄すれば、条件が満たされていなくても決済を行うことができます。

ただし、放棄できるのは契約上の条件であって、法律上の要件ではありません。ここが決定的に重要です。許可がないまま事業を営むことが法律上禁じられている場合、当事者が契約で「条件を放棄する」と合意しても、無許可営業が適法になるわけではありません。前提条件の放棄が使えるのは、次の場合に限られます。

  • 許認可の対象となる事業が、対象会社の事業の一部にとどまり、その部分の運営を実行日の後も売主の側に残す設計が可能な場合。
  • 許認可が事業の遂行そのものの要件ではなく、入札の参加資格や補助金の受給要件にとどまる場合。
  • 株式譲渡であって、許認可は対象会社に残り、届出のみが未了である場合。

放棄を行う場合には、放棄の意思表示を書面で行い、放棄の範囲を明示してください。「本条第○号の条件を放棄する」という形で、条件の番号を特定します。あわせて、放棄した条件に対応する表明保証や補償の取扱いを確認してください。条件を放棄したことにより、その事項についての補償の請求までも放棄したものと解釈される定めが置かれている契約書がありますので、注意を要します。

第三の対応 売主の許可のもとでの暫定的な運営

実行日には株式又は事業を移すが、許認可を要する部分の業務については、許可を有する売主の側が引き続き名義人として遂行し、買主の側がこれを支援するという設計です。業務委託契約、外注、代理店契約といった形が用いられます。

この対応は、当事者にとって最も便利に見えますが、最も危険でもあります。名義だけを売主に残し、実質的には買主が事業を差配している状態は、業法が禁じる名義貸しに当たる余地があるからです。多くの業法は、許可を受けた者が自己の名義をもって他人に事業を営ませることを禁じています。名義貸しと評価されれば、許可の取消しの事由となり得ます。

したがって、暫定的な運営を採る場合には、次の点を確保してください。第一に、許認可を要する業務についての意思決定と指揮命令が、実際に売主の側に残っていること。第二に、その業務に従事する者の雇用関係と労務の管理が、売主の側にあること。第三に、業務に伴う責任と費用の負担が、売主の側にあること。第四に、対価が、事業の利益の移転ではなく、役務の対価として合理的に算定されていること。第五に、この設計を採ることについて、あらかじめ所管の行政庁へ相談し、その内容を記録に残すことです。

第四の対応 代金の一部留保

決済は予定どおり行うが、代金の一部を留保し、許認可が得られた時点で支払うという設計です。第一から第三までの対応と組み合わせて用います。

留保の設計においては、次の事項を定めます。留保する金額。留保金を解放する条件、すなわち許認可が得られたことをどの書面により確認するか。解放の期限、すなわちその期限までに許認可が得られなかった場合に留保金がどうなるか。留保金を第三者に預託するのか、買主が保持するのか。そして、留保の期間中に生じた損害の負担です。

留保金の額は、許認可が得られなかった場合に買主が被る損失の見込みを基準とします。当該事業の年間の売上や利益、代替の手段を講じる費用、取引先との契約の解除に伴う負担などから算定してください。

無許可営業となる境界線

確認事項 誰が事業を営んでいるかは、名義ではなく実態で判断されます

無許可営業に当たるかどうかの判断において、契約書の表題や名義は決定的ではありません。判断の中心は、次の各点です。

  • 顧客との契約の当事者が誰か。請求書の発行者、代金の受領者は誰か。
  • 業務の遂行について、指揮命令を行っているのは誰か。
  • 業務に従事する者と雇用関係にあるのは誰か。
  • 事業に必要な設備や資格者を保有しているのは誰か。
  • 事業の損益が、最終的に誰に帰属しているか。

これらの大半が買主の側にありながら、名義のみが売主に残っている状態は、名義貸しと評価される危険が高いといえます。

例外 許認可を要しない附帯的な業務の範囲

許認可を要する業務と、要しない業務とが混在している事業では、要しない部分について先に買主が引き継ぐという整理が可能な場合があります。例えば、事務の受託、資材の調達、経理や人事の管理、情報システムの運用といった管理部門の業務です。

この整理を行う場合には、業務の範囲を契約書の別紙に列挙し、許認可を要する業務が含まれていないことを、所管の法令の条文に照らして確認してください。「附帯業務だから差し支えない」という感覚的な判断は避け、条文の文言に当てはめて判断することが必要です。

証拠 行政庁の回答を記録として残します

暫定的な運営の設計について所管の行政庁に相談した場合、その内容を記録に残してください。照会の日時、相手方の部署と職名、示した資料、回答の内容を記載した書面を作成し、可能であれば行政庁に確認を求めます。この記録は、後日、当事者間で責任を争うことになった場合にも、行政庁との関係で説明を求められた場合にも、重要な資料となります。

業種ごとの取扱い

建設業

建設業法第3条第1項は、建設業を営もうとする者は、許可を受けなければならない旨を定めます。そして、同法第17条の2は、建設業の譲渡及び譲受け並びに合併及び分割について、あらかじめ国土交通大臣又は都道府県知事の認可を受けることができる旨を定め、同法第17条の3は、この認可を受けて譲渡及び譲受けがあったときは、譲受人が譲渡人の建設業者としての地位を承継する旨を定めます。すなわち認可先行型です。

