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資本金1億円の区分に関するメインのページです。本ページは、会社法上の大会社と法人税法上の中小法人との違い、及び減資と外形標準課税をM&Aの交渉の前提としてご説明します。資本金1000万円の区分は別のページをご参照ください。
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会社の資本金の額を検討している経営者の方が、大会社に該当する場合の税率の取扱いがどうなるのか、軽減税率の適用を受けられるのかが分からず悩んでいる場面を想定しています。
資本金の額によって法人税等の軽減税率の適用の有無が変わるため、これを把握しないまま資本金を決定すると、想定していたよりも税負担が重くなるおそれがあります。
そこで本記事では、会社の資本金の額が大会社に該当する場合の軽減税率の取扱いについて説明します。
会社資本金(大会社)と軽減税率について!
最近、この時期になると、資本金を1億円から9000万円などの会社となるよう、資本金の額の減少をすることが多いのですが、資本金の額が1億円を超えると、法人税法上の中小法人等に該当しなくなり、各種の優遇措置の適用を受けられなくなるためです。なお、会社法上の「大会社」とは、最終事業年度に係る貸借対照表上の資本金の額が5億円以上である株式会社又は負債の部の合計額が200億円以上である株式会社をいい(会社法第2条第6号)、資本金1億円という基準は会社法上の大会社の基準ではありません。会社法上の概念と法人税法上の概念とは区別して理解する必要があります。
ですので、会社を増資したとしても、直ちに資本金の額の減少を行い、なんとか資本金を1億円以下とするということが行われます。
- 留保金課税の不適用
- 軽減税率(年800万円以下の所得の部分について15パーセント。租税特別措置法第42条の3の2。令和9年3月31日までに開始する各事業年度に適用されます。ただし、所得の金額が年10億円を超える事業年度は17パーセントとされ、また前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人は適用対象から除外されます)
- 試験研究費の税額控除
- PC等の特別控除・特別償却
- 賃上げ促進税制
- 交際費等の年800万円の定額控除(租税特別措置法第61条の4)
- 欠損金の繰戻還付
- 少額減価償却資産30万円未満の全額損金算入
- 貸倒引当金の法定繰入率の適用
- 法人事業税の外形標準課税の適用除外(ただし令和6年度税制改正による見直しにつき後記のとおり)
などなど。
以上のとおり、資本金の額が1億円以下であるか否かによって、適用される制度は大きく異なります。
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会社法上の「大会社」と法人税法上の「中小法人等」との違い
実務上、しばしば混同されますので、あらためて整理いたします。
会社法上の「大会社」とは、最終事業年度に係る貸借対照表上の資本金の額が5億円以上である株式会社、又は負債の部の合計額が200億円以上である株式会社をいいます(会社法第2条第6号)。大会社に該当すると、会計監査人の設置が義務付けられ(同法第328条)、また公開会社である大会社は監査役会の設置も義務付けられます。
これに対し、法人税法上の「中小法人等」の判定基準は、原則として期末資本金の額が1億円以下であることです。軽減税率、交際費等の定額控除、欠損金の繰戻還付、少額減価償却資産の特例、貸倒引当金の法定繰入率といった各種の優遇措置は、この1億円の基準によって適用の可否が定まります。
したがって、「資本金1億円を超えると大会社になる」という説明は正確ではありません。資本金1億円は税務上の分岐点であり、会社法上の大会社の分岐点は5億円です。
資本金1億円以下への減資と外形標準課税(令和6年度税制改正)
従前は、資本金の額を1億円以下とすることにより法人事業税の外形標準課税の対象から外れるという取扱いがありました。もっとも、令和6年度税制改正により、この点は見直されております。
すなわち、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人については、当該事業年度に資本金の額が1億円以下であっても、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超える場合には、引き続き外形標準課税の対象とされます(令和7年4月1日以後に開始する事業年度から適用)。
また、資本金と資本剰余金の合計額が50億円を超える法人等の100パーセント子法人等であって、資本金の額が1億円以下であり、かつ資本金と資本剰余金の合計額が2億円を超えるものについても、外形標準課税の対象とされます(令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用)。
したがって、単に資本金の額を1億円以下に減少させれば外形標準課税を免れられるという理解は、現在では妥当いたしません。
M&Aの場面における留意点
買主が資本金の額の大きい法人である場合、買収後に対象会社が当該法人の100パーセント子法人等となることにより、対象会社について外形標準課税の適用の有無が変わる可能性があります。また、資本金の額の減少は、株主総会の決議及び債権者保護手続を要し(会社法第447条、第449条)、一定の期間を要しますので、クロージングの日程に影響いたします。
資本金の額の設計は、税務上の効果のみならず、会社法上の機関設計、許認可の要件、取引先の与信、入札参加資格等にも影響いたします。減資を検討される際には、税務と法務の双方から確認することをお勧めいたします。
※本記事の税務に関する記載は一般的な説明です。具体的な事案における課税関係につきましては、必ず税理士にご確認ください。
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