したがって、建設業においては、認可が下りる前に事業を移すことができません。認可の申請には、譲受人の側で経営業務の管理を担う者及び専任の技術者の要件を満たすことを示す資料が必要となりますので、この資料の準備に要する時間を見込んでください。認可が間に合わない場合の対応としては、決済日の再設定を第一に検討することになります。

貨物自動車運送事業

貨物自動車運送事業法第30条第1項は、一般貨物自動車運送事業の譲渡し及び譲受けは、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない旨を定めます。合併及び分割についても、同条において認可を要する旨が定められています。こちらも認可先行型であり、認可がなければ譲渡そのものの効力が生じません。

この業種では、営業所、車庫、休憩施設の要件、運行管理者及び整備管理者の選任が審査の対象となります。買主の側で運行管理者を確保できていない場合、審査は進みません。

産業廃棄物処理業

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3の3は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者について合併又は分割があった場合において、あらかじめ都道府県知事の承認を受けたときは、合併後の法人等がその地位を承継する旨を定めます。事業の譲渡については、この承継の仕組みが用意されていませんので、譲受人が新たに許可を取得する必要があります。すなわち、事業譲渡の方法を選ぶと新規取得型となり、会社分割の方法を選ぶと承認による承継が可能となります。

この業種は、都道府県ごとに許可を要し、収集運搬業については積込みの場所と荷卸しの場所の双方の許可を要します。複数の都道府県にまたがる事業では、それぞれについて手続を要しますので、最も遅い一つが日程を決めることになります。

その他の業種

宅地建物取引業については、宅地建物取引業法第3条第1項が免許を定め、同法第12条第1項が免許を受けない者の営業を禁じます。免許の承継の仕組みは限定されていますので、事業譲渡の場合には譲受人が新たに免許を取得する必要があります。

労働者派遣事業については、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第5条第1項が許可を定めます。介護保険の指定を受けた事業については、介護保険法第70条第1項が指定を定めており、事業所ごとの指定であることに注意を要します。飲食店については、食品衛生法第55条第1項が営業の許可を定めます。

いずれの業種についても、株式譲渡の方法を採れば対象会社の法人格が維持されますので、許認可は原則として存続します。許認可の承継が日程の制約となる案件では、事業譲渡ではなく株式譲渡又は会社分割の方法を採ることができないかを、改めて検討する価値があります。

契約書のどの条項を見るか

確認事項 5つの条項を順に読みます

この局面において確認すべき条項は、次の5つです。

  • 前提条件の条項 許認可に関する条件が、どちらの当事者の利益のために置かれているか。放棄の可否について定めがあるか。放棄の方式が定められているか。
  • 実行日の条項 実行日が確定日で定められているか、条件の充足から一定の期間の後と定められているか。当事者の合意により変更できる旨の定めがあるか。
  • 解除の条項 一定の期日までに実行がされない場合に解除できる旨の定めがあるか。その期日はいつか。解除に伴う違約金の定めがあるか。
  • 誓約の条項 許認可の取得について、いずれの当事者がどのような義務を負っているか。「最大限の努力を行う」という定めか、「取得する」という結果を約する定めか。この差は、責任の所在を決めます。
  • 表明保証の条項 許認可の状況について、売主がどのような事実を表明しているか。表明の内容と実際とに食い違いがある場合には、補償の請求の余地があります。

手続 変更の合意書を作成します

対応が決まったら、口頭の了解にとどめず、変更の合意書を作成してください。合意書には、変更する条項の番号と、変更の前後の文言を明記します。あわせて、変更しない事項については従前のとおりである旨を確認する条項を置いてください。実務では、実行日だけを動かして他の日付を動かし忘れる例が多く見られます。価格の調整の基準日、表明保証の反復の時点、補償の請求期間の起算点が、実行日に連動しているかどうかを確認してください。

相手方が「予定どおり決済せよ」と求める場合の進め方

買主が予定どおりの決済を求める理由は、資金の手当ての期限、投資の意思決定の期限、対象会社の従業員や取引先への説明の都合など、さまざまです。売主が予定どおりの決済を求める理由は、多くの場合、資金繰りです。いずれも切実であり、「法律上できません」という説明だけでは、話は前に進みません。

そこで、次の順序で協議を進めてください。

第一に、事実を共有します。行政庁への照会の記録を双方が読み、いつ許認可が得られる見込みかについて、共通の認識を持ちます。

第二に、それぞれの当事者が「予定どおりの決済」により何を得ようとしているのかを言語化します。資金であれば、手付又は一部前払により手当てできる場合があります。投資の意思決定の期限であれば、契約の締結をもって足りる場合があります。

第三に、無許可営業となる部分と、ならない部分とを切り分けます。事業の全部を移せなくても、管理部門の業務や、許認可を要しない事業の部分については、先に移すことができる場合があります。

第四に、切り分けた結果に応じて、4つの対応を組み合わせます。多くの案件では、「許認可を要する部分については実行日を後ろへ動かし、それ以外の部分は予定どおり移し、代金の一部を留保する」という組合せに落ち着きます。

第五に、合意した内容を書面にします。この段階で、双方の担当者が理解している内容に食い違いがないかを、条文の形で確認することが重要です。

よくある誤解と、避けるべき対応

第一の誤解は、「契約書の前提条件を放棄すれば、許可がなくても事業を始められる」というものです。前提条件は当事者間の約束であり、業法の要件を左右しません。

第二の誤解は、「売主の名義を借りておけば当面は差し支えない」というものです。名義貸しは業法が禁じるところであり、許可の取消しの事由となり得ます。

第三の誤解は、「申請を出しているのだから、審査中でも営業できる」というものです。承継の仕組みが用意されていない業種において、申請中であることは営業を適法とする根拠になりません。

避けるべき対応も三つ挙げます。第一に、行政庁への照会を担当者の電話のみで済ませ、記録を残さないこと。第二に、実行日だけを変更し、価格の調整の基準日や補償の請求期間の起算点を放置すること。第三に、暫定的な運営を採る場合に、事業の損益を実質的に買主へ移しながら名義のみを売主に残すこと。この三つは、いずれも後日の紛争と行政上の不利益に直結します。

いま確認していただきたいこと

  • 当該の許認可が、認可先行型か新規取得型かを、根拠となる条文により確認しましたか。
  • 行政庁への照会の記録を、日時、部署、職名、回答の内容とともに残しましたか。
  • 契約書の前提条件、実行日、解除、誓約、表明保証の5つの条項を読みましたか。
  • 許認可を要する業務と要しない業務とを、条文に照らして切り分けましたか。
  • 変更の合意書において、実行日に連動する他の日付を全部見直しましたか。

よくあるご質問

申請さえ出しておけば、審査中でも事業を始めてよいのですか

業種によります。承継の仕組みが用意され、認可を受けたときに地位を承継すると定められている業種では、認可の日が基準となりますので、申請中の営業は認められません。新たに許可を取得する型の業種でも、許可を受けるまでは営業できないのが原則です。申請中であることを理由として営業を許す定めが置かれているかどうかを、所管の法令により確認してください。

株式譲渡に切り替えれば、許認可の問題は解決しますか

多くの場合、日程の制約は大きく緩みます。対象会社の法人格が維持されますので、許認可はそのまま存続するからです。もっとも、対象会社が抱える債務や偶発的な負担も併せて引き継ぐことになりますので、方法の変更は許認可だけを理由として決められるものではありません。役員の変更や主要株主の変更についての届出又は承認の要否も、あわせて確認する必要があります。

決済を延期した場合、その間の対象会社の損益は誰に帰属しますか

契約書の定めによります。定めがない場合には、実行日までは売主に帰属するのが原則です。延期の合意をする際には、延期の期間に生じた損益の帰属と、価格の調整の要否を明記してください。あわせて、延期の期間中、売主が通常の業務の範囲を超える行為を行わない旨の義務を定めることが通例です。

行政庁が示した見込みの期間より早く許可が下りることはありますか

あります。他方、補正を求められて更に延びることもあります。したがって、変更の合意書においては、実行日を確定日で定めるのではなく、「許認可の取得の日から起算して10営業日を経過した日」といった形で定め、あわせて最終の期限を置くという設計が有効です。

間に合わないことが分かった責任は、どちらの当事者にありますか

契約書の誓約の条項によります。許認可の取得について、いずれの当事者が、どの程度の義務を負っているのかを確認してください。「最大限の努力を行う」という定めであれば、結果が得られなかったことのみをもって責任を問うことは困難です。他方、売主が許認可の状況について事実と異なる表明をしていた場合には、表明保証の違反として補償の請求の対象となる余地があります。

まとめ

許認可がクロージングまでに間に合わないと判明した場合、採り得る対応は、決済日の再設定、前提条件の放棄、売主の許可のもとでの暫定的な運営、代金の一部留保の4つです。最も安全なのは決済日の再設定であり、最も危険なのは実態を伴わない名義の据置きです。まず、当該の許認可が認可先行型か新規取得型かを条文により確定し、行政庁への照会の内容を記録に残してください。そのうえで、契約書の5つの条項を読み、無許可営業とならない範囲を切り分け、変更の合意書により日程と代金の取扱いを定めます。急ぐほど、手順を踏むことが結局は近道です。必ず解決できますから、一緒に頑張りましょう。

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弁護士法人M&A総合法律事務所 電話番号 03-6435-8418
受付時間 8:00-21:00(土日祝含む)

出典

  • 建設業法第3条第1項
  • 建設業法第17条の2
  • 建設業法第17条の3
  • 貨物自動車運送事業法第30条第1項
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3の3
  • 宅地建物取引業法第3条第1項
  • 宅地建物取引業法第12条第1項
  • 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第5条第1項
  • 介護保険法第70条第1項
  • 食品衛生法第55条第1項
  • 会社法第467条第1項
  • 会社法第309条第2項第11号
  • 中小企業庁「中小M&Aガイドライン」

結果は事案ごとに異なります。本記事の記載は一般的な説明であり、特定の結果を保証するものではありません。

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